三大キャリア、SMSの機能を進化させた新サービス「+メッセージ」を発表

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国内三大キャリアであるNTTドコモ、au、ソフトバンクの三社が、SMSの機能を進化させた新サービス「+メッセージ」を発表しています。

サービス提供開始は2018年5月7日を予定しています。

報道発表資料 : SMSの機能を進化させた新サービス「+メッセージ」を提供開始 | お知らせ | NTTドコモ
https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2018/04/10_01.html

株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)、KDDI株式会社(以下、au)、ソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンク)の3社(以下、携帯3社)は、携帯電話番号だけでメッセージがやり取りできるSMS(ショートメッセージサービス)の機能を進化させた新サービス「+メッセージ(プラスメッセージ)」を、2018年5月9日(予定)から携帯3社のスマートフォン、タブレットを利用するお客さま向けに提供開始します。

「+メッセージ」は、GSMAで世界的に標準化されているRCS(Rich Communication Services)に準拠したサービスです。従来のSMSでも、他社携帯電話番号宛てに最大全角70文字のテキストと絵文字を送受信することができましたが、「+メッセージ」では、携帯3社のお客さま間であれば、文字数を気にすることなく携帯電話番号宛てにチャット形式でメッセージや写真、動画を送受信できるようになります。また、コミュニケーションを豊かにする専用スタンプや、複数人で同時にメッセージをやり取りできるグループメッセージを楽しむこともできます。

画面イメージはImpressのこちらを参照ください。

携帯大手3社、SMSを進化させた「+メッセージ」5月9日開始 – ケータイ Watch
https://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1116231.html

 

相変わらず突っ込みどころが多すぎてどうしようもないのですが、これは格安スマホ対抗策であり、また圧倒的シェアを誇るLINE対抗策でもあるようです。

※めんどくさいので「格安スマホ」としておきますが、正確にはMVNOであり、「いわゆる格安SIMを利用するスマートフォン」の略です。

これまで携帯3社は、お客さまがメッセージを送受信する相手先の携帯電話会社を意識することなく快適にご利用いただけるよう、SMSの相互接続や、絵文字の共通化などメッセージサービスの拡充を図ってきました。このたび、より豊かなコミュニケーション環境を実現することを目的に、「+メッセージ」を提供します。MVNO(仮想移動通信事業者)などへの提供についても、導入希望に応じて検討を進めていきます。

と、一応将来的には格安スマホにも提供する気はありますよと謳ってはいますが、あくまで「導入希望」に応じて「検討を進めるだけ」であって、すぐさま誰にでもオープンに提供するわけではないのです。要するに格安スマホ側に応分のコスト負担などを求めるのでしょうが、それでは格安スマホ側は乗らないでしょう。仮にこの「+メッセージ」とやらが圧倒的シェアを占めるならともかく、LINEで必要十分すぎるのにわざわざこれに乗る必要性が微塵も感じられません。

それどころか、すでに手を挙げていてつい先日総務省から帯域割り当ても発表されたばかりの楽天までハブられているのが面白いところです。

思いつく問題点としては、

  1. 電話番号を教えなければならない
    LINEでいうLINE IDで繋がる仕組みがなさそう
  2. 無料通話がない
    ※LINEにはあるし、格安スマホ側の大きな売りとなっている
  3. (恐らく)スタンプが作り直し+書い直し
    ※LINEスタンプの二番煎じであって同じスキームを使うのでしょう。
  4. そもそも想定利用者はLINEで満足しているし、三大キャリア利用者がわざわざこれを利用するメリットも薄い
  5. 文字数を気にすることなくと謳いながら、最大全角2,730文字と制限がある
  6. UIが可愛くない
  7. 専用アプリが必要、パソコン版アプリもない
  8. 第四のキャリア楽天や、サブブランド(UQmobileやワイモバイル)まで非対応
  9. パケット通信量もかかる
    料金制度は不明
  10. 既存のSMSも従来の料金のまま並行して利用できる

などほとんど問題だらけと言えます。

 

せめてこれが格安スマホが注目され始めたころにでも着手・発表していればまだしも、時期が遅すぎます。

また、どうせこうした仕掛けを作るのであれば、ビジネス用途で多少は需要があると思われるビジネスチャットの機能を意欲的に盛り込むべきでしょう。それには無制限のグループチャットだけではなく、会議室管理、ビデオ通話、ストレージなども必要になると思われます。

所詮遅れてきた囲い込み策なのは各社わかっているようで、どうもお茶を濁す程度のやる気しかないようですから、スタンプなどもそこまで広まることもなく廃れていくの予想できます。

そもそも、かつてLINEを熱狂的に支持していた若者の間ですら、すでに「LINE疲れ」や「LINE離れ」が進んでいるといいます。今さら感たっぷりの「+メッセージ」の未来は果てしなく暗いものと言えます。

 

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