「Cities Skylines」のDLC「Industries」で、農業を行う方法の紹介です。
概要・準備編
概要
CitiesのDLC「Cities: Skylines – Industries」を導入すると、「産業エリア」として「林業」、「農業」、「鉱業」、「石油産業」の4種類の産業チェーンを構築することができます。
さらに、産業エリアの構築により次のようなメリットも存在します。
- 産業構造を意識した建物群の設置
産業地区指定だけだとランダムに建設される工場的な外見ばかりになり、何を製造しているのかわかりづらいのですが、特徴的でわかりやすい外見の建造物を自ら設置していくことで産業チェーンを構築する楽しみが得られます。 - 学歴問題の解消
高学歴な人が増えると産業地区では求人がいつまで経っても埋まらない雇用のミスマッチが発生しますが、この産業エリアではそれが解消されます。 - 収益の向上
一次産品、加工品(二次産品)ともに輸出対象となり、それぞれを合算した収益を得ることが可能です。今までは「税金」という漠然としたものでしたが、産品を外部に輸出して収益を得るという、とてもわかり易い形で街づくりの満足度が向上します。
これにより、街づくりや道路や鉄道など交通網の構築とはまた違った楽しみがCitiesに追加されます。
準備
- Citiesで農業を行うには、DLC「Cities: Skylines – Industries」が必要です。
- 農業を行うには、マップ内に「肥沃な大地」が存在する必要があります。
もしお気に入りのマップに「肥沃な大地」がない場合は、MOD(Extra Landscaping Toolsなど)を使用して設置することも可能です。※下記参考で説明しています。
確認
DLC「Industries」をサブスクライブ(購入)すると、ゲーム内で次のような変化があります。主にこの2つの追加部分を利用して産業チェーンを構築していきます。
- ツールバー「地区」→「地区とパークエリア」
「地域ペイントツール」に、「産業エリアを塗りつぶす」と「産業エリアを消す」が増える。 - ツールバー「ゴミ」→「ゴミと産業」
「林業」、「農業」、「鉱業」、「石油産業」、「倉庫」、「ユニーク工場」などのタブが増える。
大まかな手順
おおまかに、次のような手順で行っていきます。
- 天然資源「肥沃な大地」を探す ※あるいはModで塗る
- 産業エリアを設定する ※「地区とパークエリア」の「産業エリア設定をする」を使用
- 産業エリア内に「農業本館」を設置し産業エリアの種類を農業に決める
- 「ゴミと産業」の農業タブから、その他の建物を設置していく
- 流通網などを整える
なお、農業に使用する「肥沃な大地」はいくら利用しても減少することはないため、枯渇を心配する必要はありません。
産業エリアの設置
なにはともあれ、まずは産業エリアの設定を行います。自分でエリアを指定し、4種類の産業エリアのうちどの産業なのかを決定します。
- 候補地選定
画面左の情報ビューから「天然資源」を選択し、マップ内に散在している黄緑色の「肥沃な大地」を探します。また既存の街の位置や外部接続道路・鉄道なども考慮しながら、農業に設定する候補地を選びます。
※上図で緑色に見えているのが「肥沃な大地」です。色が濃いほど建物の生産効率が上がります。 - 産業エリアの設定
ツールバーから「地区とパークエリア」の「産業エリア設定をする」を選び、農業に使用する地域一帯をグリグリと塗り潰しておきます。地域設定と異なり、かなり大きめの建物が多いため、かなりゆったり目に広いエリアを指定しておきましょう。未設定なため、「東大和工業区」と名称がついています。
- 本館の設置
産業の農業タブ内にある「農業本館」を、設定したエリア内の交通の便のいい場所に設置します。本館設置により「農業タイプ」の産業エリア設定が完了します。農業区に指定したため、「東大和農業団地」と名称が変更されました。
なお産業エリア内のゴミ収集および警察に関してはすべてこの本館建物が対象となるため、それら公共サービス建物からアクセスのいい場所に設置します。ただし消防については、それぞれの建物の現地に移動しますのでアクセスは考慮不要です。
要するに、資源の近くに産業エリア設定を行い、それぞれの「本館」を設置することにより、「林業」、「農業」、「鉱業」、「石油産業」のいずれかの産業チェーンの準備作業ができたことになります。
産業チェーンの構築(建物の配置)
産業エリアの設置が完了したら、次はいよいよ建物を設置していきます。
ツールバー「ゴミと産業」の「農業」タブ内にある建物を選んで設置していきます。農業の場合、まずは農地(農園・果樹園・放牧地)を設置します。
- 採取施設(一次産業建物)の設置〔原料の生産〕
天然資源を採集する建物です。農業の場合には、「農地(大中小)」や「果樹園(大中小)」、「牧場(大小)」になります。それぞれ算出する物が異なっており、建物を調べることで生産する農産物の種類を変更できます。
「農地(大中小)」:トウモロコシ、綿、ジャガイモ、小麦、温室
「果樹園(大中小)」:リンゴ、オレンジ、梨、温室
「牧場(大小)」:牛、ハイランド牛、豚、羊
※ただしこれはあくまで外見の問題で、産品としては「農作物」の1種類しか存在しません。 - 加工施設(二次産業建物)の設置〔特殊製品の生産〕
「製粉所」:農作物から「小麦粉」を生産します。
「牛舎・搾乳室・食肉処理場」:農作物から「畜産物」を生産します。 - 原料貯蔵施設の設置
「穀物サイロ(大小)」「納屋(大小)」:4種類ありますが、いずれも農作物の原料を貯蔵する施設です。※貯蔵施設は、建てた瞬間に貯蔵しようと大量の交通が発生しますので注意が必要です。 - 倉庫の設置
倉庫については4種類の産業で共通のため、「倉庫」タブ内にあります。「野積倉庫」、「倉庫(大中小)」がありますが、貯蔵容量とトラックの台数、雇用する人数のちがいがあります。
※なお倉庫については産業エリアの外でも設置可能です。
以上の4種類の建物を自分の好みで配置していき、あとは時間を進めて産業チェーンの概要でチェックしながら調整していきます。
産業エリアの情報確認と条例
「産業エリアを塗りつぶす」たときに、自動でエリア名称がついて表示されていますので、そのエリア名をクリックすると産業エリアの情報が表示されます。
※個別の建物の情報ウィンドウから「産業エリアの情報」をクリックしても同じ画面に遷移します。
産業エリアの情報
この画面では、その産業エリアで農作物がどれくらい生産(外部から輸入)され、そのうち「小麦粉」として加工された量、「畜産物」として加工された量、残りとして販売された量が表示されています。
なおウィンドウ左下に黄色のバーでレベルが表示されていますが、生産量と雇用人数を一定条件満たしていけばレベルが上昇し、エリアボーナスとして「効率性」の上昇と「汚染度」の低下をもたらします。この産業エリアの場合、最大のレベル5まで成長しきった状態です。
エリア条例
もう一つタブがあり、切り替えるとエリア条例が表示されます。
DLCを導入していない従来の「工業特化地区」でも課税や都市計画で簡単な条例制定ができますが、この産業エリアではさらに具体的に、そのエリアに対して個別に条例を指定できます。ここでは「物流改善」(貯蔵容量20%増+建物維持費10%増)のみを指定しています。
ユニーク工場の設置
産業チェーンがうまく回り始めると、次に行うのが「ユニーク工場」の設置となります。
それぞれの産業で4種類のユニーク工場が用意されており、他のユニーク建造物同様にマップ内に1つずつ建築することが可能です。
農業の場合、次の4つとなっています。
- 製菓工場:畜産物+小麦粉+農作物からお菓子を製造します。
- レモネード工場:農作物+ガラス(鉱業)から飲み物を製造します。
- 食料工場:畜産物+小麦粉+紙(林業)+プラスチック(石油産業)から食品を製造します。
- 衣料品工場:畜産物+プラスチック(石油産業)から衣料品を製造します。
農業では、製菓工場だけは農業単独で製造できますが、残りのユニーク工場については別の産業も構築していかないと製造できないようになっています。農業から始めた場合には、鉱業や石油産業など順番に産業チェーンを整えていきましょう。
原料の輸入
なおマップ内に天然資源がなかったり、あるいは距離が離れていて開発がめんどくさい等の場合には、とりあえず産業エリア設定+指定分野の本館を建てて指定した後、貯蔵施設だけを建築して輸入するという手もあります。
例えば上記の「衣料品工場」の場合、農業で生産できる「畜産物」+「農作物」に加えて「プラスチック」があれば製造可能になります。こんな場合には、小さめの「原油貯蔵施設」と後は「ナフサ分解プラント」だけを建てておけば、外部から原油が無限に調達されプラスチック製造ができるようになります。
同様に「レモネード工場」も、「鉱石貯蔵施設」と「ガラス工場」があれば製造可能となります。
参考
このページでは初心者のための農業の始め方を説明してきましたが、より詳しく知りたい場合には、下記のページが最適です。
Steam コミュニティ :: ガイド :: DLC Industries: 物流網
資源不足を解消する
どうも農業で必要な「肥沃な土地」が足りなくて検索してくる人が居るようなのですが、ワークショップにあるMod「Extra Landscaping Tools」で増やすことができます。
このModを導入すると、ツールバーに「土地資源」アイコンが追加されます。
この資源アイコンを押すと、「鉱物」、「石油」、「肥沃な土地」のアイコンが並んでいます。※「砂地」は修景の地形操作ツールにあり、「水源」は土地資源アイコの右側にあります。
鉱物・石油・肥沃な土地
これら3つは同じような使い方です。
いずれかの資源ツールを選択してから、資源を増やしたい場所でグリグリとドラッグすれば、土地の色が資源を示す色に変わっていきます。資源が不要な場合は、同様に右クリックでドラッグすると削除できます。
塗りつけるサイズと強さが左側にポップするブラシオプションで指定できるので、最初は上図くらいの設定でグリグリとやってみましょう。図で赤く見えているのがブラシサイズです。
なお資源は排他的になっており、何かの資源がある場所に重ねて塗ろうとしても後から塗った資源で上書きされます。これと同じことで、ある場所に樹木が埋まっているとそこは既に「森林資源」があると判定され新たな資源を塗ることができませんので、予めMod「Move It!」の範囲指定でザクッと伐採しておきましょう。
デフォルト状態では、鉱石と石油については有限資源となっており、掘り続けると枯渇してしまいます。これが結構な早さで枯渇するため、そこまでのリアルさを求めない方はゲームオプションで「資源無限」にしておきましょう。
水源ツール
水源ツールを選んだら開くWater Optionsのダイアログで放流する水量を決定します。
その後水源を設置したい場所を選んでクリックすれば水が放流されます。なお水量の最低値は0.01ですが、それでも小川というレベルではなく結構な水量が流れ始めます。下手すると街が水没する可能性がありますので、特に街よりも高い場所に設置する場合は必ずセーブしてからいつでも巻き戻せる状態にしてから行うようにしましょう。
撤去は、水源ツールを選んでから撤去したい水源ポイントにマウスカーソルを合わせて右クリックすれば撤去できます。