「Cities Skylines」で質問が多い、道路関連についてのノウハウというかTIPSのまとめです。
この記事はModを使うことを前提とした内容です。「Mod使うのはチートっぽくてちょっと…」という方は、以下ではなく「こちらの記事」を参考にしてください。
基本的に何かを参考にしたものではなく大半は私自身がプレイする中で見つけた事項であり、いわゆる経験則に過ぎませんから理論的に間違っている可能性があります。しかし何かの参考になればと思い公開します。もし勘違いなどにお気付きの場合はコメントなどでお知らせ頂けると幸いです。
目次
基本事項
- 下記で”速度調整云々”と書いているのは「TM:PE STABLE (Traffic Manager: President Edition)」で行います。このTM:PEは超有名Modであり、PC版でプレイする以上ほぼ必須というべきModですので是非導入しましょう。
- また道路や線路などいわゆる”ネットワーク”と呼ばれるオブジェクトの操作については「Move It」で行います。こちらも超有名Modで、PC版のアドバンテージの大きな一つだと思いますのでぜひ導入しましょう。
商業・産業地区の渋滞緩和(一方通行エリア)
巨大な商業・産業地区を作ると混雑しがちで、よくやるのが4車線道路を一方通行で敷くことで渋滞を緩和する方法です。
商業・産業地区のトラックをよく観察してみると、1ヶ所ではなく複数箇所に停車して積み込み/積み下ろしを行うという動作をしています。そのため双方向道路を敷いていると、ビルに停車するトラックと先へ進もうとするトラックが混じるために渋滞したり、ビルから出てきたトラックが他のトラックと干渉して渋滞したりと渋滞要因が多重に発生する状況になります。さらに交差点では、直進車と右左折車が交差してちっとも進まないまま信号が切り替わり…とまさに渋滞の見本市となってしまうでしょう。
そこで商業・産業地区全体を大きく一方通行で囲ってしまうことで、こうした細かい渋滞要因をある程度なくすことが可能です。ただし上で書いたように、複数箇所に用事のあるトラックは1箇所で用事を済ませた後にもう一度商業・産業地区へと進入しようとするため、これをさばくための(一方通行ブロックの開始位置へ戻る)周回用の道路も用意しておく必要があります。
これについては下記の動画がとてもわかりやすいです。Noobは初心者がよくやりがちな道路の敷き方で、次のProというのがこの一方通行で囲ってしまうやり方となります。両者を比べると車の流れが圧倒的にスムーズになっていることがわかるかと思います。なおこの方は難しい内容をいとも簡単に見せるテクニックを持っているため完コピしようとするとちょっと難しいのですが、「一方通行をうまく使うことでこんなにスムーズに流れる」ということだけ理解できれば良いでしょう。
商業・産業地区の渋滞緩和(速度調整)
これでも渋滞を引き起こす場合には、下図のように一方通行4車線(3車線でも可)のうち、建物に接している両端2車線の速度を時速20キロほど下げてみましょう。
TM:PEでCtrlキーを押すとこうして車線ごとの設定が可能になります。なおCtrl+Shiftを押しながら速度設定すると交差点の間すべてを一括指定することもできます。※Ctrlが車線ごと指定、Shiftが交差点間一括指定。速度などは各自で調整してみてください。
商業工業地帯で渋滞する原因は、たいていは施設に出入りするトラックがある場合に後続車が詰まりダンゴ状態になることから始まります。それがこのように設定すると、用事があるエリアまでは車は中央2車線を走行し、用事のあるブロックのみ両端2車線に移動して積み下ろしを行い、用事が終われば中央2車線を使って速やかに移動するようになるかと思います。結果的に渋滞発生頻度を極端に減らすことができます。※(基本的に車はセグメント境界=ノードで車線変更するため)あまりに超ロングなセグメントだと車線変更機会が少なくなるため注意
商業地区の渋滞緩和(DLC)
2022年9月発売のDLC「Plazas & Promenades」を使うことで、都市中心部および商業地区の渋滞を劇的に改善できるようになりました。
このDLCでは、「歩行者エリア」として指定したエリア内のトラック輸送及びゴミ回収を「サービスポイント」と呼ばれるビルですべて集約し代行させることが可能です。
「歩行者エリア」指定は地区ツール同様にペイント的なツールで指定できます。都市中心部および商業地区をベタッと一面指定した上で、さらに渋滞するエリア部分の道路を”歩行者優先(専用)道路”に置換することで、そのエリアでの交通渋滞は見事に消えます。
※要するに歩行者エリア内の”歩行者優先道路に面したビルへの物流およびゴミ回収が「サービスポイントビル」で代行できる”という仕組み
物流トラック及びゴミ回収車については、該当する歩行者エリア内に設置した「サービスポイント」と呼ばれるビルが集配送拠点となり、個別の建物へは設定上そのビルから自動的に集配されるということになります。※ゲーム内では瞬時に需要と供給が満たされ、何らかの集配する人物などが描写されるわけではない。
今後調整が入るかも知れませんが、実装時点では1~2万人規模のエリアならば小型の「サービスポイントビル」数軒でカバー可能で、なおかつ「サービスポイントビル」へのトラック量も数えるほどしか発生しませんので、これにより都市中心部および商業地区の渋滞問題は完全に解決します。
詳しくは別記事(Cities: Skylines「Plazas & Promenades」DLCの情報まとめ)を参照して下さい。
トラム/バスだけ早く
なお車線単位での速度指定は、路面電車(トラム)/バス専用レーンなどに対しても設定可能です。例えば下図はトラム線路独立型の4車線道路ですが、以下のように設定することでトラムレーンは130キロ、車道は100キロの指定となります。トラムだけが早く進んで行く様はなかなか爽快です。バスレーンが独立している道路の場合は、バスレーンだけ遅いという設定も可能でしょう。
速度調整の罠
速度調整し始めると癖になってついついあちこちの最高速度を上げ始めてしまいますが、これは悪手です。気づけば市内の主要幹線のほとんどが上限の130キロになり、大半の車が市外の高速道路ではなく町中の道路を横断し始め、結果あちこちで渋滞が発生して「商品がない」「出荷先がない」という状況に陥ってしまします。※1つ上のスクショはちょうどその病気に罹ってた頃のものです
最高速度を弄るのはなるべく最小限にし、最高速度を上げるのではなく逆に最高速度を標準より下げるように調整することを心がけましょう。
「混んでるからその道路の最高速度を上げて混雑を緩和しよう」というのはやりがちですが悪い選択です。このゲームの車はとにかく一番最短経路で一番速度の出るルート「だけ」を使い、そこだけに全集中し、渋滞状況は一切考慮しないからです。ですから車が集中しがちな経路の最高速度が上がれば、さらにそのルートに集中することになることが理解できるでしょう。
なので特に渋滞して欲しくないところは、逆に最高速度をガツンと下げることでルート選択から除外させることができます。※鉄道・路線バス等は路線設定をするので話は別です。
ある程度不便にする
道路を敷く時には、ついつい効率や便利さを考えて住居エリア・商業エリア・工業エリア等をそれぞれ最短距離でつなぐ幹線道路的なものを作りたくなりますが、そうすると間違いなくその幹線道路周辺は大渋滞を引き起こすでしょう。便利さや効率をぐっとこらえて、あえて不便な作りにすることで大渋滞を防ぐことができます。
これは住宅エリア内でも同様で、都内よろしく全てのエリアに縦横無尽に道路網を横断させて外部との接続をしたくなりますが、そうではなく、村をイメージして出口は最低限の数ヶ所に抑え(あえて袋小路的な作りにする)、残りは歩道やバス路線などで外への経路を確保するようにしましょう。
こうすると通り抜けできなくなるので、その住居エリアに用事のない車(特にトラック)が進入しなくなります。要するに通り抜けして信号をスキップするような”裏道”にさせないということになります。また町内は制限速度の遅い道路を使うか、あるいはTM:PEで制限速度を落としてしまうのも良いでしょう。
この「ある程度不便にする」というのは、鉄道網などを構築する際にも意識すると良いでしょう。ついつい自分が乗るつもりで最短距離を結んで便利にしがちですが、そうすると人が集中して駅での待機列がすごいことになります。またCitiesでの運賃計算においては距離は算定されないため、長距離路線は赤字に近づきます。できるだけ短距離で乗り継ぎをさせるような作りにしましょう。
交差点進入時のブレーキングをなくしたい
渋滞交差点を見ていると、交差点に侵入する直前で一旦ブレーキングをして減速した上で交差点に進入している車がいる場合があります。
これはデフォルトではそうなっているためで、TM:PEを導入して設定することでこの一時ブレーキをなくすことが可能です。
TM:PEの交差点設定で「✕」マークのアイコンが(下段左寄りに)ありますので、それを選択してから交差点を選ぶと、いろいろなアイコンが並んでいます。
この内、”前の車に追従”的なアイコンを緑色にすると、この一時停止がなくなり交差点がスムーズに流れる場合があります。
※この図では、左からの道路以外はすべて追従をオン(緑)にしています。
十字交差点では4方向それぞれに設定があるため、特に流れの多い本線的な方向については必ず設定しておきましょう。
特に街の出入り口付近はこの設定をしておきましょう。
道路の片側だけゾーンが出現する
2023年5月の「Hotels & Retreats」リリースに伴うパッチ1.17.0-f3で、バニラゲームに道路敷設時にゾーニング(建物建設用のマス)の切り替え機能が付きました。
道路を敷く際の画面左下の方のスナッピング指定などのさらに左に、道路の左右どちらにゾーニングを発生させるかというアイコンが追加され、これを切り替えることで、道路の両側や、道路の右側あるいは道路の左側にだけゾーニングを発生させるという指定ができます。
これを意識しないままカチカチと切り替えてしまうと、「道路の片側だけゾーンが出現する」といった状態になってしまいます。
横断歩道を消したい
横断歩道があると、とうぜん住民が道路を横切ってしまいます。そこで横切って欲しくない地点では横断歩道を消すことで車道の通りをよくすることが可能です。
何通りかの指定方法が可能です。
1.横断歩道機能をまるごと消す
その交差点を横断禁止にしたい場合、手軽なのはTM:PEで横断歩道の機能そのものを消してしまう方法です。
TM:PEを起動して、「X」アイコンから交差点を指定すると、なにやらアイコンがたくさん表示されます。このうち”青い歩行者アイコン”が横断歩道を設置するか否かの指定アイコンになります。
※この図では、上下の道路に横断を許可、右からの道路は横断を禁止にしています。
これをクリックするとグレーで赤い斜線の入った横断無効を示すアイコンに変わり、これでその地点での横断は禁止になります。同時に横断歩道の表示も消えます(もしかするとSteamワークショップ::Hide TMPE crosswalks V3.2 [stable]が必要かも知れません)。
2.バニラ横断歩道の「表示」だけ消す
「その場所での横断は許可するけど、バニラの横断歩道の表示はダサいから消したい」という場合は、「Node Controller Renewal」で表示だけを消すことができます。※歩行者は渡る状態
「Node Controller Renewal」で交差点を指定して、一番下「横断歩道の表示」の一番左の「すべて」で”0”をクリックして消しましょう。
消したままでも構いませんし、あるいはIntersection Marking Tool(IMT)を使ってきれいな横断歩道を描いてもいいでしょう。詳しくは別記事「「Cities Skylines」Intersection Marking Tool(IMT)簡単な使い方」を参照して下さい。
歩道(舗装)を消したい
Citiesの世界の住人たちは、少しでもルートが繋がっていれば、たとえ何キロでも歩くことを厭わないため、油断するとアリのように漏れた場所からどんどん歩行し始めてしまいます。
この車道の隅を歩行するのは道路アセットに”舗装”が設置されているためです。これを手っ取り早く歩行禁止するには、「高速道路」を敷いてしまうのが一番です。高速道路は歩行禁止というよりゲーム的には歩道(いわゆる”舗装”部分)がセットされていないため歩行者は通行できません。
※Citiesの世界での”舗装”は、一般的な日本人の舗装概念とずれている可能性があります。「「Theme Mixer 2」の使い方(マップテーマ)」記事を参照して下さい。
ただし「高速道路だと町中の雰囲気に合わないや」という場合には、アセットエディタを使って既存の道路のどれかを歩行禁止にして別名保存することで実現できます。とは言ってもアセットエディタもよくわからないし面倒くさそうだし、誰か公開してないのかな?と探すと(なぜか需要が無いのか)かなり少ないのですがいくつか公開されています。※実際に動作確認をしたわけではないので使用する場合は各自でご確認下さい。
- Steamワークショップ::2way 2lane NExt2 no pedestrians
- Steamワークショップ::no pedestrian road
- Steamワークショップ::muddy road – no pedestrians, no zoning
しかしいずれもサイズがやや大きめで、実際に使いたい道路と異なる可能性が高いため、結局は自分で作るのが一番てっとり早いという結論に至ります。試しに一度作ってみましょう。作ると言っても既存の道路アセットのプロパティを弄るだけですが。
方法は以下の手順になります。※環境によっては相当重くなりPCに過大な負荷が係るかもしれないので、アセットエディタのまま放置などはせず、注意して作業して下さい。
- ゲームのメニューを起動し、「ツール」-「アセットエディタ」を起動する
※アセットエディタで起動しないModを使用している場合や、あるいはサブスクライブアセット数が多い場合などは、「disableMods」オプションなどを使用してなんとかアセットエディタを起動する - 気温帯を選択(普通に温帯などで)
- 続いてどのアセットをインポートするかを選択するので「道路」を選び、さらに一覧から自分の使いたい(元にしたい)道路を探して選ぶ
※バニラアセット以外にも、サブスクライブしているワークショップアセットでも指定可能です。 - アセットエディタが開くので、ダイアログから「Lanes」を開くと、中に「Pedestrian,None,-7」などという表示が見える
- その右にある✕を押して歩道を削除する。※両方向ある場合は2つとも削除
- ESCでメニューを呼び出し「アセットをセーブ」を選択 ※デフォルトで別名保存される
- (ちょっと重いかもしれないので少し待ち)適当にゲーム内で自分で判別できる名前を付けて保存する
- 保存が終わればアセットエディタを終了し、オプションを元に戻すなどして普通にゲームを起動する
これで、先程歩道を禁止した道路を呼び出して設置してみて、住民たちが歩行できずに折り返していけば成功です。本当は他のプロパティも辻褄が合うようにしたほうが良いかも知れませんが、ワークショップ公開もせず自分の環境で楽しむ分にはとりあえずこれで十分でしょう。※もし将来的に何か不具合が出た場合にはBOBなどを使って一括置換してしまいましょう。
バス停での渋滞緩和
Citiesで困ることの一つに、路線バスを運用している道路の渋滞が上げられます。
バス運用せずに最初から計画的に路面電車(トラム)や地下鉄などで交通手段を確保すればいいのですが、とくに最初は手軽さからついついバス路線を敷いてしまいがちです。この時に困るのが、バス停の箇所で車の流れが止まってしまい渋滞を引き起こすことではないかと思います。
なお道路にバス停を設置すると、停留所部分が自動的にくぼんでバスレーンのように拡張される道路とそうではない道路が存在します。
右から、バニラの2車線道路、バニラ芝生付き2車線道路、バニラ街路樹付き2車線道路、Network Extensions 2の4車線道路、バニラ4マス道路2種を敷いた上でバス停を設置してみました。
これを見るとわかるように、バニラ道路はバス停設置部分が少し幅広に拡張され”くぼみ”ができていることがわかります(NE2の4車線は形状変化がない)。法則は不明ですが恐らく、路上駐車できてしまう道路種類についてはバス停留所が拡張されるのではないかと思われます。
この拡張された(くぼみ)エリアはバス停に停車するバスが使用し、他のトラックや消防・警察などの公用車については空いている本線道路を使って停留しているバスを追い越すようになります。
例えば工場(産業)エリアや商業エリアはついついNE2の4車線道路を敷いてしまいがちですが、NE2の4車線道路では結局バス停側1車線が死んでしまうため、バス停設置部分についてだけはバニラ2車線道路のメリットが感じられるのではないかと思います。
なお自動的に拡張されるバス停(くぼみ)の長さは、その道路のノード間距離に依存しますので、できれば長い道路面に設置するほうがいいでしょう。
上が通常のノード間距離の道路(3ノード 2セグメント)、下がMove It!で引き伸ばした道路(2ノード 1セグメント)です。引き伸ばされた分だけバス停(くぼみ)が伸びていることがわかるかと思います。
実際には、下図のように少し余裕を持って本線からバス専用道路を引き込んでバス停留所を設置するといいでしょう。なおバス専用道路はデフォルト状態だとトラックなどが進入してしまうため、TM:PEでトラックや公用車も進入禁止してしまいましょう。
これくらいの余裕を設けておくと、各路線(停留所)ごとに乗降中バスともう一台停車できるくらいの処理量が可能となります。
私は、駅前ではこうしたバス停を設置し、どうしても商業エリア内などに設置するときには芝生付きあるいは街路樹付き2車線道路でバス停での追い越しができるようにしています。
あとおまじない程度かもしれませんが、(日本のように左側通行道路で)上のように2つ以上のバス停を並べる場合には、(上図のように)バス停を進行方向の左手側にはみ出して設置するほうがスムーズにいく気がします(言い換えると、時計回りに路線を敷いた上で路線の外側にバス停を設置する)。これは、バス停を出発したバスが”次に曲がる方向”に寄せて進行したがるためで、これをバス停を右手側に設置するとその先で曲がるバスが前に止まっているバスの後ろに並んでしまう傾向があるように思います。
合流地点での渋滞解消
高速道路などの合流地点での渋滞もよく見かけます。
車線はいっぱいあるのに吸い付くように合流/分岐車線側に集中し、合流する車線(側道)と合流される車線(本線)とで固まってほとんど動かなくなるときまであります。
この場合、通常はTM:PEのオプション画面「ゲームプレイ-高度な車両AI-Advanced Vehicle AIを有効にする」をオンにすることで回避できるケースがほとんどですので、まずこれを試してみましょう。※その下の「動的レーン選択」は大きくしすぎないほうが良いでしょう。0%でも困らないと思います。
しかしそれでも渋滞する場合、半ば強制的に解消する手がいくつかあります。
1.車両規制してみる
同様にTM:PEで、下記のように合流される本線側の車線の直前区間に車両規制をしてしまいましょう。見たとおりで、その車線について赤斜線の車種は通行が禁止されます(たまに無視するドライバーもいる)。
こうすることで強制的に側道側の車線が空くため、側道からスムーズに合流できるようになります。この例ではわかりやすく全車種規制していますが、通常は自家用車とトラックだけでも十分効果が出ると思います。
2.車線数増減を合理的にする
それでも合流地点で渋滞する場合には、「本線車線数+合流する側道車線数=合流後の本線車線数」となるようにしてみましょう。
例えば2車線の本線に1車線の側道を合流させるときには合流後の本線を3車線にします。しばらく3車線にしてから2車線に戻すなどしてみましょう。もうお分かりだと思いますが、上ではTM:PEを使って手動でやっていることを、道路の物理的な車線数で指定しているだけなのです。
上のスクショでは双方向の高速道路アセットを使ってしまっており片側の車線が減少するアセットがないためにやむなくTM:PEで指定しているのですが、片側通行高速道路や一般道路ではそんなことでチマチマ設定するより車線数で指定するほうが早いでしょう。
これは合流だけでなく、分岐する際にも使えるテクニックです。先程の式で言うと「本線車線数+分岐する側道車線数=分岐前の本線車線数」となります。
例えば2車線の本線道路から1車線分岐させる場合には、まず本線の2車線に3車線を接続した上で、その3車線から2車線と1本の分岐路を分けることで、2→3車線増加時に分岐路側に進む車両だけが分かれて分岐していくという流れがかなりスムーズになります(これでもごく一部分岐側に入ってから本線2車線に戻る車両がいるのはいる)。
これを2本本線から1本ランプ+2本本線へと直接強引に分岐させると、なぜか分岐側の道路に殆どの車両が吸い寄せられて団子状になり、しかも分岐せずに直進するという謎の動きが生まれます。初期にこれでイライラした人は多いかと思います。
これは特に高速道路からインターを経由して街に進入するランプ道路に使えるテクニックです。
3.車線を接続(制限)する
さらに強制的に合流させたいときには、TM:PEの「車線を接続」ツールでそれぞれ進入できる車線を強制的に制限指定することも可能です。ただしこの場合も進入先として同じ車線を重複して指定すれば渋滞発生のもとになるため、上記の車線数計算を適用することが先決となってきます。
ノード調整
こうして色々道路設置に慣れてくると、「ノード」が重要なことがわかってきます。
プレイ初期には何度も道路を敷き直したりしますが、こうして作った道路はノードがぐちゃぐちゃになっていることがあります。
ノードは、自動車が車線変更を行う最小単位ともなっており、あまりにノード数が多くなるとその区間を通過する時に露骨に速度低下したり車がはねる動きをしたりするなど弊害が出てくるケースもあります。※逆に、慣れてくるとノード調整や交差点の角度調整をするだけである程度の渋滞を緩和できるようになってきます
ノードを調整する時に便利なツールがあります。どちらでも構いません
- Steamワークショップ::Network Multitool ※最近出たツールですがこちらをお勧めします。
Steam ワークショップ::Elektrix’s Road Tools※道路操作で定評のあるツールですが更新されなくなっておりオススメできません。
このツールでは、ノードを追加したり、逆にノードを削除してセグメントを結合したりできるほか、スロープをスムーズに均したり、(柵やガードレールなどネットワークセグメントの)テクスチャを反転したりといった作業が可能になります。公式の動画を見ればだいたい使い方はわかるかと思います。
ただしどうも、一方通行であったり高速道路でセグメント結合(ノード削除)すると不具合が出ることがあるようなので注意が必要です。
自家用車の制限
巨大な商業・産業地区を作ると大渋滞になりがちなのは上に書いてきた通りなのですが、これを大きく改善できるのが自家用車の制限です。
上にも少し書きましたが、巨大な商業・産業地区のブロックへ出入りする道路に車両規制をかけて自家用車の出入りを禁じてしまうと1/3~半分くらいに交通量を削減できます。
ただしその代わりに、商業・産業地区に歩行者が進入できるルート(交通手段とそこからの歩道)を整備する必要が出てきます。かといって手軽に横断歩道を造ってしまうと交通渋滞を引き起こす要因になってしまいますので、地下道(歩道設置時に地下に潜らせて設置する)や歩道橋を整備して車道を横断せずアクセスできるようにする必要があるでしょう。
自転車との歩車分離
DLC「After Dark」を導入している場合、自転車を利用する市民は(車道ではなく)歩道を走行します。歩道橋として設置した高架歩道も走り回るので見た目的にはあまりよろしくありません。
これを歩行者と分離したい場合には、できるだけ自転車レーン(Bike)付きの道路を敷設することで、そちらをかなり優先して走ってくれるようになります。特に表通り的な交通量の多めな道路については自転車レーンを設置するように心がけると良いでしょう。
流入している車の移動元/先を知る
”ある道路”を通過している車の移動元/先を調べるには、画面左メインメニューの「交通経路-経路」を使います。
これを選ぶと道路や建物をクリックして指定できるようになり、道路をクリックした場合にはその道路を通過する車がどのルートを通ってどこに行くのか(どこから来たのか)が表示されます。※歩行者やサイクリスト、自家用車など各項目をオン・オフすることで絞り込みもできます。
これで大まかに多くの車が移動する道路をチェックし、ムダな移動をしているなと思ったら新たな経路を造ったり、あるいは交差点の設定を調整したりしてみましょう。場合によっては、バイパス道路を開通させると渋滞が緩和されたりするケースも多々あります。
Uターンを作ってみる
TM:PEで右左折を調整し始めると、車で移動する際にかなりめんどくさい街区を作ってしまうことがあります。碁盤都市であればすぐに周回して戻ってこれるのですが、そうでない場合(一方通行ブロックなど)、かなりの距離を進行してから目的地に戻ってくるような挙動をさせてしまうことがあります。これは商品の不足や販売先の不足を生みかねないためできれば避けたいところです。
そこで、上で紹介したようにトラック類の挙動を見ていてどうも遠回りの周回をしてるなと思ったら、適当な位置に逆方向車線にUターンできる通路を設置すると良いでしょう。
Uターン設置は、高速道路なら分離している対向車線へ道路をつなげてもいいですし、交差点でUターンを許可しても良いでしょうし、最近のModだと「Node Controller」でノードを設置してUターンを許可しても良いでしょう。
ショートカットを作ってみる
上で書いた「ある程度不便にする」とある種矛盾する内容ですが、これは高速道路とのショートカットについての話です。※つまり街中と街中を移動する便利さではなく、街中と外部接続の高速道路とのショートカットを作ろうということです。
(かなりの自給自足状態を確立出来る前は)工業/商業施設には主に外部とのトラックが往復しています。これらが街の出入り口となるインターチェンジ(及びそれに接続する道路)に集中することで発生する渋滞があります。この渋滞を解決するには、例えば次項で上げているようなModを使うことで物流問題を地道に解決する手もありますが、それ以前にけっこう手軽に対応する手段もあります。
それが「高速道路ランプ」を増設するという手です。
例えばインターチェンジやその接続道路に外部に移動するトラックが集中している場合、そのインターチェンジを経由せずに街から出ていく道路として、工業/商業地帯から高速道路へのバイパス的なランプ道路を造ってやると、驚くほど渋滞が解消されることがあります。
このときに注意なのが往復道路にせずに片道道路にすることです。往復にすると一般道との接続部でどうしても信号が必要になり、結局そこで渋滞が起こりますので避けましょう。近くに出入り口両方が欲しい場合でも、できれば出口側ランプと入口側ランプを少し離して設置するようにしましょう。
同様に、外部接続高速道路から特定のエリアに輸入するトラックが集中する場合も、同様にランプを造ってやると渋滞が解消されることがあります。
こうやってショートカットの有効さがわかると、始めの都市開始時からショートカット(ひいてはトラックの動線)を意識した街づくりになって行くのではないかと思われます。基本的には「①高速道路 ⇔ ②工業・商業施設地域 ⇔ ③オフィス・住宅地域」という設置が渋滞対応の面でも騒音対策面でも望ましいといえます。また観光客の誘致まで見据えると、「①高速 ⇔ ②商工業」、および「①高速 ⇔ ③観光施設群&オフィス住宅」の両面構成が取れれば理想的です。もちろんマップによりある程度制限を受けるため、都市のレイアウトについては各自が工夫するしかありません。
物流改善系Modで調整してみる
道路渋滞の根本原因は、物流問題、言い換えれば需要と供給のマッチング問題でもあります。
物流問題をすごく大雑把にかいつまむと、ゲーム内の各施設で何か(サービスであったり製造資源であったり、販売先であったり、労働場所であったり労働者であったり)が必要になった際に、それぞれが要求する需要キューを出し、それに対してそれを提供するキューとのマッチング処理を行った後に実際に提供が行われるという手順になります。
このマッチング処理が効率的ではないという指摘は古くからあり、それを改善するModも多数出ています。試してみようという場合は、別記事「Cities Skylines「Transfer Manager CE」の使い方と輸出入問題まとめ」を参考にしてみてください。
ラウンドアバウト
Citiesではけっこうラウンドアバウトが推奨される傾向があるように思いますが、意外に最大流量は大きくなく、結局ほどほどの流量の交差点でないと効果が低いなと、個人的に思っています。
※ラウンドアバウトでの処理はロマンがありますが、やはりゲーム的にはあちこちに出入り口を適宜設置していくほうが泥臭くはありますが渋滞もなくスムーズに流れます。
じゃあどうするのかというと、一般的にはやはり直進と右左折の流れを分離するのが一番早いと思います。その解決方法の一つとして、「Vanilla Overpass Project」というアセット集があります。設置方法などについては別記事を参照してください。要するに跨道橋(あるいはアンダーパス)を設置するアセットなのですが、これを合流する交差点の主要幹線の方に導入することで一気に最大流量を上げることが出来るようになります。
どうしてもラウンドアバウトで処理したい場合には、TM:PEを使用して車線変更を細かく指示する必要が出てきます。最近のバージョンではCtrlを押しながらラウンドアバウトを指定することでうまく廻るように交差点設定をしてくれるようになってますのでそれも活用しましょう。
合流の角度
交差点の合流角度は渋滞の解消という点ではとても重要です。
通常の十字交差点の場合、信号を設置しないと我先に進もうとするため、一定以上流れ始めるととたんに詰まってしまいます。さらに右左折が交じると悲惨で、あっという間に真っ赤っ赤の渋滞箇所が出来上がります。そのため信号設置の必要が出てきます。
※信号を設置してもCitiesの世界の信号は単純方式になるため、右折と直進がケンカして渋滞が発生します。これを日本で多い矢印式(黄/赤色+→や赤色+→)がワンタッチ設定できれば良いのですが、それでも歩行者と車で渋滞要因になるケースもあります。そうしてペデストリアンデッキを整備するという二階建て交差点になってしまいます。
これを例えば街中ではなく、街中を少し外れたインターチェンジへの合流地点などを考えてみると、必ずしも交差点で全方向に曲がらないようなケースもあるかと思います。※例えば脇道側から見れば左折合流の場合
このようなときは、本線に合流する脇道を直角ではなくある程度鋭角に合流させるようにすると、信号なしにスムーズに合流して流れるようになります。※しかしぶつかりそうになるとブレーキングを始める。
さらにこの角度を微妙に調節していくと、ある角度になった途端、本来はブレーキングするような車間であっても(やや重なりながら)ノンブレーキでスムーズに流れる(高速にファスナー合流し始める)事があるのを確認できるかと思います。角度で言うとだいたい(本線と脇道が)30度前後になるかと思います。要するに高速の合流地点などと同じ様にするということです。
これなど確実にぶつかりそうな距離感ですが、ノーブレーキでファスナー合流します。
こうすることで、信号なしにしかもブレーキングなしに高速に車が流れるようになり、渋滞をへらすことが可能です。特に街の出口付近はこの合流方式を取り入れると快適に流れるようになるかと思います。
下の図なんかも現実世界だと交差点がないと事故続発なムチャクチャな構成ですが、ゲームでは信号無しで往復がそれぞれノーブレーキでファスナー合流して高速に流れます。
このように合流の角度は非常に重要です。
インターチェンジ
こうして色々道路のテクニックを身に着けていくと、結局一番問題になるのが街の出入り口となるインターチェンジ付近であることが往々にしてあります。
バニラに付属しているインターチェンジ以外にも、Steamワークショップには数多くのインターチェンジが公開されています。Cities: Skylines:Intersection
私の個人的なお気に入りはSmall 3 way Stack (4L to 2L)(DLC「Mass Transit」必要)です。バニラのTボーン型に近いのですが、出口側が埋没式になっているためバニラのように不格好ではなく、ランプ部分がかなり長めに取られているため交通量増加にある程度耐性がある点が気に入ってます。また車線数についても合理的になるよう4車線から分岐して3車線に(あるいは逆に3車線にランプが合流して4車線に)なっています。
大抵は街に入るランプ2本が渋滞するのですが、これについては上の「合流地点での渋滞解消」で説明したように設定することで少なくともインターでの渋滞はなくなるかと思います。
余裕を持った街づくり
インターチェンジをバニラからワークショップ公開のものに換えたりしていると、意外に面積を取って往々にしてインター付近の土地が不足してくるかと思います。
そこで最後に重要なポイントは、ゲーム開始時や新たな地区を設置する際には、もとからある高速道路のインターチェンジから街にいたるまでの空間を充分すぎるほど大きく確保することになってきます。なんなら30U(30マス)以上空けても良いかも知れません。
※道路を直線で引こうとすると、10Uごとに横線のゲージが表示されます。これを3~4ゲージ分ほど余白(空き地)として取っておくということです。
「そんなに空間どうするんだよ」と思うかも知れませんが、後から都市間バス停留所を設置したり、あるいは軌道エレベーターを設置してもいいでしょう。どちらも付近の交通量は激しくなりますので、インター付近で吸収できるようにしておくといい感じになります。
このゲームでは巨大建築物は結構ポンポン設置できますので、土地が余っていたとしても悩む必要は全くありません。とりあえずは樹木を植えておき、あとからバイパス的なランプ道路を設置したり、あるいは巨大設備を設置すれば不思議なほど馴染むようになります。
こうした余裕ある街づくりができるようになると、渋滞も自然とほぼ出なくなっていたり、仮に渋滞しても素早く処理できるようになっているかと思います。
道路などの幅について
アセットなどを見ていると時々メートルでの寸法が表示されていることがありますが、あれがどういうものかを理解するのにとても良い画像を海外のプレイヤー(GC_Vos氏)が公開してくれています。
要するに(1枚目の左上にある)標準的な2車線道路は、マップ上2グリッド(2マス)幅を占有し、それを実寸換算すると16メートルになるという感じです。そのうち路面はセンターライン込みで10m(うち2+2mがパーキングエリア)、舗装部分(いわゆる歩道)は3+3mということになります。
その右側の緑地帯がある道路の場合は、緑地帯に2.5+2.5mあり、舗装(歩道)も同じ幅、路面部分が6mということになります。
稀にこの標準サイズとは異なる道路もありますが、基本的にはこのサイズ感だと思っていれば問題ないでしょう。
引用時に画像サイズを圧縮していますが、見づらい場合は、元スレッドを参考にしてみてください。
下記の”今から始める「Cities Skylines」:FAQ編”も参考にしてください。