これが無能な経営者の見本だと騒ぎになっています。
「40代前半の層が薄い」人手不足に危機感 旭化成社長:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASKCK4CX1KCKULFA00S.html
曰く、
当社では、30代後半から40代前半の層が薄くなっています。2000年前後に構造改革で採用を極端に減らしたためです。その世代が中間管理職として一番パワーをもたないといけない時代にさしかかってきました。キャリア採用もしていますが、なかなか人が集まりません。
などとのたまっていますが、この世代こそまさに「就職氷河期」と呼ばれる時期に新卒となり、彼ら自身には何の落ち度もなかったのに社会から冷遇された世代です。あの時期に採用を絞らなかった会社以外は、どこの会社でも層が薄いはずです。
この小堀秀毅という人自身は、企画畑で他人を蹴落として実績を残してこられたようで本人には直接的な要因はないようですが、「構造改革で採用を極端に減らした」などと言われれば、厳しいどころではなかった就職活動を思い出し、こみ上げてくる怒りを押さえきれない人も多いかもしれません。
旭化成株式会社 新代表取締役社長 小堀 秀毅の経歴(2016 年 2 月 9 日現在)
https://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2015/pdf/ze160209_2.pdf
その上、今ごろになって「中間管理職として一番パワーをもたないといけない」世代なので「キャリア採用もしていますが、なかなか人が集まりません。」などとまで言われると、どこまでバカにされているのか理解不能な方もいるでしょう。
ある時期に新卒採用を絞れば、10年後20年後にどうなるかくらい子供でもわかることであり、それを今の今まで何の手を打つこともなく眺めていたというのであれば、それは歴代の経営者(及び人事関係者)が無能だったということになります。
そうした流れも理解せず、こんな妄言をマスコミに語っているようでは、この社長も同様と言わざるを得ません。
逆に就職氷河期の世代が、その後どうやって生活してきたのかといったことには理解を巡らせることすらできないのでしょう。また苦しい時期に彼らを採用し育成した企業に対してどう思うのか。今ごろになってキャリア採用しようというくらいですから、何も考えてないのでしょう。大変失礼ながら、ご尊顔にもそれが現れているように見受けます。
これを無批判にのうのうと掲載するメディアの神経もまた疑われますが、これは今さら言及するほどのものでもありませんので割愛します。