強制して意識改革をしてまで管理職を目指させることに、いったい誰にどれほどのメリットがあるのでしょうか?
公益財団法人日本生産性本部が、12月22日に「[2015年度 新入社員 秋の意識調査](http://activity.jpc-net.jp/detail/mdd/activity001460.html)」なるものを発表しています。
おもしろいのは、「管理職になりたいか?」の設問に対して、**女性新入社員の実に73%もの人が「管理職になりたくない」を選択していること**です。昨年度調査の72.8%よりも増えている数字です。
その理由を聞いてみると、次のようになっています。
- 自分の自由な時間を持ちたい 35.8%(昨年度38.9%)
- 専門性の高い仕事がしたい 11.3%(23.7%)
- 重い責任のある仕事は避けたい 26.4%(15.3%)
- 組織に縛られたくない 20.8%(15.3%)
- その他 5.7%(6.8%)
女性は、男性管理職の働く姿を見て、「あんなふうになりたくない」「(働く以外に)自分の自由な時間を持ちたい」と思っているのでしょう。これはなにも女性だけに限りません。
同じ設問で男性新入社員は、38%が管理職になりたくないと回答しているのです。
社会人になりたてのフレッシュ()な男性でもにおいても4割弱が出世は望んでいないということですね。
当たり前といえば当たり前でしょう。
昔と違っていまの時代は、管理職には大きな責任がかぶさるほか、結果責任も厳しく追求されます。
かたや部下の自己主張は年々激しくなり、そのうえ自分自身の仕事もこなさなければならない。新入社員たちは、現場でボロ布のようにすりきれた状態で働いている上司の姿を実に正確に観察しているといえます。
さらにこっけいなのは、この結果を踏まえて「企業は、女性が管理職としてやれる業務を広げ、おもしろさを知らせるような人材教育が必要だ」などとコメントしてる女性がいることです。
人の自由にさせればいいのに、むりやり面白さを教えてどうしても女性を活躍させたいようです。
本来ならばまず実質的な労働時間を8時間(週40時間厳守)に収めるように指導し、女性でも無理のない職場環境を作ることが先決ではないでしょうか。
そういう環境整備もせずに、建前上名目だけ管理職を目指すことだけを強制される女性も気の毒に感じますね。