「Cities Skylines」Intersection Marking Tool(IMT)簡単な使い方

Cities Skylines
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今やCitiesSkylinesの代表的なModの一つと言って良い「Intersection Marking Tool」(IMT)簡単な使い方をまとめるページです。

今までは他の方の作った動画を紹介するなどしてごまかしていたのですが、機能が増えすぎて自分自身何が何だかわからなくなってきたため、自分のための整理用ページです。※だいたい私のブログ記事はそういう成り立ちで出来上がっています。

なにかの参考になれば幸いです。

「Intersection Marking Tool」(IMT)とは

IMTとは?

そもそも「Intersection Marking Tool」(IMT)とは、(自分の記憶が正しければ)交差点の装飾をするためのModとして登場したはずです。

Steamワークショップ::Intersection Marking Tool

当時、CitiesSkylinesで交差点をどうにかするためには、デカールをペタペタ貼り並べたり、あるいはPropをポチポチと並べてはそれらしい雰囲気を出すものであり、最悪自分でデカールやPropを作ってでも如何にリアルに見せるかという、いわば剛腕でねじ伏せて現実感を出すようなそこがプレイヤーの腕の見せ所だという所がありました。※あくまで個人の主観的なものです

それこそどれほど多くのワークショップアセットを知っているかという知識量の差であり、それらを並べていく腕やセンスの違いが如実に現れる場所だったのです。日本風の道路や交差点となるとさらに条件は厳しく、限られたアセットの中から雰囲気を出すために先人は苦労されてきたとも言えるかと思います。

2020年1月には「CSUR(現CSUR Reborn)」という、当時としてはびっくりするほどリアルな道路を敷設できるMod及びアセットの道路コレクションが出ていたのですが、容量も大きい上に設置にかなり癖があるなど、一般への浸透はやや厳しかったかなと思います。現在はCSUR Loaderのサブスクライブ数が55000止まりとなってしまっています。

 

Node controllerおよびIMTの登場

その後、まず2020年5月に「Node controller」という交差点の形状を細かく操作できるModが登場し、続いて2020年6月にその交差点にマーキングを付す「Intersection Marking Tool」(IMT)が登場したことにより、交差点を装飾する際の操作性や取っ付きの良さは今までに無いくらい上昇しました。

その後Node controllerは「Node Controller Renewal」へと引き継がれました。
「Node Controller Renewal」は交差点の設定をしたり、道路に新たなノードを設置したりできるModです。交差点関係としては、バニラゲームのややいびつな交差点を実在する交差点のように、形状変形をある程度自在にすることを可能にした点が大きいのではないかと思います。もちろんそれだけではなく、名前の通りノードをコントロールすることでなだらかな斜面交差点にしたり、新たに横断歩道を新設したり、ノードの区切り直しをするなど道路に関するかなり深いコントロールを行うことが可能です。

 

これらのModにより、上級者はより上級者らしい仕上がりに、かつ時間の限られている方やあるいは初心者でもある程度見栄えのする交差点を組み上げることが可能になったのです。しかも重要な点は、これらの交差点をあとからMove it!などで移動したりいじってもマーキングが追従するところにありました。単にデカール類を並べて飾り付けするだけではなく、道路に付随するオブジェクトとして装飾を付すことで道路自体の変形にある程度耐えるようになったのです。

※上級者と初心者の大きな違いに、一度設置した交差点をちょいちょい弄るか否かがあると、私は考えています。しっかりした完成イメージがあるのではなく、ちょいちょい弄りながら探りながら作っていく。時間さえ許せばいつまでも延々と1つの交差点の接続具合を弄ったり幅を弄ったり車線数を変えてみたりしてしまいます。もちろんそれがCitiesの都市づくりの醍醐味です。しかしこうすると道路ネットワークに追従しないPropやツリー手置きの場合には全部ズレてしまいますが、IMTの場合、道路移動や道路変更にかなりの程度追従可能になります。納得行くまで交差点を最短手数で微修正できます。そういう意味で初心者こそIMTを活用すべきだと思います。

Node controller、Intersection Marking Tool(IMT)に加えて「Network Multitool」(2021年7月)の登場により、Citiesの道路表現はより一段高いレベルに生まれ変わったのではないかと思います。

とはいえ当初IMTの一番の売りは、交差点の走行しない部分の導流帯(ゼブラマーク)であったり、減速注意の路面標示などであったのではないかと思います。今まで苦労してペタペタと並べていたものが、IMTで指定(かつコピーなど)することで誰でも容易に交差点の修飾が可能になりました。

その後、Propやネットワーク装飾、ツリーなどのサポートにより、さらに自由に道路関連を装飾することが可能になっています。

 

基本的な使い方

基本的な使い方という割に、「現在の」機能でしか無いのですが、IMT自体が次々とバージョンアップしているため、とりあえず現状の機能で、なおかつ私が理解できた範囲内となります。

起動の仕方

Steamワークショップ::Intersection Marking Tool

IMTをサブスクライブして起動すると、UUUIのバーにIMTアイコンが出てきます。

IMTアイコンをクリックしてから装飾をしたい交差点(あるいは道路)を指定すると、IMTのダイアログが表示され、同時に対象の交差点にいろいろなマークが表示されます。下のスクショではラインを1本引いてますが、だいたいこれが交差点を指定したデフォルト状態です。

※あるいはデフォルトで「Ctrl+L」キーを押して交差点を指定する

※ちなみに舗装(pavement)部分は、Theme Mixer 2で「Uvaspina Winter」のデコボコに見える舗装に変更してます。舗装関連は(「Theme Mixer 2」の使い方(マップテーマ))を参照して下さい。

 

 

それでは、順番にIMTの機能を見ていきましょう。

1.ポイント

IMTでは交差点を指定した時点ですでに自動的にポイント(範囲指定などの起点)が割り振られており、そのポイントを元にラインや塗りつぶしをしていくわけですが、それをあえてより細かく外側にちょっとだけずらしたいなどの場合に、このポイント(指定)機能でポイントを設定します。

恐らく最初は使わないでも良いかも知れません。もう少しきれいに仕上げたいなと言う時にこのポイント指定機能があったことを思い出せばいいでしょう。

 

2.ライン

交差点や道路にライン装飾を行う場合に使う機能です。

以前は単純に、実線や点線、二重線など”線(ライン)を引く”機能だったのですが、現在ではPropであったり、デカールを並べることができるようになっています。

まず単純な線引きから始めてみましょう。交差点の丸いポイント2点間を指定すると、デフォルトだと破線(点線)が引かれたと思います。

これをShiftキーを押しながら引くと実線になります。Ctrl+Shiftで二重線、Ctrlだと二重破線がそれぞれ引けるようになっています。同時にIMTの「ライン」の一覧に、今引いたライン指定が追加されます。それ以外の線種もありますが、若干日本では見かけないラインであったりするので、とりあえず覚えておくのはこの4種だけで良いかも知れません。

※IMTで指定した交差点には”四角い長方形のポイント”もあるのですが、これを接続すると、車線のセンター(丸の時は車線の両側)基準に描画を開始し、線は選択できず、代わりにProp、デカール、ツリー、装飾系ネットワーク、テキストからの選択となります。

消したい時はもう一度同じ場所に同じようにラインを引くか、あるいは「ライン」の一覧から該当するライン設定の✕ボタンを押して削除しましょう。

また引いたラインが既設の道路のラインと微妙にずれているときがあります。こんな時はIMTのポイントが見えている状態で、ずれている丸い点をマウスオーバーしてからCtrlを押しながらドラッグして一を微調整しましょう。

なお停止線は、次のように道路に対して横方向に停止線を塗りたい範囲を指定します。

 

コピーペースト、テンプレートなど

ここでIMTではの機能としてコピーペースト、テンプレートの機能があります。

似たような装飾を付したい交差点は1つだけではなく多数あるかと思います。その時に、今引いたライン(色、太さ・幅、長さなど)をコピーしておき、別の交差点でペーストすることで手軽に同じようなラインを引くことができます。

さらによく使うライン設定は、「テンプレート」として保存し、いつでも呼び出すことが可能です。

ここでもう一度IMTの画面をよく見ます。グリーンで囲まれた部分が、その交差点でのそのポイント間1組のライン指定の1つを表します。※1組のポイント間に、複数のライン設定を組み合わせることも可能です。例えば線を引いた上で「ルールを追加」してさらにPropを並べたりなど。

グリーン範囲の上部にアイコンが並んでおり、左端が「テンプレートの保存」つまり、現在見ているライン設定をテンプレートとして保存するという意味です。次が「テンプレートの適用」で、既存のテンプレートから選んで現在見ている交差点のライン指定に上書き適用させることも可能です。さらに「コピー」「貼り付け」「デフォルトに戻す」「全てのルールに適用」などのアイコンが並んでいます。

つまり自分のお気に入りのラインなどが出来上がったら、それをコピーペーストするだけでなく、特に気に入っていろんな場所で使いたいものについては、”テンプレート”として保存すれば、後で手軽に呼び出して適用することが可能になるのです。

このテンプレートを”カスタムアセット”として保存し、ワークショップに公開することも可能です(テンプレートタブ)。また既にワークショップにはこのテンプレートも各国仕様に合わせたものが多数公開されています。日本風ではadon氏が公開されています。

ただし欠点があり、カスタムアセットでは個別箇所での微調整ができません。たとえば路面標示のカスレ具合などは、1つのカスタムアセットで(当然ですが)共通となります。そんな場合は「テンプレートからコピー」した上で密度等を自分の好みに調整しましょう。

 

ラインのカスタマイズ

この画面で一度引いたラインのカスタマイズも可能です。「スタイル」の”破線”を”実線”に直したり、あるいは色味を変えたり、太さや幅を変えたり、あるいは二色で塗ったり、さらにはかすれ具合なども指定できます。かすれ具合は、テクスチャの密度というところで、0%がフル表示、上げていくと徐々にかすれていくのが判るかと思います。混雑してる道路ではかすれさせたりするのも良いでしょう。その他、亀裂や窪みを再現することも可能です。

これらの機能は、以降の「横断歩道」、「塗りつぶし」などの機能でも使いますので覚えておきましょう。

 

Propやデカールやネットワークの指定

また「ライン」のスタイルを見ていくと、「Prop」や「デカール」が入っていることに気づくでしょう。つまり、ラインと言いながら線を引くだけではなく、Propやデカールを指定して並べることも可能です。

例えば別のラインにPropでクッションドラムを並べて置いてみました。

使い方は説明するまでもなく並べたいPropを指定するだけです。さらにPropの間隔や角度、シフト(ラインの向きに対する左右位置調整)、高さ・厚みなどを指定できます。ここではスクショの撮りやすさの関係上別のラインを使いましたが、同じラインを指定しながらシフト調整(ちょっと横移動)などを駆使しながらいくつも「ライン」設定をしていくことも可能です。

 

ここでは交差点で説明していますが、IMTでは道路(セグメント)も指定できるため、下記のようなものも作れたりします。IMTの機能だけを使って歩道アセットにフェンスと中央のコーンを並べて、あとはツリーアセットを手植えで並べたもので、単独でのフェンス設置やProp設置などは行っていません。

※こだわりがあってこの組み合わせではなくテスト設置なのですが、手前の白っぽい歩道はパーク道路(DLC Parklife)に手すりはパークフェンス、ステップは「Vanilla Steps Final」のStone Vstep 1×6を90度傾けたもの。奥側の黒っぽい歩道は、遊園地の通路(DLC Parklife)に遊園地のフェンスと「工事現場 PROP PACK (japanese Construction prop pack)」の三角コーン、ステップはConcrete Vstep1x6の同じく90度傾けたものです。

同じように「ツリー(樹木)」や「装飾系ネットワーク(たとえばフェンスなど)」、「テキスト(路面標示)」なども可能です。基本的にはPropでできることが応用できると思いますので各自で色々試してみて下さい。

例えば、ツリーを指定した上で外側にシフトして街路樹として描写し、ネットワーク装飾で道路際のフェンスを表現したり、街灯を設置したりということも可能です。きれいに並びすぎるのが嫌であればランダムに1つずつのPropの向きを変えたり、出現率を弄って表示数を減らしたりといった、ランダム的要素を加えることも可能です。そうやって一つの「ライン」に対して、いくつも装飾を加えて飾り付けていくことが可能になったのです。加えてネットワーク装飾の指定も可能になったため、今まで使い所が難しかったネットワーク(いわゆる擁壁・フェンス類)も使い所が増えそうです。

IMTは交差点や道路を対象に装飾をしていきますが、いざとなれば透明の歩道などもありますので、なにも見えないところに(オブジェクトに沿った)飾り付けを行うことも可能です。単にPorpなどを並べただけではなく、基本となるネットワークに付随して自由に移動・変形ができます。

例えば次のような道路も、ツリー以外はすべてIMTのみで設定したものです。

※フェンスは手前DLC「Airports」の空港用フェンス、右上側がDLC「Industries」の林業用フェンス。あとは「工事現場 PROP PACK (japanese Construction prop pack)」の連接設置用三角コーン、クッションドラムは「Japanese Cushion Drums クッションドラム」です。必ずしもこれしか無いというわけではなく、とくに三角コーンなどは多数公開されているようです。

手前や合流側の画面右側のネットワークフェンスの詰まり具合がちょっとアレだったりしますが(そもそもIMT装飾を考えずに交差点を作っているため)、IMTだけでカチカチと操作するだけでここまでできるようになるのは凄いなと思います。これら(Propとかネットワークフェンス)を手作業で並べることを想像するだけで気が遠くなりそうです。後で道路の微調整なんかしようものなら、今までは全てそういった並べたオブジェクトの細かい再調整が必要だったのです。気軽に試せて手軽に修正できることは、初心者にとって大きな壁を乗り越える第一歩となりえます。自分なりにいろいろな表現にチャレンジしてみましょう。

 

3.横断歩道

これはまさに横断歩道を描く機能です。

バニラの横断歩道はぐにゃっと扁平な扇形に歪んでおり、景観にこだわりだすと気になってきます。まずその交差点のバニラ横断歩道は、上で紹介した「Node Controller Renewal」を使って消しておき(非表示)、IMTで改めて横断歩道を描画していきます。

※「Node Controller Renewal」で交差点を指定して、一番下「横断歩道の表示」の一番左の「すべて」で”0”をクリックして消しましょう。TM:PEで横断歩道を禁止して消してしまうと住人は横断しなくなる。

IMTではShiftを押すと横断歩道の設置モードに変わります。(予めNode Controller Renewalでバニラ横断歩道を消した上で)Shiftを押しながら、横断歩道を設置したい部分を指定すると、横断歩道を描画することができます。

試しに手前右の横断歩道をバニラからIMTのものに入れ替えてみました。バニラの横断歩道よりもずいぶん見栄えが良くなりましたね。テクスチャ密度なども調整してややかすれた感じにしてます。※そのままではクッションドラムが横断歩道に食い込むため、そちらも「制限」を最大値を11に調整し、配分も自由終端に変えています。

ゼブラの時の「破線のタイプ」指定は、スクショのように直交する交差点だと関係ないのですが、次のように鋭角に接続する交差点での横断歩道の際に役立ちます。

この下(画面手前)側の横断歩道が、3択のうち「ラインと終端は斜めで平行」の塗り方です。こうした鋭角な横断歩道で指定するとうまく描写を行うことが可能です。

 

4.塗り潰し

次はIMTでの塗り潰し機能です。

IMTでAltを押しっぱなしにすると塗り潰しモードに変わります。この時、ポイントも特殊な赤い点に変わります。赤い点を結んでいって最後に始点を指定して領域を指定すると、その範囲に色(あるいは模様)が塗られます。

ここではデフォルトスタイルである「斜線」が引かれています。そこでスタイルを色々変更すると様々なスタイルに変更できます。デカールなどで装飾することも可能です。

  1. 斜線
  2. V字型
  3. 網掛け
  4. デカール
  5. アスファルト
  6. 舗装の分離帯
  7. 芝生の分離帯
  8. 荒れ地の分離帯
  9. 崖の分離帯
  10. カスタムテクスチャの分離帯

なお「~の分離帯」というのは、例えばこういう真四角の交差点ではなく、一般的には高速道路の分岐・合流地点でのゼブラゾーン(導流帯)などで使われるものです。

「アスファルト」及び「~の分離帯」は、サブスクライブしているマップテーマの”舗装”などのテクスチャが指定できます。また2種類指定できるものは、ラベル「舗装」がサブスクライブマップテーマの”舗装”、ラベル「マップテーマ」となっているのがサブスクライブマップテーマの”芝生/砂利/荒れ地/崖”が呼び出せます。※少し説明がややこしいですが一度触れば理解できると思います。

※このあたりの用語が何を指すのかについては「「Theme Mixer 2」の使い方(マップテーマ)」の参照して下さい。

また芝生の分離帯~カスタムテクスチャの分離帯までについては、高さ・厚みや角丸指定、オフセット指定、(分離帯の)縁石の幅などを指定することができます。

基本的な色塗りとしては、例えばトラムと車道の塗り分けや、バスゾーンなどに色塗りするとそれっぽい道路になってきます。

 

5.テンプレート

テンプレートは先程説明しましたが、よく使うライン設定や塗り潰し設定などをテンプレートとして保存、他で適用するための機能です。

ここでは「ライン」、「停止線」、「塗り潰し」、「横断歩道」について、それぞれよく使うパターンをテンプレートとして管理できます。

先程テンプレートやカスタムアセットでは個別箇所での微調整ができないと書きましたが、そのテンプレートそのものの調整は可能です。テンプレートを選び、上部のアイコンから「内容を編集」すればいろいろな変更が行なえ、それを保存すればそのテンプレートを使っている全地点に適用されます。

 

6.プリセット(交差点まるごと)

テンプレートがラインや塗り潰しなどそれぞれの要素ごと部分々々の保存・管理だとすると、「プリセット」は交差点全体(ラインや塗り潰しも含めた)の装飾のコピー・ペーストになります。その交差点に関するポイントやライン、塗り潰しなどの設定をまるごと一式保管、適用することができます。

ただし、その交差点での合流道路数や車線数、横断歩道の有無などが同じであるという条件が必要で、そうでないものを無理やり適用すれば当然ぐちゃぐちゃになる可能性があります。

よくありがちな交差点設定をまるまる一式をプリセット登録すれば、ポンッとまさにワンボタンで交差点全体を装飾していくことができます。ただし車線数など交差点要素が違うとずれるため、その場合は個別に調整した上でプリセット登録する必要があります。

例えば高速道路の分離・合流地点などはある程度装飾が決まってきます。その場合に、プリセット化してペーストしていくことで、あっという間にテンプレ高速分離・合流地点が出来上がるということです。こうしてワンタッチで同じような交差点を整備していけるのは、IMTでの最大のメリットではないかと思います。

 

以上が、Intersection Marking Tool(IMT)の基本的な使い方になります。

 

 

応用編

実際のライン引きと塗り潰し

細部はわかったけど、具体的に外国人プレイヤーが動画でやってる実に細かな交差点はどうやってるの?という疑問にぶち当たるかと思います。

しかし残念ながら、あれはこれらの基本要素を組み合わせて細かく設定しているだけなのです。あとは努力とセンスだけなのです。

非常に簡単なものですが、次のような線引きと簡素な装飾を付した(あえて作りかけな)交差点の場合、この画面手前側にあるゼブラゾーン塗り潰しはどうやるんだと思うでしょうが、これは次のようにやっていきます。

まずポイント間を順番にラインを引いていくと、ライン間で”交差する点”が出てきます(例えばゼブラゾーンの先端の赤線と緑線の交わる場所など)。この”交差する点”は、IMTではライン(や塗り潰し)の始点や終点として指定可能です。※ラインを引く際に始点や終点を、もとからあるポイントではなく”中間点”に変更して指定する。

例えば下の図では、一番目のブロックで終点(画面中央側)がポイントとは異なる地点が指定してあります。これはラインの交差する地点を指定することで、ポイント間だけでなく細かな線引きや塗り潰しが可能になるということです。※例えばこのポイント間では、手前からゼブラゾーン先端までが直線、それより奥側が破線指定してあります。

こうすることで、ある地点からある地点までは線種を変えたり、あるいはその地点を塗り潰し範囲として指定することで、いわゆるゼブラゾーン(導流帯)などの塗り潰しを行っていきます。さらにゼブラゾーンのところに、上で見たクッションドラムや三角コーンを並べてみても面白いでしょう。

もっとはっきり言えば、まず最初にラインを引いたり塗り潰ししたい部分を予め(ガーッと全ポイント間を)ラインで全部繋いでしまい、その後に始点終点を変更して線種を変えたり、消したり、塗り潰したりしていくということです。※慣れればどこにどういうポイントが必要だとイメージできるようになるので、全ポイント間接続せずとも目指す装飾を引けるようになる

こう聞くと、ちょっと気が遠くなった方がいるかも知れません。動画配信者などが実に見事な交差点装飾をやっていますが、はっきり言ってあれは努力の賜物です。実際の交差点がどのように装飾されており、それをCitiesのIMT(NCR)で実現するにはどうしたら良いのかを熟知しているからこそできる技です。事前に交差点/道路形状をNCRで調整し、必要な装飾を最小限の手数で盛り付けていきます。

最近見ていて驚いた動画があります。有名な配信者Akruas氏のもので全体的に高度なテクニックが散りばめられていて「えっ今のどうやったの?」という場面ばかりですが、特にIMTで装飾するシーンはとても参考になります。例えば以下のシーンなど。この数十秒ほどでも参考になるテクニックに溢れています。

私のように、そもそも自分がどんなアセットをサブスクライブしており、それをどこに使えるのかが即座にイメージできないような人間にはなかなかに辿り着くのが難しいレベルだと言えます。

ただし、慣れてくるとライン引きも無駄なく手早く引くことが可能で、なおかつ(流用が効くように)交差点の種類をある程度限定していけば、先程説明したプリセットの機能などを使うことで、ある程度素早く設定することも可能になっていくでしょう。

ふと気づけば交差点一つに時間を費やしているということになるかも知れませんが、出来上がったときの満足度はとても大きなものになるかと思います。

 

テンプレートの活用

「そんなこと言っても、実際の道路にどんな装飾がされているかを観察したこともないから、いきなり自由自在に引けると言っても難しいよ」いう人もいるでしょう。そういう人向けなのがワークショップに公開されている各種マーキングアセットです。これらは、リアルでよく見かけるパターンの道路装飾を、テンプレート化して一般公開してくれているIMT装飾用のマーキングアセットです。

とりあえずここから自分の交差点に合わせて線を引いてみて、停止線を設定して、横断歩道を描画してとひとつずつやっていくと段々やり方がわかってくるかと思います。

とりあえず日本風の道路装飾(路面標示)をしてみたいなら、adonさんの「Japanese Road Marking Collection for IMT (基本)」をサブスクライブしましょう。こうしたMarking属性のアセットはIMTのテンプレートに入るので、ラインや塗り潰しの対象を指定してからテンプレートから選択して適用すれば簡単に調整された色で塗ることができます。また「路面に色を塗りたい」「線で模様を描きたい」という場合でもすでに「Standard Road Marking Collection for IMT (Basic)」が出されています。いちいち個別に色を調整する必要もありません。慣れてくれば、テンプレートのコピーをした上で自分なりのカスタマイズをすれば良いでしょう。

そのうち、自分なら色をこうすると調整してみたり、自分の作りたい都市に合わせて変えてみたり、少しずつ工夫を積み重ねて行けばもっと面白くなるのではないかと思います。

例えば面白いMarkingアセットでは、「Train and Metro Station – Island – IMT Preset」というものもあります。これはいわば装飾専用のトラム/地下鉄駅で、該当ワークショップにある動画の14分あたりから駅の装飾(屋根やガラス、フェンス、ベンチ)を行っています。IMTの可能性がとてもよくわかる動画ですね。これはいわゆる島型駅ですが、バイパス型やシングル/ダブルタイプも用意されています。逆にトラム線路をネットワークアセットとしているもの「Tramrails for IMT」もあります。

IMT自体が断続的にバージョンアップを繰り返しており、Propやネットワーク装飾、ツリーなどもサポート範囲に広めて可能性はまさに無限大に広がりつつあります。それを使いこなせるか否かはそれぞれのプレイヤー次第だと思います。

 

関連する話で、ライン指定してPropなどを追加したりという機能自体は「BOB, the Tree and Prop Replacer」でも同様のことができるようになっています。例えばBOBでは信号機の入れ替えなども可能です(工夫すればこれでJapanese Traffic Lights (LHT) 日本風信号機MOD (左側通行用)を代替できるかも知れない)。

しかしBOBは今ひとつUIが練られていないので、現在は道路や交差点の装飾はIMT中心に行ったほうが良いかなと個人的には思います。街路樹のマップ全体での植え替え(例えばバニラ樹木をワークショップ樹木に置換)、道路アセットへの全体への置き換え処理など(いわゆるバッチ処理的な一括して処理する装飾)はBOBで行い、個別交差点ごとの細かな装飾はIMTで行うという使い分けがしばらく続くのではないかと思っています。

 

FAQ的なもの

連続してPropを並べたい

スタイルでPropを指定すると、「間隔」という項目があり、これを[A]utoにすると、そのPropの設定幅で整列してくれます。ただしPropによっては設定幅よりも微妙に狭い範囲で連続するように作られている場合があり多少の間隔が開くときがあります。そんな時は、一度[A]utoにしてから[O]Single固定に切り替えたのち、さらに狭く(小さい幅に)設定してみましょう。

 

よく使うPropを見失う / お気に入りしたい

Propなどを選択すると、一覧にずらーっと出てきてお気に入りのアレがなかなか見つからなくて困るときがあります。

そんな時は、リストから探したら☆をクリックして★に変えて、お気に入りしておきましょう。これでソート順に関係なく上部に固定して表示されます。

 

一覧の絞り込み

一覧画面でPropなどを選択する画面で文字を入力すると、リストの内容を絞り込めます。例えば「jp」などと入力すると、頭にjpの付けられているPropのみに絞り込むことが可能です。

 

角度を変えたい

ネットワーク装飾アセットなどを指定すると、たまに90度回転した状態で並ぶときがあります。そんな時は、角度(Angle)を90度すると恐らく並ぶと思います。

同様に「テキスト」で文字を貼り付けたい場合に走行する向きに合わせて出したい(例えば”速度注意”)のに道路アセットの敷き方が逆になっているために逆文字”意注度速”になってしまうときがあります。これを正順にするには、角度を180度などと指定することで向きを修正することが可能な場合があります。

また縦横表示を変えたい時は、”追加機能”の位置合わせで変更できます。なお”間隔”のカーニング指定は横表示でないと機能しないようです(当たり前といえば当たり前)。なので縦表示だけど無理やりカーニング的に縦長(空白入り)に表示したい場合は、元のテキストに空白を入れて(”速 度 注 意”的に)しまいましょう。

 

街路樹などの位置を変えたい

通常、基準となるラインを指定してツリーやPropを並べるのですが、これに対して(走行方向に対しての横位置)シフト指定することで、描画位置を変更することが出来ます。

例えば路面の外側のラインにフェンスを置き、さらにその外側にツリーを街路樹よろしく並べることも可能です。

街路樹などのサイズをバラけさせたい場合は、”縮尺”を同一サイズではなく元のPropの何分の一~何倍までの大小指定が可能なので、これで適度にバラけさせましょう。

 

デカールなどをかすれさせたい

かすれはラインなどの「描画エフェクト」の”テクスチャの密度”で調整できます。0%だとデフォルト100%な描画、この数値を増やすと徐々にかすれていきます。

同様に、”亀裂”や”窪み”を増やしていくと、徐々に亀裂が入ったり、あるいはへこんだような描画になります。亀裂や窪みについては、(結局はそういうテクスチャを被せて処理しているため)その亀裂/窪みテクスチャの縮尺を変えることで見た目を変更することが可能です。

 

高速道路フォントに変えたい

高速道路で見かける独特の「公団フォント」と俗称されるフォントにすることで雰囲気を出したい場合は、「GD-高速道路ゴシックJA」(ゲーム内からはGD-??????JA-OTFなど)、あるいは「廻想体」(ゲーム内からはKaisotai)と呼ばれるフォントを指定すると、そっくりそのままではありませんが、雰囲気をある程度似せることが可能です。それ以上こだわる場合はデカール類で作成して貼る必要があるかと思います。

※ただし2010年のNEXCOの技術基準類が改定され、現在は和文は「ヒラギノW5角ゴシック」(一部は「モリサワ新ゴM」)、欧文は「Vialog Medium」に、数字は「Frutiger 65 ボールド」に変更され、順次修正されつつある。

なおフォントインストール時に注意点があり、それは通常の「インストール」で行った場合に、ゲームから参照できない可能性があるということです。その場合には「全てのユーザーにインストール」する必要があります。

 

Propをびっしり並べるのではなくある程度数を制限したい

普通にPropを連続指定すると、IMTはびっしりと範囲の隅から隅まで綺麗に並べてくれます。「いやそうじゃなくて端っこは空けたいんだ」とか、「並べる個数を制限したいんだ」という場合があります。

これができるのが「追加機能」の”制限”という項目で、通常は”O(固定)”になってますので、これをまず”I”に変えた後、最小および最大を指定します。これを最小1最大1にすれば1個だけになりますが、「とはいえ両端には並べて欲しい」という場合には次の”配分”を「固定の空白と固定の終端」か「動的な空白と固定終端」にすれば個数指定に関係なく両端は置くようになります。

その他に、両端と言いつつ始点だけに置きたい、終点だけに置きたいという指定は、その次の”端は固定”項目で指定します。このあたりは実際にテストしたい道路にPropを設置してみて色々試してみるとさらに理解できるでしょう。

その他、”出現率”は、どれくらいの率でPropを表示するか?(100%だと指定数そのまま、50%だと指定数のうち半分程度描画する)、傾きはPropそのものをその場で回転させることで傾かせる機能、縮尺は同一サイズではなく元のPropの何分の一~何倍までの大小指定が可能、”オフセット”はラインに対して描画を開始する前後のオフセット位置(隅に空白を作る)を指定できます。

 

 

 

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