なんというんでしょうか、ストーリーがピュンピュン飛んでるように感じたので原作読み直したんですが、あまりに面白くて(原作が)、感想書くのを忘れてました。
一点だけどうしても気になったところなんですが、ディノの罠にハマったアッシュが捕まって昔のキディポルノのビデオ(DVD)を見せつけられるシーンがあるんですが、あの場面はキディポルノそのものではなく、ウイラード・エヴァンスタイン警部補のエグさを強調するシーンであるべきだったと思います。
あの場面に於いて、エヴァンスタインは(アッシュにとって)「汚らしい穢れた大人」の代表なのです。だからその後、ジェンキンズ警部やチャーリー、マックスなどに対しても激しい感情をぶつけるのです。孤独な境遇で育ってきたアッシュが、わずかながらにも「大人」たちに心を開いたかに見えたのですが、それがやはり「大人」は穢らわしい汚れたものであると再認識させられるシーンであったと思うのです。
それはややネタバレになりますが、次回の刑務所のシーンでのマックス・ロボとの出会いや、相克、それを乗り越えて一緒に旅を始めるきっかけにもつながっていくわけです。
さらにいえば、そのアッシュの(外見にそぐわない怯えた子犬のような)感情に気づいた英二の包み込むような優しさに、アッシュが(BL的な意味でなく)惹かれていく要因にもなっていく、とても大事なシーンだと思います。
またあそこの場面は少し入り組んでいて、なぜエヴァンスタイン警部補と警官たちが(チャーリーやジェンキンズ警部よりも)先に現場に来れたのか?を問い糺させなければ、ディノの手回しの速さやその裏に抱える人脈の広さ、恐ろしさといったものが表現できないのではなかったかと思います。州刑務所への移送やエヴァンスタインの電話だけでそれらに気づけと言うのは、やや無理があるように感じました。