最近4kディスプレイ環境にしたのですが、どうもインチ数の問題などについて書かれたページばかりで、導入した際の具体的な設定などについて書かれたページが見つからず困りました。
そこで、メモ代わりにWindows7環境での対処方法についてまとめておきます。
4kディスプレイにした時、大きく分けて次の2つの問題が発生します。
- 文字がぼんやりする
- 逆に文字が極端に小さく表示される
それぞれパターン別に対策を見ていきます。
なおいずれも主にアプリケーション(ソフトウェア)のメニューやツールバー、ブックマークバー部分の話であり、アプリケーションの描画領域については(システムダイアログなどを除き)ほとんどのアプリでフォント設定機能がついているため、そちらで対応できると思います。
ぼんやり表示の修正(DPIスケーリング)
解像度が異なるディスプレイに対応するための仕組みが「DPIスケーリング」です。
解像度が大きいディスプレイに同じポイント数でフォント表示してしまうと、今まで表示していたサイズよりもかなり小さめに表示されてしまうため、これをサイズ調整(スケーリング)しようというものです。この仕組はWindows7以降に導入されており、Windows10ではかなり対応が進んでいます。
このDPIスケーリングのおかげで、(メニューなどでは)DPI数の変更をあまり意識することなく、それでいて解像度増加の恩恵を感じることができるようになります。
ただし、このDPIスケーリングには欠点があって、拡大する過程で文字がぼやけてしまうのです。特に古くから更新されていないアプリのダイアログなどにおいて顕著で、文字がぼんやりにじんでしまって見づらくなることがあります。
そこで問題のあるアプリごとにプロパティを開き、互換性タブからこのDPIスケーリングをオフにすることでぼんやり表示を直すことができます。
※この「高DPI」というのが4K環境などを指しています。
タスクバーにピン留めしているアプリ
Windows7では「タスクバーにこのアプリを表示する」をチェックすることで、ショートカットのような使い方ができます。※クイック起動バーとは別物です。
しかし高解像度モニタに移行したときにこの設定が足を引っ張ってしまい、タイトルバーやメニューバー、ツールバーなどのフォントサイズが極小サイズになってしまうことがあります。同インチのフルHDでいうと6ポイントとか5ポイントくらいのサイズ感で表示され、とてもクリックできない状態になります。
こうなった場合、タスクバー上のアプリアイコンを右クリックして「タスクバーにこのアプリを表示しない」で一度ピン留めを外し、再度ピン留めをすると戻ることがあります。
それでも戻らない場合、上書きインストールすることで正常なスケーリング表示されるようになります。
慌ててアプリ名で検索してもほとんどそのような調整で困ったという事例を見つけることができませんでしたが、今のところこれで直っています。
それでもスケーリングされないアプリ
それでもスケーリングされないアプリがあります。
管理人の場合、愛用している「CatMemoNote」がそうでした。
このアプリは、公式サイトのフォーラムでも現状ではHiDPI環境に対応していないと書かれており、テーマファイル(iniファイル)を直接編集することで対応する必要がありました。
同様に、独自で描画しているアプリはこれに該当する可能性があります。上記アプリの場合には設定手段が用意されていましたが、そうでないアプリの場合にはお手上げの可能性もあります。
ダイアログが表示されないアプリ
プロパティなどを表示しても、画面上に表示されないアプリがあります。※本来ディスプレイ解像度に関係ない問題のはずですが、今回いくつかのアプリでこのパターンに陥りました。
タスクバーには窓が開いたことを示すバーが表示されているのですが、デスクトップ領域のどこを探してもダイアログは見えません。
この原因は該当するダイアログが「表示範囲外」に吹っ飛んでしまっているためで、次の方法で画面表示エリア内に戻せます。
- アプリアイコンから「プロパティ」などを選び、ダイアログを表示する
- そのダイアログがアクティブな状態でAlt+スペースキーを押す
- 画面右下の一番隅ギリギリにメニューが表示される
- 「移動(M)」を選び、表示エリア内に移動させる
これで以後は正常にダイアログが表示されるはずです。
ディスプレイ設定(DPI設定)の変更
DPI変更方法は色々なページに書かれていますが念のために書いておきます
- Windowsのデスクトップ部分で右クリックし「画面の解像度」をクリック
- 下の方にある「テキストやその他の項目の大きさの変更」をクリック
- 画面上の文字を読みやすくしますという画面に変わるので、「大(L)-150%」を選択する
- 「適用」を押せば完了
もしこれでも小さいという場合には、3の画面の左側メニューの「カスタムテキストサイズの設定」をクリックし、0-+-1-+-2-+-3-+-4-+-5と表示されている部分を左右にドラッグすればさらに大きく(または細かく指定して)変更することができます。
メニューやタイトルなどを個別に変更したい
さらに細かく表示部分ごとに変更したい場合は、
- 同じくデスクトップ部分で右クリックし、「個人設定」をクリック
- 下の方にある「ウィンドウの色」をクリック
- 下の方にある「デザインの詳細設定…」をクリック
- ”ウィンドウの色とデザイン”というダイアログが表示されるので、変更したい部分をクリックして選択肢、サイズを指定するという手順を繰り返す
以上でさらに細かくカスタマイズできます。ただしこちらの設定は影響する範囲が非常に大きいため、できるだけいじらないほうがいいと思います。できる限り他の手段で対応するようにしましょう。
サイズ(インチ数)について
よく書かれているものに、「4kディスプレイにしたら文字が小さすぎた」というものがあります。私も購入前にこういったレビューを読んで相当悩みました。
管理人の場合、結果的にこの問題はWindowsのディスプレイ設定で150%表示することで特に今までのフルHD環境とそれほど変わりなく使うことができ、問題にはなりませんでした。※ちなみに以前のディスプレイから1インチ弱大きくなっただけ。
ただし、これについてはパソコンの利用環境(設置場所と座席の位置関係など)などに大きく左右されると思いますので、どうしても気になる場合には購入前に店頭などで確認したほうがいいかも知れません。
4Kにすることのメリット
何より、4kにしてよかったのは画面の広さと表示の美しさです。
フルHDの縦1080dotだと「いかに縦幅をいっぱいいっぱいに有効に使うか」ということに神経を使ってメニューバーやブックマークバーを非表示にするなどいろいろカスタマイズを繰り返していたのですが、縦2160dotの世界になると、ブラウザすら気がつけば上下開けたウィンドウ状態(上下がデスクトップ上下端に触れていない状態)で使うようになります。上下端まで広げると逆に視線移動がややきつくなります。ブラウザのブックマークバーも出しっぱなしで気にならなくなります。
また、DPIが著しく上昇したことによりフォント描画についても大きく改善されるため、一瞬「MacTypeいらないんじゃないの?」と思うくらい綺麗になります。フォントのジャギー(ギザギザ感)が気になることはなくなるのですが、描線が細すぎたりフォント角がやや角張って見えたりするのが気になります。やはりMacTypeは偉大です。HiDPI環境でこそ圧倒的な違いを感じるようになります。
2017年も残り少なくなった頃に今さら感いっぱいの小学生並みの感想ですが、やはり非常に大きな満足感を得ることができました。