辞表と退職願

よくドラマで、どう見てもヒラの社員が「辞表」をブルブル震える手で握りしめて上役のところに顔を出して叩きつけるという演出がなされますが、毎回呆れながら見ています。

退職願

現代のドラマの主人公となるような平社員が出すのは「退職願」であって、「辞表」ではありません。

山崎豊子さんなどが描く長編小説の主人公である会社重役クラスになれば辞表です。

なお「退職届」という名称もありますが、会社により手続きが定められており、どちらかということになります。

一般には平社員には自主的に辞める自由は(法的にではなく社内空気的に)認められていないため、本来の手順としてはまず「願い出て」(口頭か書面かの違いあり)から、それが認められれば「届け出る」という手順になると思われます。

恐らく大半の会社では、まず直属の上司に退職の相談を行った上で「退職願」を出すことで、事務の方が退職手続きを開始してくれるものと思います。

正式には任命権者に提出するということになりますが、恐らく多くの会社では現在の直属上司が窓口になるのではないかと思います。会社や事業所ごとに会社組織も異なりますので、まずは直属上司(基本的に”長”の付く人)に相談するという手順が一番問題ないでしょう。

くれぐれも、いきなり会社のトップである社長に退職願を叩きつけるというのは(数人のごく小規模の会社を除き)ありえません。ドラマですのでドラマチックに演出したいというドラマ制作サイドの意図はわからなくもないですが、一般的な会社の事務手続きは実に淡々としたものです。

辞表

では「辞表」は誰が出すのかというと、エラい人が出すものと覚えておきましょう。

民間企業で言えば役職に就いている人が出しますが、一般的には取締役以上となります。会社によっては課長あたりから使うようですが、多くの会社では部長(たいていは役員・執行役員を兼ねる)かそれ以上からということになるかと思います。

形式上は雇用契約を結んでいる人(要するに重役ではないヒラ部長を含め大半の会社員)の場合には「退職願」であり、そうでない人は「辞表」となります。

ですからここを見ているような大半の社員は「退職願」を出して会社に辞める許可をいただくという手続きになります。

だいたいは、辞表は自ら出すものではなく、さらに上位者(つまりは社長もしくは取締役会)から辞表を提出しろと要求されるものです。

なお自ら辞職の覚悟を決めた上で何か行動を起こす場合に出すのは「進退伺」ということになるかと思います。

辞職願

なお公務員も任用云々で「辞表」を出すという記述を見かけますが、公務員が届け出るのは「辞職願」であって「辞表」ではありません。

また現在は多くの公務員でも、マニュアル的には「退職願」となっているということです。

東京都職員服務規程
http://www.reiki.metro.tokyo.jp/reiki_honbun/g1010346001.html

(退職)
第十四条 職員は、退職しようとするときは、特別の事由がある場合を除き、退職しようとする日の十日前までに、退職願を提出しなければならない。

ただし、これも組織によっては書類名が「辞表」となっているケースがあるかも知れません。組織内で手続き関係のマニュアルが整備されているはずですので、それに従う形になります。

スムーズな辞め方

いずれにしろ、ドラマでもあるまいし突然書類を叩きつけるというのはあまりおすすめできませんし、できればまず上司に口頭で相談した上で、どうしても辞めたいという意思を伝え、了解を得た上で手続きについて指示を受けるという手順を踏むようにしましょう。

恐らく多くの会社では、上司との相談後、事務の方に手続きを聞くように指示される形になるのではないかと思いますので、それに従い必要な書類等を提出するという流れになると思います。その中に「退職願(もしくは退職届)」が含まれているはずです。

ただ日本の会社では「意思表示しても硬軟取り混ぜて説得され、どうしても辞めさせてもらえない」という、ブラック的な会社もけっこうあるかと思います。その場合に、法的に退職の意志を示した日付を明らかにして会社に手続きを進めさせるという目的で一方的に書面で「退職願」を提出するという手段も残されています。

法的には民法626条、627条、628条で雇用の解約および雇用の解除について述べられていますので調べてみると良いでしょう。労働契約上で期間の定めのない場合でも、二週間前に申し入れを行えば雇用契約は終了すると明記されています。期間の定めのある場合は三ヶ月前に予告が必要です。
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