Firefox57が来ましたが、いきなりバージョンアップするのは避けたいなど、現在の環境を残したまま、旧バージョンと共存させたい場合の方法です。
構成の確認とバックアップ
Firefoxの環境は次の2つで構成されます。
- Firefox本体(現在のバージョン)
- プロファイル(現在のプロファイル)
1の本体と2のプロファイルは、それぞれ別に管理することができます。
これを
- 旧バージョンのFirefox本体
- バージョン57のFirefox本体 ←作成
- 旧環境のプロファイル
- 新環境のプロファイル(まっさらな状態) ←作成
として、バージョン57を試す環境を作りましょう。
ブラウザに設定されているアドオンやCookieなどはすべてプロファイルの方に管理されていますので、こちらのほうが大事ということもできます。Firefox本体の旧バージョンはMozilla公式サイトにありますので、このプロファイルさえきっちりバックアップしておけば、いつでももとに戻すことができます。
ということで作業を行う前に、必ず現在のプロファイルのバックアップをとっておきましょう。
プロファイルフォルダは、
- アドレスバーに「about:profiles」と入力
- (複数ある場合は)「これは使用中のプロファイルです。削除できません。」と書かれているプロファイルのところにある「フォルダーを開く」をクリック
- エクスプローラーでフォルダが開く
- Firefoxを終了する
- エクスプローラーで1個上のフォルダに移動して、プロファイルフォルダごとコピーを取るなり、zipで固めるなどして保存しておきます
これで何かミスっても、元のフォルダを削除した上でバックアップしたフォルダごと書き戻すことで元の状態に戻すことができるようになりました。バックアップファイルは恐らく数百MB程度ですので、少なくとも57移行が落ち着くまでは消さずに残しておいたほうがいいでしょう。
新しいプロファイルを作っておく
同時に新しいまっさらのプロファイルを作っておきましょう。
- 現在インストールしているFirefoxで、アドレスバーに「about:profiles」と入力
- 一番上にある「新しいプロファイルを作成」をクリック
- 「次へ」をクリック
- 適当にわかりやすい名前を入れる
- フォルダーを指定したい場合はフォルダ指定も行う
- 「完了」を押す
- 元の画面に戻るので、新しく作ったプロファイルの下にある「既定のプロファイルに設定」をクリック
- Firefoxを終了しておきますこの状態で起動してもまっさらな状態になります。現在のプロファイルをコピーした状態で移行を試したい場合の手順は後述します。
Firefox本体のインストール
次に新しいFirefoxをカスタムインストールします。
Mozilla公式では、「完全なオフラインインストーラーを 他のプラットフォームと言語 のページからダウンロードしてください」と書いていますが、今日現在、そこからダウンロードできるのはFirefox56.0.2となっています。
Firefox のカスタムインストール (Windows) | Firefox ヘルプ
https://support.mozilla.org/ja/kb/custom-installation-firefox-on-windows
そこで、直接下記URLを叩いてダウンロードします。
Directory Listing: /pub/firefox/releases/57.0/
https://archive.mozilla.org/pub/firefox/releases/57.0/
Windowsの64ビット版であれば、「win64/」を選択します。
言語フォルダが大量に出てきますので、「 ja/」を選びます。
Windowsの場合次のURLです。
32ビットWindows:https://archive.mozilla.org/pub/firefox/releases/57.0/win32/ja/
64ビットWindows:https://archive.mozilla.org/pub/firefox/releases/57.0/win64/ja/
11月14日時点ではFirefox57は以下のバージョンと日付になっていました。
File Firefox Setup 57.0.exe 37M 13-Nov-2017 10:43
これをダウンロードしてインストールします。
※当然ですが、インストーラーを起動する前に今使っているFirefoxは終了させておきます。
インストーラーを起動すると「カスタムインストール(Custom Install)」を選び、インストールフォルダを選択する画面で、デフォルト表示のものとは別のフォルダを指定します。
ここでは仮に「C:\Program Files\Mozilla Firefox57」としておきます。
あとは「デフォルトブラウザーにする」というチェックボックスも外しておきましょう。
その後は普通にインストールを実行します。
新しいFirefoxで起動する
これで、
- 旧バージョンのFirefox本体
- バージョン57のFirefox本体
- 旧環境のプロファイル
- 新環境のプロファイル(まっさらな状態)
ができました。
手順通りに進んでいれば、先程プロファイルをまっさらなものに切り替えているはずですので、新しくインストールしたFirefox57を起動するとまっさらな状態で起動するはずです。
普段見に行くサイトなどを訪れるなどして色々テストしてみましょう。
プロファイルを指定してFirefoxを起動する
いちいちプロファイルマネージャでプロファイルを指定して起動するのも手間なので、オプションでプロファイルを指定して起動しましょう。
WindowsのFirefoxのショートカットのプロパティを開き、「-P プロファイル名」を追加すれば、起動時にプロファイルを指定できます。※”P”は大文字です。
インストール状態ではショートカットのリンク先(パラメーター)は次のようになっています。
"C:\Program Files\Mozilla Firefox57\firefox.exe"
例えば「57test」というプロファイル名だとすると、次のようにプロファイル指定を追加します。
"C:\Program Files\Mozilla Firefox57\firefox.exe" -P 57test
これはFirefox57のショートカットですので、旧バージョンのショートカットでも一応、旧プロファイル名を指定しておくと安全でしょう。
こうすることで、現在の「既定のプロファイル」を意識することなく両バージョンを切り替えて起動することができます。
※なお制限により両バージョンを同時に起動することはできません。
次のようにオプション指定することで同時起動できます。
"C:\Program Files\Mozilla Firefox57\firefox.exe" -no-remote -P 57test
※Firefox57を基本利用して過去バージョンを参考に起動するのであれば、57側ではなく過去バージョン側に起動オプションを指定してください。
旧バージョンに戻す方法
いろいろお試しをした後、旧バージョンの環境に戻したい場合の手順です。
- アドレスバーに「about:profiles」と入力
- 戻したいプロファイルのところにある「既定のプロファイルに指定」をクリック
- Firefoxを終了
- 起動するバージョンに気をつけながら旧バージョンのFirefoxを起動
なお56.0.2に戻す場合は下記リンクからダウンロードできます。
https://ftp.mozilla.org/pub/firefox/releases/56.0.2/win64/ja/
元のプロファイルをコピーして57で使いたい
いざとなったら全部戻すことを考えて、元のバージョンのプロファイルも残しておきながら、ひとつずつアドオンを更新しながら使いたい場合もあるかと思います。
元のプロファイルのバックアップを取っておけばそのまま上書きしてもいいのですが、ここではいつでも切り替えて起動できるようにコピーして使うことにします。
まず上の手順で作成した「新しいプロファイル」のフォルダに、「もとからあるプロファイル」のフォルダ内のファイルをエクスプローラーですべてコピーします。
その後、「about:profile」かプロファイルマネージャで、コピーした「新しいプロファイル」を既定のプロファイルに指定して再起動すれば完了です。
コメント
-no-remoteをつければ同時起動できますよ
https://developer.mozilla.org/ja/docs/Mozilla/Command_Line_Options#-no-remote
ありがとうございます。
オプション知りませんでした。追記しておきます。