Cities Skylines II「Anarchy」の使い方

Cities Skylines II Mod解説
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Cities Skylines IIのMod「Anarchy」の使い方です。

景観用Mod

変更履歴

  • 2024年9月7日:v1.7.0のアップグレード内容について追記
    ※大きくはExtended Road Upgrades(ERU) Modの機能が吸収され、さらに道路建設時に様々なモードが追加されました。
  • 2024年6月26日:v1.6.0のキーバインド機能およびアナーキー設定機能を追記
  • 2024年5月19日:初稿

 

概要

道路を建設したり建物を設置する時に出る、「アイテムが重なっています」「傾斜が急すぎます」「無効な形状です」などのアラートを無視して建築作業ができるようになるModです。

Anarchy – Paradox Mods

例えば「航路の上の架橋は50mの高さがなければならない」というルールを無視して架橋できたり、「建物(オブジェクト)が重なってはいけない」というルールを無視してオブジェクトを設置できたりします。景観ツールとしては必須なModになります。

※警告を無視するため外観上の不都合が出る(テクスチャが破綻したり突き抜けたりと表示がバグる)場合や、意図せずネットワークが接続されてしまう不都合が出る可能性もありますが、それも含めて自己責任であり、決してベースゲームのバグではありません。大きな作業をする前は必ずセーブするなど自己防衛を心がけましょう。
※そうした表示バグが出ないように、あるいは意図しないネットワーク接続が起こらないようにバニラゲームでは様々な制限がかかっているのであって、そうしたフェイルセーフの仕組みをModで除外した瞬間に自分が行った作業の結果責任は各自にあることになります。騒がず焦らず各自の責任において解決するようにしましょう。
時々Anarchyとは無政府状態と訳されたりしますが、ここでは「支配がない=(ベースゲームの)ルールを無視できる」といった意味です。時々「Mod名称が政治的だ!」みたいな勘違い論争が起きてますが、前作CS1の頃からこの種のModには伝統的にAnarchyのタイトルが付いています。

Anarchy Modは各ツールに付随して現れる黒子のようなツールModです。

意識して使うことは少なく、都市建設の操作をしていて赤いアラートがでたら無意識的にCtrl+Aを押して警告を消すようなイメージで使われます。そうすると、赤いアラートはだいたい消えて自由に都市建設できるようになる魔法の呪文のようなものです。

あまり意識されないために、それで「Tool Icon(○にAのアイコン)を消すというオプション」が存在しています。さらにモードオンオフを見分けるために、(画面下右端)Chirperアイコンが(赤く)フレーミングするかどうかのオプションがあります。

※両方消してもアラートがでるかどうかで判断できるため、アイコン表示はいらないと言えばいらないのですが、邪魔なので普通はToolIconを消してフレーミングChirperだけオンにするようです。気にならない方は両方オンにしておけば良いでしょう。

 

なお私の環境では、v1.7.0時点で「Extra Hotkeys – Paradox Mods」とバッティングなく動作しており、例えばステップの指定をホイールで行えたり、標高を地上高にリセット(Ctrl+左クリ)したりできています。非常に快適ですのでここに書いておきます。

 

動画

Mod作者のYenyang氏より、v1.7.0の紹介動画が公開されていますのでこちらに引用しておきます。

 

 

ネットワーク(道路など)建設時ツール

2024年9月のv1.7.0で道路建設ツールに大幅にアイコンが増えています。

※話を簡単にするために道路建設時を例にしていますが、ネットワーク敷設時に追加され有効になります。CS2でいう「ネットワーク」とはいわゆる”通信”のことではなく、道路や線路、歩道(小道)など「長さのあるオブジェクト」を対象としています。「長さのある」というのは縦横幅の長いオブジェクト(アセット)のことを言っているのではなく、両端にノードがあるセグメント状で伸縮したり曲げたりが行えるオブジェクトのことです。
※ただしv1.7.0ではEXTRA3.0(EXTRA ASSETS)のNETLANESには対応していないようです。

また各ツールは利用可能時しか表示されません。

例えば「2マス3車線道路」選択時には、広い歩道や緑地帯・街路樹は無効になります(ベースゲームと同じ動作)。まずは標準的な「2マス2車線道路」で使い慣れてみましょう。

  • Elevation Step:ベースゲームのステップ(1.25m、2.5m、5m、10m)でじはなく、ゲージでさらに細かく指定ができます。0.01~25m。※道路の高さではなく「高さを変更するステップ」の指定です。
  • 広い歩道:広い歩道を設置するか否か。
  • Left:道路セグメントの左側に歩道/緑地帯/街路樹/QUAY(岸壁)/RETAINING WALL(擁壁)を追加するか否か。
    ※道路セグメントの左右はそのセグメントをどの向きで敷いたかに依存しプレイヤー視点での左右ではない
  • Right:道路セグメントの右側に歩道/緑地帯/街路樹/QUAY(岸壁)/RETAINING WALL(擁壁)を追加するか否か。
    ※道路セグメントの左右はそのセグメントをどの向きで敷いたかに依存しプレイヤー視点での左右ではない
  • General
    • Ground:地上高を維持する(変に高架になったりするのを防ぐ。また高い標高で敷設すると巨大な土台の壁が出現する)
    • Elevated:上とは逆に地上高でも高架道路扱いとする
    • Tunnel:トンネル扱いとする ※地上高で指定すると上部開放型トンネルになる(いわゆるSunkenなスタイル)
    • Constant Slope:きれいなスロープを維持させる

      ※同じ斜面にスロープ指定有無で道路を敷き、あえてゾーニング指定をしてセルを目立たせたもの。奥がAnarchyでスロープ維持した道路、手前はベースゲームのスロープに敷いた道路。奥の道路の商業区画指定部分に対して、手前の道路のオフィス区画指定部分のスロープが歪になっている(奥側は道路としてはきれいなスロープだが平たいゾーニングセルは少なくなっている)
      他にも、Ground+Constant Slopeを使うとこんな堀切り道路(下記スクショ右側)も簡単に作ることができます。左側がベースゲームで敷いた道路。

    • Expanded Elevation Range:エレベーションの制限を拡張して-1000m~1000mまで可能にする

      ※仮に地上高250mの高さで道路を敷いてみたもの。

 

「広い歩道」や「左側」「右側」のオプションに関しては、従来は一度敷いた後でアップグレードで追加していたものが、道路敷設時から同時にそうした道路を敷けてしまうという種類の改善に近いものです。しかしいちいちアップグレードしていたものが敷設時に同時にできてしまうためこれも非常に便利になります。

※もちろん従来通り、ベースゲームの道路ロードサービス(メンテナンス)で行うことも可能ですし、Extended Road Upgrades(ERU) Modから組入れた機能で行うことも可能です。

いっぽうConstant SlopeやExpanded Elevation Rangeについては、今まではできなかった、あるいは手作業でちまちま調整していたものが自動でプログラムが計算した精度で描けるようになるため、高度な景観作成に必要な機能となります。

 

Extended Road Upgrades(ERU) Modツールの組入れ

2024年9月のv1.7.0で道路ツールのロードサービス(メンテナンス)タブには、従来のExtended Road Upgrades(ERU) Modの見慣れたアイコンが並んでいます。※元はERU Modをサブスクライブした時に並んでいたもの。ERU作者であるST-Apps氏の許可を得ているとのことです。


※Anachy1.7.0で、ERU Modをアンサブスクライブした状態

建設済の道路に対してアップグレードを行う際にはこちらを使っても良いようです。

※道路ツールでQUAYもしくはRETAINING WALLを指定してアップグレード適用しても同じ結果となるが(細かく言えばゾーニングタイルの扱いなどで一部差異あり)、アップグレードの場合には左右指定があるため道路の向きを考慮する必要がある。

 

Anachyオプション(ゲーム内)

エラーチェック設定

v1.6.0より各種アナーキーに対してどのような挙動をするかの設定機能がつきました。

ツールアイコンをオンにした状態で道路ツールなどを開くとギアアイコンがあり、そこから設定画面入ることができます。

エラー内容とその意味や対処方法などを理解・熟知している方ならともかく、まずは変にいじらずデフォルトで使いこなしてみましょう。そうでないと後で必ず「◯◯ができないんだけどどうして?」と掲示板に書く羽目になります。

 

ANARCHY COMPONENTS TOOL

※調査中。よくわかりません。

Add or remove elevation lock or anarchy components using a tool with radius or single selection. Returns to previous tool when closed with Escape. Radius is recommended for Anarchy component since you can see overridden objects and interact with them. Single selection cannot select overriden objects and they are not visible.

半径または単一選択のツールを使用して、高度ロックまたはアナーキー コンポーネントを追加または削除します。Esc キーで閉じると、前のツールに戻ります。アナーキー コンポーネントには、オーバーライドされたオブジェクトを表示して操作できるため、半径が推奨されます。単一選択ではオーバーライドされたオブジェクトを選択できず、表示されません。

樹木やサーフェス、デカールの類を「高度ロック」あるいは「アナーキー」指定するツールのようなのですが、いかんせん色とどのような効果になるのかがよくわかりません。特にネットワークオブジェクト(例えば道路)との重なり具合を調整するものだと思います。

 

オプション画面でのオプション設定

恐らくですが、大半の場合デフォルトから弄る必要はないと思われます。変えるとすればユニークビルディングの項目くらいでしょうか。あと邪魔ならToolIconを消すくらいなものです。

あと重要な設定が、〔UI〕の”Reset Elevation When Selecting New Asset”です。樹木ツールやFind ItでPropを並べていく際に、別のアセットを選択したときに高さが0にリセットされてイライラする場合にはこのチェックを外すと良いでしょう。なお”Show Elevation Option for Objects”はElevationショートカットキーが効くのでオンにしておきましょう。※要するに高さを引き継いでいく。高さを変えたいときは矢印上下、高さをリセットしたいときはShift+Rを押す

※どのバージョンからか忘れましたが日本語翻訳されています。ただし恐らく自動翻訳を使っているためか、一部日本語としてはおかしいなと感じる部分があります。我こそはという方はCrowdinで翻訳作業の手伝いが可能ですので申し出てみてください(やりとりに基本的な英語必須)。

〔一般/GENERAL〕

  • 高架ネットワーク下の最低クリアランス(Minimum Clearance Below Elevated Networks):高架ネットワーク下の最小空間距離の指定 ※デフォルト:0
    ※航路などの上に低い橋を架けることができる
  • 偶発的なプロップの間引きを防ぐ(Prevent Accidental Prop Culling): ※デフォルトオン
    ※Anarchyで配置されたpropの偶発的な選別を防ぐため定期的にグラフィック更新をする。これはパフォーマンスに影響する。
  • プロップのリフレッシュするの頻度(Prop Refresh Frequency):(上記オプションの)propのグラフィックリフレッシュ頻度 ※デフォルト30
  • 複数のユニークな建物の建築を許して(Allow Placing Multiple Unique Buildings):ユニークビルディング(特殊施設)の複数建設を許可するか ※デフォルトオフ
    ※ユニークビルディングとは特定条件達成で建設可能になる建物のことです。通常一種類につき一軒ずつしか建設許可されません。効果は重ねられる。好みによりますがオンが良いかも。
  • エディターの中にアナーキーのコンポーネンス(Prevent Override Editor):「エディタ」でのオーバーライド防止 ※デフォルトオフ

 

〔UI〕

  • Bulldoze道具で常にアナーキーを有効にする(Always enable Anarchy with Bulldoze Tool):Bulldoze ツールでアナーキーを常に有効にする ※デフォルトオン
  • ツールチップを表示する(Show Tooltip):Anarchyがオンになったときにツールチップが表示される。※デフォルトオフ
  • 燃焼する鳥(Flaming Chirper):AnarchyがオンになったときにフレーミングChirperが起動される。※デフォルトオン
  • 道具のアイコン(Tool Icon):Anarchyがオンになったときにボタンを含むアイコン行が表示される。※デフォルトオン
  • オブジェクトの標高オプションを表示する(Show Elevation Option for Objects):オブジェクトツールまたはLineツールで配置時に指定の高さで配置できる。※デフォルトオン
    キー配置:上下矢印:垂直高さの上下、Shift+R:高さをリセット、Shift+E:ステップの変更
    有効なモード:樹木ツール、Find Itの小道具(prop)、EDT(EXTRA)のデカールなど。ネットワーク(道路や電線)では作動しない
  • 新規アセット選択時の標高リセット(Reset Elevation When Selecting New Asset):※デフォルトオン
    ※(樹木やPropなど)アセットを切り替えたときに高さをリセットするか
  • オブジェクトのブラッシング中にアナーキーのトグルを無効にする(Disable Anarchy Toggle While Brushing Objects):※デフォルトオフ
    ※樹木などをブラシしている時に、Anarchyモードをオフにするかどうか。
  • Network Anarchy Tool Options:v1.7.0で追加されたパネルのオプションの表示指定
  • Network Upgrades Tool Options:v1.7.0で追加されたパネルのオプションの表示指定
  • Elevation Step Slider Tool Options:v1.7.0で追加されたパネルのオプションの表示指定
  • Network Upgrades Assets (Requirs Restart):v1.7.0で追加されたパネルのオプションの表示指定
  • Replace Upgrades By Default:v1.7.0で追加されたパネルのオプションの表示指定

 

〔キーバインド/KEYBINDS〕

v1.6.0でAPIが整備されたことにより機能追加

 

 

主なMod更新履歴

  • v1.7.0:
    • Network Anarchy ツール オプションを追加(Force Ground、Force Elevated、Force Tunnel、Constant Slope、および Expanded Elevation Range)
    • ネットワーク アップグレード オーバーホールを追加。配置または交換中にネットワーク アップグレードを適用できるようになります。擁壁、岸壁、樹木、草、広い歩道、照明、中央分離帯など
    • アナーキー コンポーネント ツールを追加。半径または単一選択のツールを使用して、エレベーション ロックまたはアナーキー コンポーネントを追加または削除できる
    • ST-Apps の許可を得て、Extended Road Upgrades からオプションのネットワーク アップグレード アセットを追加
    • オプションのエレベーションステップスライダーを追加
  • v1.6.0:
    ・・エラーチェックパネルを追加:ゲーム内で発生するエラーチェックを、どのように扱うかを設定できる新しいパネルを追加しました。
    ・キーバインドのカスタマイズ:お好みのキーにゲーム内アクションを設定できる、キーバインドのカスタマイズ機能を追加しました。

    ・段差ロック機能:段差ロックのオン/オフ状態がセーブデータに保存されるようになりました。次回プレイ開始時に前回の設定が引き継がれます。
    ・オブジェクトを地面に下げるときに段差ロックが自動的にオンになるようにしました。これにより、意図しない地形のはみ出しや見た目の不具合を防ぎます。エラーチェックパネルを追加:ゲーム内で発生するエラーチェックを、どのように扱うかを設定できる新しいパネルを追加しました。

 

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