後々の自分の振り返りのために、いま現在同意できたり自分自身で思っていることなどをまとめておこうと思う。
- なぜ若者には消費税廃止論が刺さらないのか
- なぜ自民党は刺さり続けるのか?政策実現するとはどういうことか
- なぜ中道改革連合が負けたのか?
変更履歴:
- 2026年2月12日:「消費税と特別会計」を追加
- 2026年2月10日:初稿
概要
2026年2月の第51回総選挙は、自民党の圧勝で終わった。自民党で316議席、与党である日本維新の会の36議席を合わせると352議席(定数465)という圧倒的多数を占めることになった。※改選前は自民198+維新34の232議席
選挙前に高市総理が掲げた目標値である「与党(自民+維新)で過半数」どころか、蓋を開ければ自民単独で絶対安定多数261を突破し、さらには圧倒的多数310まで越してしまった。
この現象はどういうことだったのかを、のちの自分のために整理しておこうと思う。
※人間というのはその時々の事象に影響され流されやすい。物事が起きた時点での思っていることを書き留めておくことで「当時はこんなこと考えてたんだ」と振り返ることはとても重要。
参考)「過半数」や「圧倒的多数」とは?
日本の国会(衆議院)において「過半数」(233議席)とは法案を議決する際の条件である。
また「安定多数」(244議席)とはすべての常任委員会(委員会について[常任委員会])での委員の半数を確保し委員長ポストを独占するのに必要な議席数であり、「絶対安定多数」(261議席)はすべての常任委員会で委員の過半数を確保しかつ各委員会で委員長を独占するのに必要な議席数を指し、「圧倒的多数」(310議席)は秘密会の開催、議員の除名、憲法改正発議(ただし参議院でも2/3必要)、参議院否決時の衆議院での再可決などを満たす。
※委員長ポストは慣例によりドント方式と話し合いで決定する。根拠は「衆議院先例集(参議院でも同様で参議院先例録を参照する)」に拠る。なお議員定数は時代により異なり、例えば2001年の省庁再編により委員会名称などが整理され、それ以前の270議席前後だった絶対安定多数は最終的に現在の261議席へと変化した。
※またWikipediaなどでは「委員長を独占」と書かれている。ドント方式で17ある常任委員会委員長ポストを完全独占するためには計算上440/465議席が必要だが、しかし各委員会で過半数を占めている(この委員会別の政党別委員数もドント方式で決定)ため委員長選出の議決で勝利できる。Wikipediaの記述はこれを指している。
今回の自民党単独316議席は、このすべてを満たす「圧倒的多数」状態を就任3ヶ月の総理大臣が達成したということになる。
過去の自民党歴代総理(中曽根康弘総理300議席:追加公認で304、小泉純一郎総理296議席、安倍晋三総理294議席)でも最多であり、なおかつ旧民主党政権発足時の308議席すら上回ってしまった。(単独ではなく)連立与党でこの「圧倒的多数」を満たしたのは、民主党鳩山由紀夫内閣(社民党・国民新党との連立内閣)と安倍内閣(公明党との連立内閣)だけであり、今回の高市政権はそれを自民党単独で満たした憲政史上初めての快挙ということになる。
マスメディアが騒ぐのはこういう理由による。
参考)9条に自衛隊明記、賛成81% 衆院選当選者アンケート分析 | NEWSjp
「衆院選当選者(465人)のうち、立候補者アンケートに答えた403人の回答内容を分析した。憲法9条に自衛隊の存在を明記する改正に「賛成」と答えたのは「どちらかといえば」を含め81.1%に上った。「反対」は「どちらかといえば」を含め9.4%。婚姻に伴う改姓に関して3択で聞いたところ「同姓を維持しつつ、通称使用の機会を拡大」63.8%、「選択的夫婦別姓を導入」24.8%、「現行制度を維持」7.4%となった。外国勢力のスパイ活動を取り締まるスパイ防止法制定は賛成派84.1%、反対派6.0%。非核三原則の堅持に関しては賛成派が68.7%で、反対派14.6%を上回った。」
※当選者なので自民党が多いため当然の結果とは言え、改憲の圧力とはなるでしょう。
なぜ若者には消費税廃止論が刺さらないのか
日本の消費税は1989年に竹下内閣で3%として導入され、その後1994年には細川内閣では7%の国民福祉税の導入が検討されるも一夜で撤回され、1994年の村山内閣で5%引き上げが決定され、2010年の菅直人内閣で10%への引き上げが検討されるも小沢一郎氏の反対で凍結、しかし2011年の野田内閣で自民・公明との合意を受けて10%引き上げの関連法案が衆議院を通過して小沢一郎氏が離脱することになった。
経緯はともかく、要するにZ世代(1997/8年以後生まれを指すという)にとっては物心ついた頃から存在する税制でしかない。彼らにとっては105円握りしめてお菓子を買いに行くことが当たり前の環境で育ったので、いまさら「消費税廃止」を叫ばれてもあまり刺さらない。「消費税払いたくない」という消費税廃止論は、税導入以前に青年期を迎えた主に中高年に刺さる政策となっている。
※後述「消費税と特別会計」に書いたが、例えば年収500万円の現役世代のモデルケースでは、社会保険料157万(年額以下同じ。厚年会社負担80万を含む)、所得税13万、住民税23万、消費税25万の試算となる。しかもこの試算では車持ちの前提なので実際には消費税はもっと少なく出るはずだ。そんな差は微々たるもので圧倒的に社会保険料が重いのだ。いっぽう年金生活(年金220万+パートなど80万)の人で見てみると、社会保険料(国保12万+介護保険7.2万)は年19.2万、所得税住民税は年3万、消費税は18万(年間支出180万想定)となる。つまり現役世代との消費税に対する実感(負担割合)がまったく逆なのだ。
しかもこの70歳世代の人にとっては、所帯を構えて子育て中か終わり頃の中高年になってから導入されたのが消費税であり、レジで消費税を取られること自体が違和感しか無い。加えて社会保険料は自分自身が日々病院にお世話になり介護でお世話になりとサービスの対価であることを実感しやすい。現役世代が「ほぼ使わないのにごっそり持っていかれる」状態とは雲泥の差である。だから現役・若年層に訴えるならば消費税減税よりも社会保険料削減(あるいは自己負担率の変更など)であるべきなのは当然だろう。若年層はむしろキャッシュレス(なんとかペイ)利用率も高く、「レジで小銭を出す(探す)」という表現自体が刺さらない。そもそも「フラグメントケース」と呼ばれるマチ(厚み)のほぼないキャッシュレス財布が流行っている事自体がそれを実感させる。
ましてや目的税として導入されたこともあって現在でも福祉目的税として存在し、主に年金・医療・介護などの社会保障費の安定財源となっている。その消費税を廃止するとなれば、主にそれらを使う側の中高年以上のうち、特に現役世代を除く高齢者は無税で社会保障を受けることにもつながる(現役世代相当の高所得者を除く)。
※消費税のうち国に入る約34兆円のうち、年金は14.3兆円(42%)、医療12.3兆円(36%)、介護3.7兆円、子供・子育て支援3.6兆円の内訳となっている。出典:消費税の使途に関する資料 : 財務省
※なお消費税のうち地方収用分(地方消費税6.5兆円+地方交付税分4.9兆円)は13.9兆円あり、仮に消費税を廃止すれば地方自治体は当然文句というか代替財源を寄越せと言い始めることになるが、マスコミは不都合なので(少なくとも野党の政策を取り上げる際には)そういう地方の意見を取り上げない。
ここでいう年金(公的年金)とは、国民年金(基礎年金)や、あるいは厚生年金のことを指している。学生や自営業者の場合は前者だし、会社勤めを始めると厚生年金に加入することになり、支払額も増えるがそれ以上に将来の受給額が増額されることになる(いわゆる二階建て部分。企業も折半で負担している)。ついでに言えばこれ以外に保険会社などが販売して個人で加入する「個人年金」という商品もあり現在余裕のある人などは将来に備えてこれに入ることも可能で、その場合には公的年金(厚生年金の場合はそれを加算)+個人年金が将来受け取れる金額ということになる。ただし個人年金はよほど高金利のときに入った場合でなければ2倍もつくことはない(最低2倍が保証される公的年金がどれだけ有利かわかる)。もちろん個人年金は金融商品の一種であり、今ならこの代わりにNISAやiDeCoなどという選択肢も出てきている。
「消費税を廃止したら主に高齢者の医療費(のうち保険負担分14兆円)は誰が払うの?」というのは真っ当な疑問だと思う(若者は医者にかかること自体が少なく大半はインフルエンザや骨折などである)。自分の負担が減るのはもちろん嬉しいが、その消費税の使い道が社会保障費だと聞けば、それをどうやって補うのかは気になるだろう。ただでさえ公的年金の受給総額が減り続ける世代でもあるので、こうした制度設計の欠陥については敏感にならざるを得ない。現に「公的年金」などと検索すると「払う意味ない」「もらえないのに払う」「義務 おかしい」「元を取る 何歳」「元 取れない」などという、高齢者には耳の痛い関連検索ワードがずらずら出てくる。年金制度すらおかしい(若者目線)のに、消費税まで廃止すれば現役世代の実質的な負担がさらに増えるのは明らかであり、消費税廃止を叫ぶ政党は彼らにとっては言い換えれば若者搾取であり眉唾にしか思えないのではないか?
※なお実際には公的年金が元本割れすることはなく、支払った総額に対する生涯受給額=給付負担倍率でみると、現在の80歳代の場合はこの比率が約6.1倍あるとされ、70歳代4.2倍、60歳代3.1倍と下がっていき、50歳代2.7倍、40歳代2.5倍、30歳代2.4倍、20歳代2.3倍と、計算上はなっている。この給付負担倍率が2倍程度で収束していくように見えるのは、小泉政権時代(坂口力厚労大臣)に導入されたマクロ経済スライド方式にある。この制度の導入により、受け取り総額を減らし、なおかつ現役世代の支払額の上限をかける目的で導入された経緯がある。これにより2倍は死守できるようになっている。
たとえ同世代であっても、支払い年数や受給開始年齢、寿命(=受給期間)がそれぞれ違うのだから、言うまでもなく上記給付負担倍率は平均値である。それ以前に公的年金の場合は、長生きすれば給付負担倍率(総受給額)は高くなり、早く亡くなれば(世代に関係なく)自動的に低くなる。現在の80歳世代といえど受給開始の65歳前後でなくなっていれば当然給付負担倍率はゼロに近い。
上記目的税のところで消費税の使途として「年金」というワードが出てきたので鋭い人は気づいただろうが、結局消費税は公的年金にも繋がっている。
日本の公的年金は、厚労省の2023年度分で見ると歳入が54.4兆円、歳出(年金支払い)が50.3兆円、残金4.1兆円は次年度繰越となっている。この歳入54.4兆円の内訳は、年金保険料として徴収した40兆円+消費税の年金組入分13兆円となっている(その他GPIFの運用金なども一部入る)。仮に消費税を廃止すればこの年金組入13兆円(財務省資料2025年分では14.3兆円)をどうやって調達するのか?その財源はまた納税する現役世代の負担なのか?そもそも年金自体に疑問をいだいている現役世代に対して、消費税廃止を訴えるのが如何に欺瞞に満ちていることなのかを考えてほしい。
今回唯一、政策として消費税廃止を挙げずに「社会保険料負担を下げることを優先すべき」、「高額療養費限度額の引き上げをやめるべき」と訴えたチームみらいの政策は、若者や現役世代にとっては非常にしっくりくる納得感の大きいものであったのだろう。※高市総理は公約に掲げた食品消費税2年間免税に向けて「国民会議」を組織して半年で結論を出すとしており、チームみらいはこの国民会議の参加にも意欲を示している。結党間もない彼らには、柔軟に与党との交渉にも参加できるポテンシャルがあると思われる(衆院11議席、参院2議席)。
※マスメディアは「国民会議とは何か?」などとバカなことを言っているが、これは2025年11月に流れたニュースで、社会保障制度改革を議論する「国民会議」を新設し、与野党(自民・維新・立憲・公明・国民民主)での協議を想定していた。1月が初回予定だったが総選挙のため延期されている。ここでは首相や関係閣僚・各党責任者で構成する「協議体」を設け、事務局を政府・自民・立民に置く。その下に閣僚や各党実務者による「実務者会議」と「有識者会議」を置き、連携して制度設計を進める予定。だったが、立憲+公明の中道改革連合が誕生して壊滅したためそれも不透明である。
思い通りにならなかったマスコミはまた「若者から選挙権を取り上げろ」などと暴論を吐いているが、彼らZ世代はすでに1800万人近くおり今や日本の有権者の15%近くを占めるに至っている。その意志を封じ込めようなどというのは恐るべき選民思想であると言わざるを得ない(そもそも高齢者だから政治的に正しいまたは優れている根拠などないのだが)。もし消費税をなくせば、多くの高齢者が税金(所得税・住民税)を払わずに選挙権だけは保持し、税金を負担している若者から選挙権を取り上げるというのだから戦前の高額納税者だけが有権者だった時代のほうがまだマシである。随分若者を舐め腐った暴論だと言わざるを得ないし、若者が少数派などというのは今や(2000年くらいで時が止まっている)高齢者の偏った見方に過ぎない。
※日本では「Z世代」と言えばSNSネイティブな世代くらいにしか捉えられていないが、世界ではこのZ世代が既成権力(エスタブリッシュメント)に反発・敵対する動きを見せる潮流「Z世代革命(Gen Z revolution)」を起こしつつある。先駆けとなったのは2024年7月バングラデシュで、学生らによる暴動により20年以上続いたシェイク・ハシナ政権が崩壊(世界最長の女性政権)、暴動による死者は1400人を超えるとされ、ハシナ前首相は2つの罪で死刑判決を受けた(ハシナ氏はインドへ逃亡中)。今月2026年2月には総選挙が行われる(並行して首相の通算在任期間の制限や二院制への移行といった暫定政権提案の7月憲章の是非を問う国民投票も実施される)。バングラデシュは若い国で、1.8億人の人口を抱えながらも年齢の中央値が26歳だが高等教育を受けた若者の失業率が実に13%を超える。※日本では同50歳、失業率どころか経済界では人手不足が叫ばれている。しかし主に若者向けの政策を訴えたと見られている2025年参院選での「手取りを増やす」と訴えた国民民主党の躍進、今回2026年衆院選でのチームみらい(唯一消費税に触れず社会保険料こそ大事と訴えた)などの躍進はマスメディアが捉えられていなかった潮流であり、何らかの影響を伺わせる。
Z世代の反乱はバングラデシュだけではなく、近隣国ネパール(年齢中央値26歳)でも政権が崩壊し(こちらも2026年3月に総選挙)(元々世襲の特権階級Nepo babyへの怒りが存在し、バングラデシュの状況を見て政府が若者のSNS禁止に動いたことが引き金)。その他この1年半ほどの間に、マダガスカル(年齢中央値19歳)、フィリピン(同25歳)、インドネシア(同30歳)、モロッコ(同31歳)、ペルー(同32歳)、ブルガリア(同45歳)など世界各国で彼らは行動を起こしつつある。これらの国家は(EUで最も高齢化が進展中のブルガリアを除けば)、「ユース・バルジ」(Youth Bulge)と呼ばれる”過半数が30歳前後未満”の状況にある。上掲したように日本ではZ世代率は18%と低めではある(年齢中央値は50.2歳)。そのため日本で即暴動が起きるかと言えばそれはないだろうが、しかしやや近い傾向にあるブルガリアでは、むしろ高齢化(次世代である若者世代の減少)が危機感を生み暴動へと繋がった。世界で燃焼者へのSNSを禁止する動きが広まっているのはこういう政治的な危機感からである。日本でデモといえば大半はA4プラカードを持った老人が集まる自己満足な(左翼がバックにつく)デモをやるのが定例だが、そうではなく世界ではとても既成権力が制御できない本当のデモが起きている。
TVなど既成権力が勘違いすれば可能性は決してゼロではないのではないか(恐らくTV業界の人間は”え、俺達が既成権力?”と驚くだろうが間違いなく権力構造に入っている)。特に日本では地上波を中心に高齢者が司会する番組も多く、議論を支配し誘導する傾向が強い。しかしそれは以降の世代を蔑ろにしてよいわけでは決してなく、彼らマスメディアには幅広い世代の声を拾い上げて伝え、代弁する責任があるだろうと思われる。地上波を高齢者が仕切ったところでZ世代はSNSへ逃げるだけでありその傾向は日本でもすでに出ている。既得権力側は決して老害になってはいけないし、ましてや老害のスピーカー装置になってもいけない。日本のマスメディアは政治家に対して「対立を煽るな!」と騒ぎながら、国際間(主に日中韓)の対立、政治的イデオロギー(右翼左翼)の対立をむしろ煽っているが、世代間対立を黙殺している。
なぜ自民党は刺さり続けるのか?政策実現するとはどういうことか
今回自民党は単独で316議席(日本維新の会を合わせると352議席)という圧倒的支持を得て勝利した。
自民党がなぜ刺さるのか?他の既存政党(公明党、共産党、社民連=旧社会党)が凋落していることを考えると、「なぜ自民党は錆びれないのか?」という視点での検証が必要だろうと思う。
マスメディアではその要因を「サナ活」つまり高市人気であると片付けているようだ。しかしそんな単純な見方では済まされないだろうと思われる「構造的な変化」が起きていると見ざるを得ない。
高市人気
まずこれについては間違いなく高市人気というものがあった。いわゆるサナ活である。
高市総理の魅力は様々に語られているが、ここでは「不屈さ」を見てみようと思う。総裁選には三度立候補し、三度目にしてようやく総裁の地位を勝ち取って第104代内閣総理大臣に就任した。
彼女は元々、松下政経塾の塾生で、当時は松下幸之助の経営術つまりビジネスを学ぶつもりで入ったという。神戸大学を卒業後、松下政経塾に入塾。ここで幸之助氏から「1990年に入ると日本は長期不況に突入する」と示唆されて衝撃を受け、国政進出を志したという。
1986年頃、奈良県選出の奥野誠亮元法相の下を訪れ、政治家を志しているので修行させてほしいと申し出るが、奥野氏は政治の現場を経験したほうがいいと諭し、自民党奈良県連会長を紹介した(県議会議員候補として)。しかし高市氏はあくまで国政に挑戦したいと県議選は辞退してしまう。
その後アメリカにわたり米国民主党のスタッフとして働いた後、松下政経塾を卒業し、テレビ番組のキャスターなどを務めたあと、いよいよ参議院議員選挙への挑戦を開始する。奈良県自民党の公認候補に名乗り出たものの次点となったため、1992年の第16回参議院選挙には無所属で立候補し、その時は落選した。
しかし彼女の不屈の政治家人生はここからはじまる。
大物政治家にアドバイスを求めると「辻立ちを2000回すれば勝てる」と言われるが、演説に必要な道路使用料を計算すると数千万円になることから作戦を変更し、個人宅やガレージで行う”ミニ集会”を1日3回、年800回行う。そして翌年1993年の第40回衆議院選挙で、当時32歳で奈良全県区でトップ当選した。初登院の日、彼女は「私の場合無所属ですから、どちらの政党に手伝っていただいたわけでもない」と力強く語っている。
※その後、1994年の公選法改正で誕生した奈良県第1区には新進党(公明党も参加していた)で出馬・当選し、創価学会の応援も受けていたものの当選後半年で新党自由党(柿澤自由党)結党に加わる事となり、以来創価学会とは犬猿の仲となっている。その後、高市氏はさらに自由改革連合へと移っている。その後、新進党結党に参加と移り、自由民主党(自民党)に入党したのは1996年12月である。
高市総裁誕生で真っ先に公明党が30年続いた連立与党を離脱したのはこういう経緯がある。決してマスコミが報じた「裏金」問題が原因などではない。だいたい斎藤鉄夫議員(元公明党代表)も、裏金と言うか政治資金収支報告書記載漏れはあった。公明党自身は「記載漏れと裏金を同じにするのは違いますよ。と言う話し。 : ブログ : みやぞの祐美子」とかばうが、有権者はそう見ていない。だいたい「与党なら裏金で野党なら記載漏れ」などという屁理屈でごまかせると思ってる方がおかしい。
例えば民間企業でも税務調査を受けて追徴課税を受けることはよくある。たいていの企業は判で押したように「税務処理において税務署との考え方が違ったがすでに修正申告は済ませた」などと発表するが、うまく脱税(節税)できたか見つかったかの違いでしかなく、言い訳に関わらず国民は脱税だ(ヘマった)としか考えない。すべての国民(議員含む)が同じルールで税務処理を行うのだから、同じルールで判断すべきだ。もしその人の立場や発言力でルール適用に差異があるのなら、それは法治国家ではない。行動の裏に意図があろうが無かろうが、ルール違反はルール違反でしかない。「私は信号無視(一時停止無視などでも良い)しましたが赤信号に気づかなかっただけです」なんて屁理屈は警察は受け入れてくれない。文句があるなら全有権者にそれを政治イシューとして問うて見れば良い。
彼女の強さは、こうして自力で開いてきた政治キャリアに追うところが大きいと感じる。決して政治エリートではない高市氏は、常に政策の勉強を欠かさない。
※高市氏の当選同期には安倍晋三氏、岸田文雄氏、野田佳彦氏、田中真紀子氏などがいたが、このうち野田氏は松下政経塾の先輩だが、他3名は言うまでもなく政治家の子女である。安倍氏は岸信介首相の孫であり(大叔父は佐藤栄作首相)父の安倍晋太郎氏も派閥の領袖まで上り詰めるも病死している。岸田氏は広島で祖父から三代続く政治家一家であり、田中氏の父は有名な田中角栄首相である。また前の総理大臣である石破氏(第38回総選挙初当選)もまた鳥取の政治一家に育った政治エリートであり、総裁選で争った小泉進次郎氏も小泉純一郎総理の次男である。そうした歴代総理の子女たちに比べると、高市氏は菅義偉総理と同様に叩き上げの総理大臣だと言っていい。
また従来の自民党総理に見られた慇懃無礼さは高市総理には見られず、記者会見場などでの国旗への一礼を欠かさない。ここまでは当たり前だが、これは他国国旗でも同様で、海外首脳との会談では相手国国旗への一礼も行っている。こうした各所で見せる礼儀正しさ、相手国首脳に見せる親密さは都度SNSなどで話題となり、高市総理個人の人間性を広め、有権者の信頼を醸成するのに一役買っていると見ざるを得ない。※左派の方にはご不満もあろうが、民意の現れである選挙結果を見る限りそう認めざるを得ない。
初の女性総理
もちろん、憲政史上初である女性の総理大臣というのも大きく響いたと思われる。これまで女性の大臣は幾人も出ており、かつて女性初総理を取り沙汰された女性は幾人もいたが、結局それは自民党に途中入党した高市早苗氏が手にすることになった。
マスコミでは望みの議員ではなかったためこれをほとんど黙殺(あるいは名誉女性などという人格否定まで行っている)したが、実際には選挙期間中を通じて高市総理の応援演説の人気は凄まじく、各地で盛況が伝えられた。
※特に日本のマスコミは、高市議員を「タカ派」であると決めつけ徹底的に攻撃してきた。過去には「村山談話」を発表した村山総理(当時)に直接国会質問でイチャモン(「国民の議論もなく勝手に代表して謝罪されるのは困る」、1994年10月12日衆院予算委員会(衆議院インターネット審議中継 映像記録アーカイブ)3:23:40あたりからが高市早苗氏の質疑)を付けたこともあり、安倍総理の弟子の一人でもあったことから、当初から(周辺国に異常なまで気配りする性質がある)マスメディアには「極右」などと書かれ恐れられてきた。
※また片山さつき財務大臣(これも史上初の女性の財務大臣)や、小野田紀美経済安全保障担当大臣などの存在も鮮やかな印象を人々に与えたと思われる(単に入閣女性数で見れば多くはないが、消費税などが取り沙汰される中で財務大臣という要職に女性を置いたのは非常に印象が強い)。なお片山氏はかつて財務省(1982年大蔵省入省)で女性初となる主計局主計官にまで上った超優秀な人物で、現在の財務省幹部以下はほぼ彼女の後輩であり(新川事務次官は1987年入省)、在省時には省内の”恐竜リスト”にも載ったことがある恐れられっぷりである。何しろ財務省への改組時の諸問題検討を行ったメンバーのひとりでもあり、過去の”財務省のいうままに動く財務大臣”とは相当違っている。
高市氏には、伝統的に税制議論で本来上位組織である政調会長(PDF)すら口出しできないほどの絶大な権力を握ってきた自民党税調会長ポストを抑えると同時に、財務大臣にも盟友・片山氏を置くことで高市総理の考える”責任ある積極財政”を有利に進める狙いがある。また政調会長には財務省出身のエリート小林鷹之氏、そして税調会長には叩き上げの小野寺五典氏を置くことで絶妙なバランスを取っている。
高市総理が応援演説に訪れた53小選挙区のうち47選挙区で勝利し、実に勝率88%という結果になっており、また残り6選挙区の候補者も比例復活を果たしている。※安倍総理の場合は勝率が7~8割程度であったとされ、当時高人気を誇った小泉純一郎総理の場合には9割近かったとされる。高市総理の応援演説はその小泉氏の成果に近いものがあったようだ。
恐らくだが、女性の浮動票のうち相当数が自民党へとなだれ込んだのではないだろうか。それは「初の女性総理に頑張ってほしい」「(後続の女性議員のためにも)なんとしてでも結果を残してほしい」という期待票であったろう。
※もちろんこの浮動票は、彼女が成果を残せなければ無情にもすぐに離れてしまう。高市総理は、言葉通り死ぬ気で働いて成果を残す以外の道はなく、それが初の女性総理としての務めでもある。一度こじ開けたガラスの天井は、成果を残せなければさらに分厚い天井となりうるのだ。高市総理が背負っているものはとてつもなく大きい。
自民党という選択肢
自民党(自由民主党)は1955年に自由党と日本民主党が合同して結成された政党であり、現在となっては1922年結党の日本共産党や、1945年結党の日本社会党を源流とし1996年に改称している社民党に続く、歴史の古さを持つ政党となっている。
いわば(特に若者にとっては)古臭い政党である。しかし55年体制と呼ばれて長らく政権与党で有り続け、今回の総選挙でも圧倒的な議席数を得た。他の旧政党が勢力を逓減させるなか、これはどういうことなんだろうか?
これは考えるに、政権与党であることが多いために監視の目の対象となりやすく、常に変化を求められてきた副産物なのかも知れない。また党内野党が公然と存在することもその一助となったのかも知れない。それ以前に全国各地に支部を設置する組織力もあり、それがかつて旧民主党政権に119議席にまで減らしたにも関わらず、そこから復活した底力なのだろうと思う。言うまでもなく日本の利権構造にがっちり入っているための資金力も大いに関係がある。金権政治などと叩かれ改善を求められることが多く、いわば自党の改革こそが歴代政権運営の命題で有り続けたとも言える。
他の政党の場合、一時的に政権与党となったとしてもその後の経緯で解党となったり、あるいは他党と合従連衡を繰り返すことで、結局政権を握っていたものの責任の所在が曖昧になることから追求が続くことは稀になってしまうのだが、自民党の場合は掲げている看板が同じなことから責任追求を常に受け続けることになる。例えば派閥政治もそうだし、企業からの政治献金もそうだろう。
※しかし一度党内総務会で決定すれば、党議拘束で一致団結するというのもまた自民党の強さを維持するのに役立っている。いっぽうの立憲民主党では機関決定した内容ですら所属議員がすぐに公然と批判するという口の軽さがある。マスメディアは派閥政治を口汚く罵るが、結束の強さは政策実現の強さでもあり、それは自民党の新陳代謝を促す作用ともなっているのではないか。※もちろん悪い面のほうが多い。
※例えば比較的新しい政党である日本維新の会などは結党時から企業献金を禁止している。これはそれまでの政党政治の歴史において企業から献金を受けることが汚職や腐敗政治につながることが繰り返されてきたことへの反省とも取れる。一部の左派では、潔癖症のように企業献金を廃止しろという意見もあるが、それは政党の成り立ち上容易には認められないのが自民党であり、立憲民主党も同じような構造を持つためこちらは抜け穴(政治団体を除く)を用意したうえで企業団体献金の廃止を表面上訴えている。例えば国民民主党でもこの抜け穴も塞ぐべきだと主張しており、資金構造が全く異なる共産党に至っては企業献金自体禁止の主張であり(この点では維新と同じ)、逆に公明党は企業団体献金や資金パーティ券購入すら禁止しない。マスメディアは「企業献金」とだけ切り取るが、各政党の成立過程は様々で立ち位置はこんなにも異なる。
政権与党であることが長かった自民党は、なんやかんや言われながら、しぶしぶながらも常に改善を続けてきており、ついにはほとんどの政治不正の温床であった派閥すら廃止へと追い込まれた(志公会麻生派は今も継続)。
その結果誕生したのが、無派閥だった高市総裁体制であるとも言える。
現に高市総理は無類の(政策)勉強好きで知られ、議員仲間との飲み会にもほとんど参加せず議員会館に籠もることが大半であったと言われている。つまり、従来の密室の料亭会合に象徴される自民党腐敗政治との無縁さが際立っている。それらのイメージが、今回の衆院選での大勝利に結びついたことは容易に想像できる。
※細かいことを言えば、総裁となった彼女は組閣するにあたり総裁選で戦ったいわばライバル議員を党役員や重要閣僚へと任命した(小泉進次郎氏を防衛大臣、林芳正氏を総務大臣、茂木敏充氏を外務大臣、小林鷹之氏を党政調会長へとつけている)。小泉進次郎氏などは総裁選までのいわゆる「進次郎構文」とはまるで違う高評価をされており、後の総裁選レースを考えれば確実に失敗である(下手すると小泉大臣は次の総裁選でのトップ当選もありうるくらい評価が鰻登り)。しかしむしろ大胆に任せたことで”高市総理の下だからこそ小泉議員の能力が開花した”とも見られている。その他の議員も(総裁選前よりも)それぞれ能力をいかんなく発揮し、それが有権者にまで伝わっている。これらはライバルを蹴落とす視点では異例とされ、通常は特に大臣でも閑職につけたり、あるいは党役員に採用することも稀であるとされる。もちろん視点を変えれば、無派閥の高市氏が政権運営する以上、彼らを抜擢して挙党態勢を演出するしかなく他の手段は無かったとも言えるが。
与党であることの強み
同時に政権与党で有り続ける自民党には、自動的に「政策を実現してきた」強みがある。これは批判するだけの野党が揃っている場合には非常に有効であったと見ざるを得ない。野党では政策実現することは非常に難しく、ややもすれば政権批判で存在価値をアピールすることでお茶をにごす野党も多い。
例えば立憲民主党や共産党などは大半の期間、与党自民党の批判に時間を費やしてきた。もちろん与党政治の監視は野党の重要な役目ではあるが、しかしいざ選挙となればそれだけで票を集めることは難しくなるのもまた当然である(政治のワイドショー化が進んだこともあり有権者の政党を見る目も育ちつつある)。かつて共産党が「万年野党」などと呼ばれ批判しかせず理想論的な政策ばかり並べるのが売りであったが、立憲民主党もまたそれに陥りつつあったし、むしろ共産党と共同歩調を取ることも多かった。政権交代を訴える野党としてはこの姿勢では評価が上るわけがない。少なくとも国防・エネルギーなどの国家基本政策で一致しないのだから彼らを選ぶことは成功の可能性もわからない革命に近いことを意味する。
しかも問題は石破政権下での壊滅的な自民党敗北を受けて30年ぶりに実現したハング・パーラメント(別記事「連立を組む気はない」を参照)下においても批判だけに終始し、結局は国民民主党の協力体制を実現させてしまったことは非常に大きな失策であったと見られる。
※そもそも立憲民主党は”アンチ自民党というスタンス”(反対のための反対)がメインであったため、いざ協力体制を築こうにもあまりにも政策が不一致すぎて手を組むところがないという問題点もあった。経済・外交・社会保障という基本政策すら一致点を見いだせず、左派から右派まで幅広く集めてしまったために政策すら筋の通らないものになっており、旧民主党政権時代の反省もろくにしてこなかったため、とてもまともとは言えない政策セットしか持っていなかった。本来政権交代を謳う野党としては基本政策で一致しつつも各所で対立構造を演出するという難しさがあるはずだが、彼らはその努力をせず安易にマスコミの与党批判に相乗りする形での単純な政権批判を繰り返した。それが最大野党でありつつ与党と協調することで政策を実現するという本来の政党の存在価値を放棄する事になってしまった。2024年末の三党合意が進む中、指をくわえて見ているしか無かった。
いっぽうの国民民主党も一時はモリカケを彼ら野党集団と一緒にやっていた時期もあったのだが、ある時期を境に「対決より解決」を打ち出すことで与党と協力しながら”自ら打ち出した政策を実現する”という難事業(103万円の壁撤廃)を条件付きながらも達成することが出来た。皮肉なことにこの国民民主党の成功は、有権者の野党に対する意識の変化も促したのではないかと思われる。
つまり「野党は単純な与党批判を繰り返すだけではなく、具体的かつ実現可能な政策を与党と交渉しながら政策実現すべき」ということである。反対のための反対を行うだけの政党と比較すれば、有権者の目に映る光景は全く違うことになってしまった。日本が長期の経済不況に陥る中、有権者は政治ごっこをしてほしいわけではなく具体的な改善策を進めてほしいのだ。※これも左派としては「不況こそ自民党のせいではないか」と声高に叫ぶだろうが、今はその批判ではなくそれを具体的に改善し前に進める議論(政策提示)を有権者は求めている。なにしろ旧民主党は政権与党であった時期もあるのだから、その流れをくむ立憲民主党は、批判ではなく具体的な解決策を提示する責任と義務がある。と有権者は見ている。
高市総裁は当初国民民主党との連立与党を模索しながらも、途中で日本維新の会(関西万博終了間際だった吉村代表)に声をかけることとなり、急転直下自民・維新の連立与党が成立することとなった。※この時点では日本維新の会は内閣入りすることはなかったが、遠藤敬議員を総理補佐官(連立合意政策推進担当)として調整役として送り込むこととなった。維新は総裁選レースではむしろ小泉候補と近かったとされ、実際維新は高市総裁から声がかかったことは意外だったと述べているが、しかし決断は早く、あっという間に与党入り協議がスタートした。このタイミングでの動きは国民民主党が一歩劣ったと見ざるを得ない。もう少し踏み込んでいれば違ったのではとも思うが、そもそも(2026改選前の)議席数は国民民主27に対して維新は34と開きがあり、過半数がほしい高市総理にとってはたとえ7議席差でも大きかったのだろう。
※しかも冷静に考えれば、日本維新の会はもとは大阪自民党から分派して出来たような政党であるため、政策の一致点は非常に多い。だから左派にも「第二自民党」などと揶揄されることも多かったが、その基本政策の一致点の多さは当然協議でも有利に働き、国民民主党や、ましてや立憲民主党とでは協議はここまで進展しなかっただろうことは容易に想像できる。いっぽうの国民民主党は労組・連合をバックにしており、政治的に譲れない項目も維新に比べると多い。榛葉幹事長は「連合のトップの方(ほう)からは自民党に近づくな、連立組むなと言われた」と証言している。
総裁選直後の公明党の与党離脱という、高市総裁にとっての最大の危機は(”総裁になれないかわいそうな女”と自虐していた)、結果的に政策が近い維新の与党入りを招き、さらには総選挙での左派野党の大分裂を呼び起こしたことは元はと言えば30年前の高市総理の奈良選挙区での創価学会とのこじれによるものだが、まるで最初から描いていたかのようにすべてが上手く組み合わさり、起きるべくして起こったかのような自民党の歴史的大勝利を呼び寄せることとなった。いわばピタゴラスイッチ的な構造的な変化が2025年末~2026年2月の政界に起きたのだ。
このときの自民・維新の連立政策協議書作成の経過などは逐一明らかにされ、有権者はまざまざと政策合意が前に進む状況を体感した。この政治的ショーは前年末の国民民主党(との三党合意)の再演ではあったが、元々日本維新の会は源流が大阪自民党であったことから政策的にも大きなズレがなかったことも政策協議成立・連立与党成立に有利で、より具体的で広範囲な内容になることに拍車をかけたとも言える。冷静に見れば自民党も公明党よりも日本維新の会の方が政策マッチ度は遥かに高い。
こうして成立した政策合意はインターネットを通じて公表され、有権者が誰でも目にすることができた。2024年末の国民民主党の際の三党合意書(PDF)は103万円の壁やガソリン税の廃止などを含んだ6項目であったが、2025年末の日本維新の会との政策協議書(PDF)は、12項目にまとめられてはいるが細部を入れるとほぼ全カテゴリーを網羅したまさに与党入りを前提とした内容であった。
協議には日々最前列で行動する高市総裁の姿が写され、ほぼ毎日記者会見で状況が報告された。まさに民主主義の政治のダイナミズムが日々映し出されることとなった。これらの変化に、旧来の老獪な自民党政治とは異なる面を見出した有権者は相当多かったのだろうと思われる。
※しかし今回の総選挙での日本維新の会の比例得票数は伸びておらず、2024年衆院選に対して逆に15万弱の減少、2021年衆院選に対しては310万の大減少となっており、これは選挙直前に明らかとなった「国保逃れ」 のダメージの大きさを物語っている。「身を切る改革」で売ってきた維新としては組織崩壊してもおかしくないくらいのダメージだったと言わざるを得ない(高市旋風の余波を食らった面もなくはない)。ちなみに、2021年に対して比例得票数を伸ばしたのは自民党(+110万)に加えて国民民主党(+300万弱)であり、その他の政党はなべて減少している。国民民主党については、前年に160万で積み残した178万円の壁を条件付きながらも交渉をやりきった点の評価が大きかったのではないか。また2024年に対して伸びたのは自民(+640万)と保守党(+31万)、参政党(+250万強)だけである。
イデオロギー的に見れば、自民党がややリベラル寄りな政策をしていたのが岸田・石破政権であって、その時期に新党が伸びたが(つまり浮動保守層の自民党避けの受け皿となっていた)、今回の高市総理によって再び自民党で保守寄り政策が多くなると見られている。これにより伸びてきた新党(とりわけ保守党・参政党)にどのような影響が出るのかを今後注目する必要がある。
なぜ中道改革連合が負けたのか?
選挙後の世論調査
選挙後に共同通信が世論調査を行っており、「中道改革連合が衆院選で敗れた最も大きな原因」を尋ねたところ「最近まで争っていた二つの党が合流したから」との回答が35.6%で最多だったという。
まあそりゃそうだろうという感想が湧く。つい最近の選挙まで仏敵とまで罵っていた相手と選挙直前に手を組むんだから、率直に「野合」と見られたのだ。
野合とは「政策が一致しない政党が手を組むこと」をいい、以前公明党自ら、2019年の選挙において立憲民主、国民民主、共産など5野党・会派が手を組んだ様を「野合」と罵っている。参考:野合ぶり印象付けた“政策”署名 | ニュース | 公明党。しかし今回のは自ら野合ではない(野合の批判ってあてはまる?)と言い張っている。肝心なのは自己評価ではなく、世間の評価は上の通りで最多の批判が野合にあった。
おまけに驚いたのは、組むに当たって立憲民主党が「原発再稼働を容認」と認めてしまったことだ。個人的には(原発の代わりとなるベース電源が見当たらないばかりかロシアが戦争まで始めて燃料の安定供給が揺らいでしまった現時点では)原発再稼働はやむなしと考えているが、再稼働などもってのほかで即時廃炉を訴える人も世の中には多い。もちろん3.11時点ではそれが正解に見えたことは確かだし、2011年の福島原発の廃棄処理すら一向に進まないのにどうやって廃炉するんだと聞きたいが、世の中には様々な考え方があり、そういう考えの人が少なからず原発再稼働否認の盟主として立憲民主党を応援していたのだ。しかしそれを党内で機関決定したのかすら疑問だが一夜にして捨て去ってみせた。これには党員・サポーターもびっくりだったろう。実際、参議院で統一会派を組んでいた社民党の福島瑞穂党首も、即日会派離脱を表明している。
「中道」の政策「いけないと思う人はぜひ社民党に来て」 福島瑞穂氏「立憲民主は180度変わった」と批判:東京新聞デジタル:安全保障関連法、憲法、原発に関する記述を挙げて、「看過できない。非常に危機感を持っている」と語った。なお社民党はかつて旧民主党政権時代に連立政権入りをしていたが、当時の鳩山総理が普天間基地の県外移設を断念し辺野古移転の日米共同声明を発表するに当たって、閣議決定に反対したことで大臣を罷免されたため連立を離脱している。これも考え方は様々だが、社民党としては筋は通していると言っていいだろう。
社民党ばかりではない。よく知られたことだが、創価学会と共産党とは歴史的に犬猿の仲であり、到底一緒には組めない。そして立憲民主党が公明党を選んだということは、自動的に共産党は切られたことになる。
こうして左の統一会派的な動きをしてきた立憲民主党・共産党・社民党(加えてれいわ新選組)は、公明党が割って入ったことにより雲散霧消してしまった。もちろん保守勢力としては笑いが止まらない状態だが、マスメディアはこの危機的状況を知っていながらもこれを隠し、むしろ立憲民主党と公明党との野合により巨大政党が誕生する可能性が高く、下手すれば政権交代までありうるとまで持ち上げてみせた。
※これは高市総裁誕生で国民民主党の与党入りが取り沙汰されたときに、榛葉幹事長が喝破してみせた通りである。「かつて我々は民主党政権時代、辺野古移転問題で社民党が抜け、消費税問題で小澤(一郎)先生も離れていった。経済・外交・社会保障という基本政策において違いがあるのに無理やり連立した場合には必ず無理が出る。」これをまさに再現してみせたのが今回の立憲・公明の新党結成であったと言える。こうした諸事情を知ってか知らないのかはわからないが、マスメディアも新党を煽り立てたので今回の一連の騒動で左派政党が壊滅状態に陥った責任の多くはメディアにあると言っていい。
結果は言うまでもない。なぜか比例名簿上位を明け渡し選挙区立候補した旧立憲民主党議員はほとんどが落選し(144→21)、いっぽう比例名簿上位を占めた旧公明党議員はむしろ議席数を伸ばした(24→28)。
しかも面倒くさいことに参議院の会派では、立憲民主党と公明党はバラバラのままである(政党助成金を受け取りたいらしい。会派別所属議員数:参議院)。衆議院での惨状を見て、参院での統一会派結成に慎重な意見が出るのは当然と言える。
参考)
- 政党交付金 ことしの交付額を試算 自民 約153億円余 中道 約23億円の見込み 衆議院選挙の結果踏まえ | NHKニュース | 衆議院選挙、選挙:自民党153.5億、中道23.4億、立憲31.2億、維新28.1億、国民民主27.1億、参政19.8億、公明13.9億、れいわ7億、みらい5.6億、保守2.9億、社民2.3億 ※追加公認などを含まない試算。小数点2位切り捨て
- 中道 小川淳也新代表 新体制発足で党立て直しへ | NHKニュース | 衆議院、衆議院選挙、国会:「立憲民主党と公明党に分かれたままの参議院側は特別国会で統一会派を組まず、それぞれの会派で活動」2月14日
- 2月16日時点で聞くところでは、NHKは国民民主党を野党第一党とする方針のようだ。(須田慎一郎氏のYoutube)その根拠は参議院で会派合流しないことにより、衆参の合算では国民民主党(28+25=53)が中道改革連合を越すためである。いわゆる中道改革連合系は、衆議院の中道(49)、参議院の公明党(21)と立憲民主党(19)という3会派に分かれている。実際には地上波各局は野党筆頭理事ポストにより野党第一党の扱いを決めるとされており、筆頭理事ポストの取り合いが激しく行われているのだと思われる。
その他政党の動き
連立解消論(維新切り)について
2026年2月現在、野党支持のマスコミや野良運動員がさかんに「維新は切られる」などという風聞を頑張って流しているが、上記を見ればわかるように憲法改正を睨んでいる高市総理にとって見れば参議院での2/3も必須条件なため切れるわけがない。
参議院では自民維新を足しても過半数にすら届いておらず、2/3にはあと46議席ほど足りない。憲法改正発議では”衆議院の優越”は適用されず、他にも国政調査権や弾劾裁判、自衛隊の防衛出動の承認、NHK予算の承認などについても衆議院の優越は認められていない。
※予算/法案審議(主にTVに映る予算委員会でのイチャモンやクイズ大会)しか考えていないからそういう低レベルの議論がまかり通ってしまう。もっともそんな政治的に白痴な有権者(かどうかも疑わしいが)を育てたのはマスメディアであり、それに踊らされた野党である。責任を感じてほしい。
※次の第28回参院選は2028年7月までに予定されている。そこまでは現勢力の少数与党で乗り切らなければならない。
だいたい2025年10月4日の自民党総裁選勝利が決まった途端に公明党斎藤代表が連立離脱を表明し、当時の自民党議席数196から首班指名選挙の見込みすら立たず、「総理になれないかわいそうな女」と自虐していた高市氏が総理になれたのは自維連立があったからであり、だからこそ身を切る内容(議員定数削減など)も含んでいる連立協議書を合意した。
※当時の勢力図は、衆議院では自民196、立憲民主148、維新35、国民民主27、公明24などであり、参議院では自民党101、立憲社民無所属で42、国民民主25、公明21、維新19であり、公明離脱により両院で首班氏名の見込みが立たなくなった。ここにきて野党勢力(やマスメディア)では”国民民主党の玉木代表を旗頭にして野党勢力を結集すれば政権交代ができる”という皮算用を行うも、玉木氏はそれに乗らず(立憲民主を始めとして野党勢力とはエネルギー・防衛・憲法という基本政策ですら食い違っているため当たり前だが)、代わりに高市総裁が日本維新の会・吉村代表に電撃接触したことで首班指名の目処が立った。
もちろん高市総理には、悲願だった憲法改正を諦めそういう過程を全部チャラにして維新を与党から放り出す選択肢もなくはない。しかしそれは同時に「政治家・高市早苗」氏個人の政治生命もそこで終わるということであるし、何のために総選挙の賭けに打って出たかがまるでわからなくなる(次の2027年9月の自民党総裁選では評価を上げた小泉候補に負けるだろう)。
総選挙で圧倒的多数を得た高市総理のいま現在の本丸は憲法改正でしかない(改正草案も手元に用意していると発言している)。”師匠”の安倍総理ですらできなかったその自民党結党以来の悲願を成就すれば、間違いなく歴史に残る自民党総裁ということになる。
チームみらいについて
チームみらいについては、候補者数14名に対して当選者11名と驚異的な当選率を見せており、ネットでは陰謀論も出ているようだ。
チームみらいの総評は差し置くとして、この陰謀論の検証を行っていた人がいるのでここで引用しておきたい。※引用形式を取ってはいるが、引用者が編集した内容。引用をわかりやすくするために引用符で囲った。
「チームみらいの過疎地得票率が不自然に均一」という主張を、208市区町村の公式データで検証してみた|せい@健康優良不良プログラマ
元々のX(Twitter)の主張:
- 過疎60地域の比例得票率が4.65〜4.73%に収束。平均4.69%、標準偏差0.10%。この事象は不正または組織的な介入があった可能性が高い(99.99%)としている。
- ※都市部では60ヶ所で平均8.5%、範囲7.5~11.5%、標準偏差1.20%。
検証データによる結果:
- 15都道府県208(市町村の)選挙管理委員会が公開しているExcel・PDF・CSVの公式開票データを用いて事実を検証
- 結論:平均得票率3.86%、平均得票率3.86%、標準偏差0.98%、最小値1.33%、最大値6.73%、範囲の幅5.40pt。
- 検証2:中にはポスト主張に該当する市区町村が208地点中8地点であり、それは三重県御浜町(4.66%)、岩手県久慈市(4.67%)、岩手県陸前高田市(4.67%)、和歌山県新宮市(4.68%)、岩手県遠野市(4.69%)、鹿児島県肝付町(4.69%)、岐阜県揖斐川町(4.70%)、岐阜県関ヶ原町(4.73%)
- 検証3:都市部データの確認。東京23区16地点で検証すると、平均14.43%、範囲9.44~19.14%、標準偏差2.97%
まあ生成AIを利用している方ならよくご存知だと思うが、元主張は一見してハルシネーションが発生しているのではないかと思われるが、判断を保留したい(あくまで勘だが「厳密に検証して事実を証明するソースを提示せよ」とでも命じればゲロるんじゃないかと思う)。というか第三者が再検証可能なデータも出さずに騒ぐのはどうかという気もするし、現時点ではそこまでチームみらいに興味がわかないのもある。そもそも現時点では政党の体をなしてないと思うし、様々な組織整備に数年はかかるんじゃないかと思われる。
※チームみらいの主張していること自体は、同意できるものもあるし(特に財源的なもの)、同意できないものもある。国家の基本政策すらなんじゃこらというものもあるし(特に外交)、「で、どうやって?」という疑問符が付くものばかりである。理想論なら誰でもできるし、それを現実世界の利害調整を経て着地させるのが政治家の仕事なので。そもそも「技術で未来を拓く」なんて幻想は技術者なら信じていないと思う。(外交・安全保障などを抜いた)地方自治体ならちょうど良いんじゃなかろうか。私なら国政では投票しない(してない)。といって貶しているのではなく、国家として新しい考え方は常に必要なので頑張ってほしいと思っている。
いずれにしろ選挙のたびに不正投票の噂は広まるが、もしそうであるとすれば間違いなく処分対象になるし、その可能性は個人的には恐ろしく低いと思われるが(特に負けた左派側が不正投票を主張するのが常である)。
※そもそもチームみらいの代表・安野氏の夫人・黒岩氏は国政政党チームみらい事務本部長だが、文藝春秋編集部に在籍している(Wikipediaにも書いてある広く知られた事実)。さすがに公党の役職についている人間がジャーナリストというのはどうなんだろうと少し思う。チームみらいには若干期待するところ(国会改革など)もあるため、早めに関係を整理されたほうが良いと思われる。
消費税と特別会計
一般会計と特別会計について
日本の国家予算には大きく分けて「一般会計」と「特別会計」とがある。
- 「一般会計」はいわゆる「税金」が入ってくるところで、日本の国会で使い道が話し合われているのは主にここである。
- 後者の「特別会計」はいわゆる保険料を集めた会計部分で、医療・年金・介護・子育て・福祉などに使われている。
両者年々増加しているが、一般会計はざっくり110兆円近くあり、特別会計はざっくり140兆円あまりある。ただし重複する部分もあるため、単純にこの足し算とはならない。元々この特別会計は明治頃に創設され戦中にやや姿を変えつつもそんなに巨大なものではなかったが、仕組み上、高齢化社会になるにつれ一般会計を追い越し巨大なものへと膨らんでいった過去があります。財務省:令和7年版特別会計ガイドブック「第1章 特別会計制度」
ややこしいのが「消費税」で、この税金はいったんは一般会計に入るものの、ほぼすべてが特別会計へと移り、これは法律に定められている。
2 消費税の収入については、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)に定めるところによるほか、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとする。
(消費税法第1条第2項)
つまり消費税はあくまで税金の形ではあるが、使途で見ればかなり保険料の性質に近く、それを間接税として徴収している。言ってみれば全世代から広く浅く集める第2の社会保険料であると言って良い。
一般にメディアなどで「国家予算」として伝えられるのは前者の「一般会計」であり、後者の特別会計については年金などの話をする場合にしか登場しない。しかし実際には一般会計に入る「税金」も、特別会計に入る「保険料」も会社勤めなら天引きされる性質のものなので否応なく払っており、社会保険料のことを近頃は「第二の税金」などと呼び始めているという。この通称はかなり正しい。
※そもそも一般会計だけをメディアが論じるのは、特別会計の使途がほぼ決まっているため議論の対象になりづらく、また総額で話すと誤解が生じるためであると思われる。しかし近年消費税の存在が大きくなり、また社会保険料の多さも議論される中では、「医療費などを多く使っている高齢者向け医療費などの議論を隠蔽しているのでは?」という余計な詮索を受けかねない状態になっていると言える。消費税廃止とはどういうことを指すのかをじっくり考えるには、本来特別会計は避けては通れない議論である。
なお消費税には地方消費税があり地方交付税分もあるが、ややこしくなるだけなのでここでは扱わない。実際には医療・年金・介護・子育て・福祉などは国と地方で分担して行われており、各分野により国が100%負担するもの(基礎年金)もあれば、都道府県や市町村と分担しているものもある。例えば後期高齢者医療のうち6割強は国が負担するが残りの4割弱を都道府県と市町村で分け合う。介護給付・保育所運営・障害者福祉などは国が半分、残りを都道府県と市町村で分け合っている。「財務省:全世代型社会保障構築」参考資料(2024年11月)の11/87ページ
税金と保険料の大まかな流れ
そこでこの税金と保険料についての大まかな金の流れを図示化してみたい。
例として、都内で働く会社員Aさんを例にしてみる。彼は年収500万円(いわゆる額面)で会社で協会けんぽに加入しているとする。※話を端折るために、すべて年額で試算した。また概算での話なので以下ではいちいち「約」をつけないが、すべてに「約」が付くと考えてほしい。

年収500万円と言いつつ、会社では(裏側では)彼に対して580万弱のお金を支出している。増えた分は主に厚生年金の会社負担分である。もちろんこれは給与明細には載らず、本人が意識することはないが、経営者は熟知している。
表を上から見ていこう。
まず総額580万弱から社会保険料「152万」(本人負担76万+会社負担76万)が差し引かれ(年額)、これは特別会計へと入る。内訳は厚生年金92万+健康保険50万+介護保険10万である。
次に引かれるのが税金で、所得税14万+住民税24万+消費税25万でざっくり「63万」が引かれる。消費税は天引きじゃないのでここに入れるのはおかしいが、仮に年間250万を消費していると仮定した金額を入れた。※食費・光熱費・日用品被服・娯楽・車両維持費などの合計とする。
結果残ったあなたの手取り(消費税分を除く)は年360万あまりということになる。実感に近いだろうか?
これをフローで表示すると大まかには次のようなものになる。サイズ圧縮なので見づらいと思うが原寸大はこちら参照。左が一般会計行き63万、右が特別会計行き152万のルートになる。

ここでは消費税はいったん一般会計に入るが、上で見た通り目的税として定められているためほぼすべてが特別会計へと充填される。
つまり「消費税が第2の社会保険料である」というのはこういうことを指している。一般会計に入りながら実際には特別会計(社会保険料の枠)へと入り、医療・年金・介護・子育て・福祉などへ使われる。
もちろんこのすべてが老人福祉に使われる訳では無いが、割合としては非常に大きい物がある。令和4年(2022年)度資料のため少し古いが、例えば年齢別の1人あたり医療費に関しては次のようなグラフがある。※上側青色は1人あたり医療費、下側緑色は保険料、下側赤斜線は自己負担額である。

出典:年齢階級別1人当たり医療費、自己負担額及び保険料の比較(年額、令和4年度実績に基づく推計値)。引用時に団塊世代に該当する年代を赤線囲みした。
これは窓口での自己負担額+公費負担額の合計をグラフにしている。これもほぼイメージ通りではないだろうか?10・20・30代は医療保険を使う機会などほぼない。年に数回、カゼや骨折などでお世話になる程度だろう。これが中年から高齢者になると年に何回も医者に通うことになる。1割負担とは言えかなりの金額になってくる。
しかも政府のズルいのは、これを年齢別の人口数に掛け算したグラフを隠す点である。実際には各年代の人口は同じではなく、現在なら団塊世代が巨大なボリュームゾーンとなっており、それは上記グラフでは赤線で囲んだあたりになる。ちなみに下記が同じ令和4年(2022年)度の人口ピラミッド。

出典:統計局ホームページ/人口推計/人口推計(2022年(令和4年)10月1日現在)‐全国:年齢(各歳)、男女別人口 ・ 都道府県:年齢(5歳階級)、男女別人口‐。引用時に団塊世代に該当する年代を赤線囲みした。
しかしこれでは具体的にどの年代の医療費で圧迫しているのかが見えにくい(計数が得意な人ならともかく一般人ではイメージしづらい)。
そこで、上記「人口ピラミッド」の推計値を元に「年齢階級別1人当たり医療費」を掛け合わせた理論上の年齢別医療費総額を計算したグラフになる。※グラフ化するにあたり推計値(合計)は×100し、推計人口は/3しているため、厳密なものではなくあくまでイメージを掴むためのグラフであることに注意。

黄色は上記人口ピラミッドを横に倒したものと同じ、赤色は1人あたり医療費、そして青色が年齢別にかかっている医療費「総額」をグラフにしている。
注意が必要なのは、ここでは「年齢階級別1人当たり医療費」でのいわば負の値分(かかっている医療に対して”払いすぎ”=将来への積立分)は切り捨てている。保険形式なのでそれは当たり前の話。実際にはこの”払いすぎ”保険料及び国費拠出分が高齢者医療を支えている。それがグラフ右上にある青色グラフのみの範囲である。※繰り返すが強調するために元数値を乗除している
そこで現役世代の負担をわかりやすくするために、払い過ぎ分も推計人口で掛け算したものを積み上げグラフにしたのが下図である。※未成年は親が払っている。社会人になると負担は一気に増え始め他世代医療費を支える。

こうすると現役世代の負担により支えられている関係がよくわかる。しかしこれでもややウソが混じっており、上記「年齢階級別1人当たり医療費、自己負担額及び保険料の比較(年額、令和4年度実績に基づく推計値)」の欄外注記事項に小さく書いてある通り、下記の注意項目がある。
- 負担医療費は「高額療養費制度」でのカット後に払った額面であり、特に高齢者ほど適用件数が圧倒的に多い。もちろん現役世代でも適用はあるが件数自体はかなり少ない代わりに適用額が大きい傾向にある。※正しいデータを出すには各種資料にあたる必要があるが、そこまでの根気がなかった。
※”1人当たりの医療費と自己負担は、それぞれ加入者の年齢階級別医療費及び自己負担をその年齢階級の加入者数で割ったものである。” - 現役世代の負担分には、企業負担分(労使折半)が含まれるので本人負担額の倍程度大きく見えている。
※”保険料は、市町村国保なら「世帯主」の、健康保険なら「被保険者」の数値をベースに、「事業主負担(会社負担)を含む」形で推計している。”。本来は給与明細の総支給(額面)に企業負担分社会保険料も記載すべきである。企業折半分を記載しないのは「こんなに取られてるんだ」という衝撃を隠すため。 - 高額療養費制度について、70歳未満は標準報酬月額に比例して5段階あり最高額は25万+αだが、70歳以上では最高額でも8万+α程度である。※自己負担(個室ベッド)代金などは別途加算
「だから高齢者も現役並みに3割負担しろ」と言うわけではないが、少なくとも、現役並みの収入がある方(例えば年金生活者だけど所得税を払っている方=65歳以上だと年収160万以上程度)などについては、窓口負担割合を増やしても良いのではないか?という議論が出てくるのはこういうことである。もちろん人口ピラミッドを見ればわかるが、たとえ団塊の山を越せたとしても次には団塊ジュニアの山(上記人口ピラミッド50前後の第2次ベビーブーム世代)が控えている。今が最高にきついのではなく(現役世代が減る分)次の山が一番きつい。早急に手を打つしかないのは誰が見てもわかる。
※超高齢化社会などと言っているが、実は高齢化率は現時点ではまだまだ入口の30%程度で、このあと50年くらいかけて40%近くまで上昇していく試算になっている(高齢者も減少に転じるが、それ以上に現役世代が減少するため率は上がる)。「財務省:全世代型社会保障構築」参考資料(2024年11月)の5/87ページ
社会保障がこうした硬直した設計になっているのは、かつては日本での企業雇用が年功序列型で組織に属してさえいれば確実に昇給していくモデルがあったためである(死亡率が劇的に低下して人口ピラミッドが激変したのも大きい)。しかし非正規雇用が急拡大した結果そのモデルは通用しなくなった。そのため、より現代に見合った応分負担的なモデルが求められるのである。つまり高齢者でも現役並み以上の所得がある場合には応分負担すべきであり、現役世代でも苦しい方の場合は負担軽減を図るべきだという主張の声が大きくなるのは致し方ない。
またここ数年議論が激しくなっている消費税が、なぜ年金や医療などと組み合わされて話されるのか?というのはこの税の特殊な立ち位置にあるし、同時に社会保険料の見直しなどの議論が起きるのも、両者が密接に関係しているからである。
※共産党などがよく槍玉にあげる防衛費は、実際には9兆円でしかない(2026年度予算)。いっぽう社会保障(給付額)で見れば、実績値として2018年度に121兆円だったものが2025年度には140兆円(+19兆円増)へと増えている。試算では2040年度には190兆円近くに増える(今からさらに+50兆円増)とされている。この特別会計は目的がはっきりしているという理由で、これほどの伸びを示しながらほとんど国会議論(少なくともワイドショー的政治イシュー)の対象にはなってこなかった(議論を避けてきた)。「防衛費を削って他の予算に充当しろ」などといっても年9兆円しかないのだから焼け石に水である。特別会計の伸びがどれだけ大きいかがわかる。「財務省:全世代型社会保障構築」参考資料(2024年11月)の8/87ページ
こうした基礎的な知識を入れたうえで、「消費税(=社会保障)はどうあるべきか?」「消費税減税とはどういうことか」あるいは「消費税廃止とはどういうことか?」という議論をすべきだろうと思われるし、それ抜きに「単純にレジで消費税取られるのは辛いですよね?」という議論ほど危ういものはないと思う。少なくとも有権者を明確に騙している。
※もちろん1時間枠の地上波ワイドショーで視聴者相手にこんな話をすれば間違いなくチャンネルを替えられるかTVの電源を切られてしまうし、掘れば掘るほど高齢者の医療・年金を現役世代が負担している構図、しかも年々恐ろしい勢いで増加して背負いきれなくなる冷酷な状況が見えてしまうため、特に視聴者の多くが高齢者の地上波ではこんな話は到底できない。政治がワイドショー化した今、政治家もTVに出て政策を訴えざるを得ない。しかし連続して1分も喋らせてもらえないため、そのためには適度な話の簡略化が必要であり、そこでは特別会計などを述べている時間はない。結果として消費税=社会保障の話はなおざりにされてきた。
※政策の大きな選択肢としては「大企業の法人税を再び増やして負担させ、庶民の消費税を廃止すれば良い」(個人富裕層も含める場合もある)という方法論もあり得るとは思いますが(主に共産党やれいわ新選組の主張に近い)、その際にはその”グローバル化した大企業あるいは富裕層が日本から離れる(キャピタルフライト)”という巨大なリスクも存在するかと思います(結局逃げれない庶民から薄く広く取るか、大企業や富裕層といういざとなれば逃げる手段を豊富に持つ相手からまとめて取るかの違いでしかない)。もし仮に大企業の間で”脱日本”のような事態が進展することになれば、会社で成り立っている”会社社会主義”的な日本では(年末調整まで行ってくれるのでほとんどが確定申告の必要がない)、今まで企業に被せてきた行政コストをもろに行政が被ることになりかねないため、行政に与えるダメージと負担も大きなものになるのではないかと想像しますし、そのコスト負担は結局住民に返ってくることになるでしょう。ましてや新規に起業しようという挑戦の芽を潰すことにも繋がりかねませんし、間違いなく日本の成長にダメージを与え、(富裕層と貧困層との差は言うまでもなく)都市と地方の格差までがさらに拡大しかねないとも考えます。どちらの政策を取るかという大きな選択肢は結局(政党への投票行動により)有権者に委ねられていますが、今のところ消費税本体には手を付けず(少なくとも廃止はしない)、103万円の壁を崩したり社会保険料の見直しを行うなどの(主に中低所得者層向けの)改革路線が支持を集めているように思えます。もちろん考え方は様々ですが、SNSや掲示板(あるいは実行動)で運動するのではなく、選挙において投票行動で示すのが民主主義国家であると考えます。
上で見てきたように、今後数十年に渡って高齢化率は高まり続け、それに伴い膨らみ続ける(主に高齢者に費やされている)社会保障費は日本の国家財政に重くのしかかる。過去の財政政策で膨らんだ日本の国債残高は1100兆円を越し、他国との金利差による国家財政破綻リスクは上昇し続けている(国債=借金はいつか返さなければならない)。当初円高にあったためアベノミクスではうまくいっていたものの、肝心の経済成長が消費増税で芽を潰され、そうしている間に経済成長を遂げた他国との金利差により円安への拍車がかかることになってしまった。一方で膨らみ続ける社会保障費を賄うには現状消費税以外の手がなく、だからといってここに手を付けよう(主に老人医療費などの抑え込み)ものなら、高齢者票が圧倒的に多い日本ではその政治家は容赦なく攻撃を受けるし、選挙で落とされてしまう(シルバー民主主義)。結局はシルバー民主主義を打ち破る新しい社会意思つまり、若者層の投票率アップと、それによる次世代を担う人たちの意見こそが優先される社会構造の改革が必要になってくる(死ぬまでの10年20年を逃げ切ればいいという意見ではなく、50年後100年後の日本をどう考えるかという意見が重要視されるべき)。そうでなければ、日本という国家は1100兆円という巨大な借金(の金利)に飲み込まれてしまうリスクが非常に高くなってきている(10年物日本国債利回りは日銀の抑え込みにより長い間0%台をつけていたが2024年末には1%を超え現在は2%も超えてしまっており、30年国債などではすでに3%を軽く越している)。国債の内訳は、ざっと1年未満の短期国債が5%、2~5年の中期国債が20%、10年の長期国債が40%、20~40年の超長期国債が35%(約385兆円)となっている。仮に超長期国債だけに限ったとしても5%の金利がつけば金利だけで約19.25兆円へと膨れ上がる。現実問題として、30年国債はすでに2026年2月時点で3.5%程度もある。20~40年後といえば現役世代や若年層のあなたたちはいくつになっているだろうか?もちろん財務省の偉い方たちが一生懸命考えてくれてはいるが、普通に考えて喫緊の課題であることは言うまでもない。「消費減税できなければ高市さんはどう責任を取りますか?」などとお気楽に聞いている場合ではないのは確かである。彼自身は60歳なので20年後といえば逃げ切っている。TVの発言者の年齢(とポジション)をちゃんと考えて発言内容を吟味する癖をつけよう。その人の発言は(いまこの瞬間だけの笑いを取るためのものではなく)将来の日本を考えてのものですか?あなたの老後やあなたの子供や孫の暮らしを真剣に考えてくれてますか?
参考)
追記:片山財務大臣とダボス会議
2026年1月、日本では高市総理の通常国会冒頭解散が取り沙汰された中、片山財務大臣はダボス会議に出席している。高市総理の盟友でもある片山氏は、この国内で大変な時期に48時間という弾丸旅行を行ってまで一体何をしていたのか。
まず事実関係として1月下旬の動きを確認しておく。
- 1月9~12日頃:日本の主要メディアが、高市総理の冒頭解散を一斉に報じる
- 1月13日:世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が公式プログラムを更新。片山財務大臣が登壇する「Japan’s Turn」を含むセッション日程が明らかになる
- 1月19日:高市総理が衆議院解散を正式発表
- 1月20日:片山財務大臣、ダボス会議「Japan’s Turn」に登壇
- 1月23日:通常国会召集、即日解散
Japan’s Turn > World Economic Forum Annual Meeting | World Economic Forum
この「Japan’s Turn」セッションは、日本のテレビ東京との共催で開催されたとしており、TV東京のテレ東BIZでも流され、Youtubeチャンネル「豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス」では全編ノーカットで流されている。※豊島晋作氏は「日本のテレビ局員として唯一招待され会議参加者として出席」している。
※日本では、「国際会議で堂々と英語で発信をする片山氏」というレベルで盛り上がっていたようだが、その裏には明確な狙いがあった。
またライブ配信で行われたこのセッションには、片山氏のほか、パネリストにはNECの森田隆之社長、オーストラリア駐米大使(第26代元オーストラリア首相)のケビン・ラッド(Kevin Rudd)氏、ヒクマ製薬副会長マゼン・ダルワザ(Mazen S. Darwazeh)氏、司会は英フィナンシャル・タイムズ紙ギデオン・ラックマン(Gideon Rachman)氏という面々で行われている。
このうちマゼン・ダルワザ(Mazen Samih Talib Darwazah)氏はヨルダン上院議員でありアブドラ国王経済政策評議会メンバーかつ楽天メディカル株式会社取締役を務め、親日家でもある。NECは言わずと知れた日本を代表する電機・ITサービス大手で、森田氏は海外事業出身で国際通と知られる。片山氏の説明する「責任ある積極財政」は、経済安全保障やAIなどへの投資なのだという裏付けをする役回りでもある。
つまり、念入りにセッティング・調整されたうえで片山氏が出席しているのだ。片山氏(及び森田氏)は通訳を介さずに英語でセッションを行い、会場での質疑応答も行っている。
※質問者2名のうち後者はマッキンゼー・アンド・カンパニーの山田唯人氏であり、彼は非常に流暢な英語でラッド氏に対して日本は半導体バリューチェーンで強みを持っており、重要素材では50%の市場シェアを持っている。日本はこれらの強みを同盟国や競合関係国に対してどう活用できるか?という問いを行い、半導体のサプライチェーンを広げる必要がありその拡大に寄与できる国として日本は適任であり、また(豪州の鉱物資源をアピールしたうえで)G7を拡大していくことで(現在中国が行っていることで発生している)市場の脆弱性は緩和できるという回答を引き出しています。※茂木外務大臣はマッキンゼー出身
ここでアピールしていたのは日本が成長への(17重点項目)戦略的な投資をしており、責任ある積極財政を行っていくという高市内閣のアピールである。森田氏もこれをNECの強みとしてアピールすることで補強している。※ラッド氏は会議前も終了後も、森田氏に対して「期待している」と伝えたという。森田氏は、これは日本のテクノロジーに対する期待、日本に対する期待、高市政権の現実的なアプローチに対する期待であろうとし、それが非常に感じられたと述べている。
また会場には竹中平蔵氏も座っており、セッションの間中、油断なくセッション参加者(国際金融関係者)の顔色を鋭く伺っている様子も見て取れる。※竹中氏は世界経済フォーラム理事(31人いる評議員の一人)。
ちなみに片山氏はメディアインタビューにも答えており、ここでも同様に市場への説明を行っている。※こちらはなぜか日本語で答えており翻訳が入っている。
片山氏の狙いは何だったのか。それはこの前後の国債市場を見ればわかる。

10年物の国債金利のグラフだが、片山氏が出席した1月20日にピークをつけた後、それまでの急上昇が一転、落ち着きを取り戻している。むしろ日を経るに従って下落傾向まで出ている。
※自民党総裁選で高市氏が勝利したのが10月4日、自民・維新の連立報道が出たのが10月14日、連立合意書署名が10月20日、第219回国会が開かれ首班指名選挙で内閣総理大臣に指名されたのが10月21日である。高市氏が従来から「責任ある積極財政」をアピールしていたことから、市場は国債増発に対する警戒心を高め、国債金利は上昇を続けていた。
市場関係者はまだ警戒心を解いておらず、特に日本の新聞は市場関係者の発言を取り上げて積極財政への警鐘を鳴らし続けているが、しかし上で見た通り日本の経済成長でしかこの危機は突破できない(とする政策を推進するのが高市内閣)。現時点の国債金利を見る限りでは、国内政治が冒頭解散で揺れていた時に、片山氏の弾丸旅行での国際会議アピールは、一定の成功を得たと見る他ない。
※衆議院で352議席を獲得した高市総理にはもはや野党は存在しないのと同じ(大半の決議事項は衆議院優越の論理で押し通せる状態)だが、むしろマーケット、とりわけ国際マーケットの信任を得ることが最大の監視勢力となっている。高市総理は毎回記者会見のたびに、「責任ある積極財政」についてかなり長めの発表を行っているが、片山氏はその内容(特に”責任ある”)が国外には発信されていなかったことに(国債金利上昇が続いたことから)気づき、自ら英語で発信を行ったのだとしている。また弾丸旅行とは言うが、この前週1月12日にもワシントンでG7財務大臣会合に出席して鉱物資源(レアアース)の共同対応について協議している。
閣僚指示書(大臣指示書)
高市総理は組閣に当たって各大臣に対して「指示書」(大臣指示書)を交付しており、第1次高市内閣、第2次高市内閣の二度に渡って出された指示書の内容も明らかになっている。
参考)一般社団法人 日本金融経済研究所 大臣指示書 「変更比較レポート」 ※二度の指示書の比較を行ってくれている。
この指示書公開の狙いは、各大臣との「言った/聞いてない」というレベルのやり取りをなくし、指示内容を明確にすることで霞が関官僚への睨み(総理指示案件である)も効かせたうえで、国民の監視対象にもなるというまさに閣僚と官僚とをガチッと抑え込む内容となっている。
※指示書自体は安倍内閣でも出されたとするが、その際には内閣編成の毎回では無かったという。高市総理はそれを定期的に指示することで閣僚への睨みを効かせると同時に、安倍内閣では「官邸主導(独裁)」で攻撃されたのを逆手に取って指示書として公開することでマスコミへの抑えも効かせている。これらの交通整理により、各大臣への単発攻撃(官邸との意思疎通確認など)をも無効にする狙いも感じられる。民間で仕事をしている人間からすれば「そんなレベルのこと」と思うだろうが、これらは日本の政治記者たち(あるいは霞が関官僚)がかき回して政治を混乱させてきた主要因でもある。指示書を公開することでこうした低レベルの撹乱行為などを無効化する。
すでに、法務大臣への旧氏の単記指示がマスコミで話題になっている他、外務大臣の戦略三文書見直し、防衛大臣の三文書に加えて・防衛装備移転三原則指針見直しおよびGCAP(日英伊次世代戦闘機共同開発)推進、官房長官の三文書及び領土問題や拉致問題歴史認識の発信強化、経産大臣の次世代革新炉やスマレジ、総務大臣・外務大臣・財務大臣・経済安保大臣(小野田氏)に対して輸出促進に向けた交流と内閣及び産業界への情報共有並びに提供などが注目点となっている。

コメント
ベクトルは、ほぼ自身も同意見なので、大変興味深く拝見させて頂きました。
ただなぁ、考えれば考えるほど、またしても氷河期が腹を切らねばならんのだろうなと思うんですよね。この世代の年金カットとかね。
私も氷河期やから、それが最適解なのも解るけどしんどいです。まぁ受け入れますけど。
ほんまごめんね、我々世代が立て直せなくて。
見当違いならゴメンナサイ…
>ほんまごめんね、我々世代が立て直せなくて。
いやこれはないと思いますよ。長期的ビジョンもなく新卒切りを行ったのは本当に経営者としての視点があったのかと今でも思ってますし。
今ですら人手不足だから外国人技能実習制度で乗り切ろうとか何も考えていないことがよくわかります。未だに日本人(経営者)は人的資源をなんとも(何でも替えがきくとしか)思ってないことの証左だと思います。少なくとも人は経営の波のクッションなどではないはずですが。