羽田新着陸ルート

政治漫談
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羽田新着陸ルートのテストが行われており、どうやら不評らしい。

もちろん不評は不評だろうと思う。何しろ今までなかったものができちゃうからだ。

しかし、冷静に考えてみれば都市部上空を離着陸するルートを取る空港なんてのは、ロンドンのヒースロー空港やらニューヨークのJFK空港やらロサンゼルス空港やら世界中にいっぱいあるし、国内でも福岡空港や伊丹空港(大阪空港)など大都市圏でも普通に存在する。伊丹空港など大阪市を南から北まで縦断しているが、最近は騒音が酷いなどとは聞かない。

部品落下事故があるかといえば、少し前にあった程度で、その時はキー局でも大きく扱わなかった記憶がある。要するにその程度の確率の事故でしかない。

ヒースロー空港アプローチ twitterより

JFK空港アプローチ twitterより

伊丹空港へのアプローチ twitterより

伊丹空港へのアプローチ twitterより

伊丹なんてのは、数年前に話題になったモリカケの森友学園の敷地売却で問題になったが、あれはもともとこの伊丹への着陸ルートの真下にあったので仕方なく国が買い上げたものが由来である。当時は騒音公害が酷かったのだ。それが伊丹・関空・神戸の三空港が一体運営するにあたっていわば「不良資産」である土地を処分しておこうと焦った財務省近畿財務局と大阪航空局がチョンボをしたというのが経緯だ。事実、近隣地の野田中央公園は誰も買い手がなくて豊中市が公園にしたものだし、隣接地を所有している大阪音楽大学が一度は森友の土地購入を検討したが、価格面で折り合わなかったために宙に浮いていたのだ。

少し話はそれたが、都市部の空港なんてのは飛行ルート問題を抱えているのが普通なのだ。羽田は便利だけど都心部に近すぎる。そのために反対運動を乗り越えて成田を作ったのに、遠いのは嫌だとか屁理屈をこねて結局は羽田拡張路線での発着枠を最大限確保するための今回のテスト飛行なんだから、何を今更という感じがしないでもない。

しかも今回のルートが使用されるのは南風時のみであり、恐らく実際に使われるパターンは想像よりも少ないんじゃないかと思われる。だから日常的に耐えられないとかいう話ではないし、もし仮にゴーっと聞こえたら「今日は南風が強いんだな」と思う程度でしかない。

何より、受益者負担の考え方からすれば今まで東京都心部のみが優遇されすぎてたくらいの話で、今回のテスト飛行もそもそもは東京オリンピックのインバウンド対策の一環でもある。何をか言わんやという話ですらある。近隣県はもっと声を出すべきではないだろうか。

こう書けば、「私はそもそもオリンピックにも反対だ」とか言い出すんだろうが、であれば、便利な都心から少し離れればいいだけの話である。こういう輩もいっぱいいるのだから、独身者がノウノウと住めないくらいの都心税をむしり取るべきだと思う。

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