期日前投票者数が好調だというニュースが流れています。
総務省の発表によれば、公示日翌日の11日~15日までの5日間で、今回選挙での有権者数の3.86%にあたる410万7108人が期日前投票を済ませたということです。
総務省|第48回衆議院議員総選挙
http://www.soumu.go.jp/2017senkyo/
総務省|第48回衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査 速報資料
http://www.soumu.go.jp/senkyo/48sansokuhou/index.html
※期日前投票の速報値は、ページ下部「5.期日前投票の状況について」のExcelファイル
前回2014年(平成26年)衆院選と比較すると、同期間での確定値は269万9810人で、1.52倍の増加となっています。
3年前に比べると、前回の「270万人」が今回「410万人」に増えているのだからかなりの増加ペースと言えます。
東京都知事選からこっち、政治に関する報道が相次ぎ、政治への参加意識が高まったとも言えるでしょうし、期日前投票制度が浸透してきたとも言えるでしょう。
そろそろこの「期日前」という名前を変えてもいいのじゃないかと思いますね。期日前投票の記入欄も不要でしょう。
投票期間が11日~22日までであり、投票締め切り日が22日だという告知に変えるべきでしょう。
22日になってみないと当日の天候はわかりませんし、やはり寒かったり雨が降ってたりすると人間めんどくさくなるものです。何か言い訳になる予定ができれば投票なんか行きたくなくなってしまうものです。ましてや自らの行動と選挙結果に乖離があったりすると、次回以降さらに選挙への関心が薄れるという悪循環に陥ってしまいます。
さらにうっとおしいのは、投票日に近づくに連れ、各政党やマスコミが有権者の心に訴えかけるべく様々なアンダードッグ効果狙いであったり逆のトップドッグ効果狙いの情報発信や恣意的な報道を行ったりと小賢しい動きをすることですね。
そもそも告示期間だけがアピール期間だと思っている事自体がちゃんちゃらおかしいのであって、有権者をバカにしていると思うのです。
現代はネットの時代であって、マスコミがリアルタイムに報道するような内容は、ものすごく偏った内容であることなど知れ渡っているのですが、彼らはまだ影響力があると信じており、必死で偏った内容で報道しようと頑張っています。
そうした姿勢に反対を示すためにも、期日前投票を行いひとりひとりの意見を示すべきでしょう。
小選挙区に投票すべき人がいない場合は白票でいいのです。白紙投票は立派な意思表示です。比例代表だけ党名を記入しましょう。政党間の候補者調整という有権者をバカにした行為にNoを突き付けましょう。
集計上は「無効票」となりますが、政党は実は白票数もものすごく気にしていますし、もちろん総務省の統計資料上もきっちりカウントされています。
総務省|都道府県別投票総数、有効投票数、無効投票数(選挙区)
http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/data/sangiin19/sangiin19_3_8.html
※htmlで参照できる古い資料を示しますが、最新投票統計でもきっちり出ています。例えば前回平成26年12月の衆院選ならば(8)都道府県別投票総数、有効投票数、無効投票数(小選挙区)(xlsファイル)がその集計です。
期日前投票の手順
なお期日前投票だからといって何も特殊なことはありません。
いつもの投票と同様に、投票用紙(正確には”投票所入場券”)一枚だけ持って役所などに行けば、すぐに投票できます。
投票用紙(投票所入場券)が自宅に郵送されたら、いつでも投票できるように折りたたんで財布にでも入れておくといいでしょう。最近は大型スーパーなどにも投票所が設置されており非常に便利になっています。
期日前投票の事由欄について
なお投票用紙(投票所入場券)の裏面に記入欄がありますが、氏名・生年月日・住所を記入していけばさらにスムーズです。たとえ未記入でも、その場でボールペンを渡されて書いてくださいと言われるだけです。
その下の事由欄は「仕事」もしくは「冠婚葬祭」、あるいは投票区外に「外出」や「旅行」でも構いません。もちろんプライバシーですので、事後確認などは一切ありません。
あとは選挙日と何ら変わりませんし、むしろ人が少ない分スイスイと投票できて快適です。
その上、選挙管理委員会のうるさいアナウンスに促されてやむなく投票したのではなく、「やるべきことを自らの意志で(自らのタイミングで)やった!」という妙な達成感さえ感じることができるでしょう。
期日前投票、オススメです。
期日前投票制度とは
そもそも期日前投票制度とは何でしょうか?
読みは「きじつぜん とうひょうせいど」ですが、マスコミなどでは「きじつまえ とうひょうせいど」と読まれています。
本来日本では、基本的に投票日に投票を行うという制度(投票日当日投票所投票主義)であり、それ以外は当日選挙区にいない場合に限り「不在者投票」という制度が用意されていました。
しかし利便性を考えて2003年から始まったのが「期日前投票制度」です。つまりごく最近始まった制度なのです。
これは、選挙人名簿に登録されている市区町村と同じ市区町村において投票することに限定して、不在者投票制度の条件を緩和したものです。
上で、期日前投票事由について書きましたが、これについては公職選挙法第四十八条の二で定められています。
(期日前投票)
第四十八条の二 選挙の当日に次の各号に掲げる事由のいずれかに該当すると見込まれる選挙人の投票については、第四十四条第一項の規定にかかわらず、当該選挙の期日の公示又は告示があつた日の翌日から選挙の期日の前日までの間、期日前投票所において、行わせることができる。
一 職務若しくは業務又は総務省令で定める用務に従事すること。
二 用務(前号の総務省令で定めるものを除く。)又は事故のためその属する投票区の区域外に旅行又は滞在をすること。
三 疾病、負傷、妊娠、老衰若しくは身体の障害のため若しくは産褥じよくにあるため歩行が困難であること又は刑事施設、労役場、監置場、少年院、少年鑑別所若しくは婦人補導院に収容されていること。
四 交通至難の島その他の地で総務省令で定める地域に居住していること又は当該地域に滞在をすること。
五 その属する投票区のある市町村の区域外の住所に居住していること。
六 天災又は悪天候により投票所に到達することが困難であること。
特に一般の方が該当するのが、2項および6項でしょう。※なお2項にある「事故」とは交通事故などの”事故”ではなく、「業務の執行の支障となるような出来事」を指します。
ここで大事なのは「見込まれる」という記載です。つまりは確定事項でなくとも予定でいいのです。「レジャーに行く予定だったけど当日やっぱり止めた」で一向にかまわないということです。
つまり、投票日当日に仕事やレジャーなどで選挙区を離れることが見込まれる場合や、当日が悪天候で選挙に行けないことが見込まれる場合には堂々と適用を受けることができるのです。