夫婦別姓に関する判決がまもなく下されるということです。
基本的に選択肢が増えることはいいことです。
社会的に様々な問題があり、それが主に女性の側だけに不利益がある現状は、平等ではないという理解をする人も多いでしょう。※結婚を機に夫の姓に変えるケースが93%といいます。
夫婦別姓に関しては、職場での旧姓使用が認められない、家名が消えるなどの問題点が指摘されています。職場での旧姓使用に関しては、日本の社会の後進性でありすみやかに解除されるべき問題でしょう。
しかしそれは夫婦別姓で解決すべき問題では無い気がします。また家名については現在生きている人間だけの問題であって、その子供についてはいずれかの苗字を選ばざるを得ず、問題を引き延ばしているだけにすぎません。
この問題を声高に叫んでいる人は子供世代・自分の死後への影響を考慮できていない・あるいは希薄な気がします。
夫婦は別姓であったとして、子供が生まれた時に同じ問題が発生します。一人目を夫(妻)の姓にしたのだから、二人目は公平にするために妻(夫)の姓にするというわけにもいかないきません。では三人目は?
さらにこれまで夫婦同姓が大前提であった日本において、別姓で構成された家族が受ける困難(困惑)は大から小まで様々なものがあるでしょう。
外泊する際、あるいは医療機関にかかる際、卑近な例では外食で名前を書く際にいずれの苗字で書くのかなど、細かな場面で夫婦別姓であることに直面することになります。
その時に証明書を提示(あるいは別姓で応答)しなければならないのは、現在夫婦同姓で受ける問題とあまり変わりません。
もちろん、社会側にも戸籍制度の整理、別姓でも同居を認めるなど、単に判決だけでは済まない問題があり、こうした問題点は社会的な理解が進まないかぎりすぐに徹底されるものでもありません。
しかし最初に書いたように、現時点で女性のみが不利益を被るという指摘は確かにそのとおりです。しかしだからといってあらゆる問題がすぐに解決するわけでもなく、また今後長く(50年~100年近く)様々な別視点での問題が発生するであろうことを、理解し覚悟しておく必要があるといえるでしょう。
社会制度を変えるとはそういうことではないかと思います。