いま一度、コロナウイルスについて基礎情報をまとめておきます。
2020年2月に世界的に流行しつつある新型コロナウィルスは、名前の通りコロナウィルスの一種です。SARSコロナウイルスやMERSコロナウイルスは近縁種ということになります。
概要
コロナウイルス(英: coronavirus)は哺乳類や鳥類に病気を引き起こす多くのウイルスのうちの1つである。
「コロナウイルス」の名称は、ラテン語 corona (コロナ) およびギリシャ語の王冠または光冠、花冠を意味する κορώνη (korṓnē) に由来する。
この名称は、電子顕微鏡によるビリオン (感染性を有するウイルス粒子) の特徴的な外観に由来する。ビリオンは大きな球状の表面突起の縁をもち、樹冠や太陽コロナを思わせる像をつくる。
分類
コロナウイルスは、第4群-ニドウイルス目-コロナウイルス科-オルトコロナウイルス亜科に属しており、これらは、正の一本鎖RNAゲノムとらせん対称性のヌクレオカプシドをもつエンベロープウイルスである。
※Wikipediaより抜粋
- コロナウイルス亜科(Subfamily: Coronavirinae)
- アルファコロナウイルス属(英語版) – Alphacoronavirus
- ヒトコロナウイルス229E(英語版) – Human coronavirus 229E : 風邪の病原体
- ヒトコロナウイルスNL63(英語版) – Human coronavirus NL63 : 風邪の病原体
- ベータコロナウイルス属(英語版) – Betacoronavirus
- ヒトコロナウイルスHKU1(英語版) – Human coronavirus HKU1 : 風邪の病原体
- ヒトコロナウイルスOC43(英語版) – Human coronavirus OC43 : 風邪の病原体
- 2019新型コロナウイルス – Novel coronavirus (2019-nCoV) : 2019年-2020年中国武漢における肺炎の流行の病原体
- SARSコロナウイルス – Severe acute respiratory syndrome-related coronavirus (SARS-CoV, SARSr-CoV) : 重症急性呼吸器症候群(SARS)の病原体
- MERSコロナウイルス – Human coronavirus-Erasmus Medical Center (HCoV-EMC), Middle East Respiratory Sy ndrome Coronavirus (MERS-CoV) : 中東呼吸器症候群(MERS)の病原体
- デルタコロナウイルス属
- ガンマコロナウイルス属
- 鳥コロナウイルス(英語版) – Avian coronavirus
- アルファコロナウイルス属(英語版) – Alphacoronavirus
これを見ればわかるように、SARS、MERS、今回の新型コロナウィルスは、すべてコロナウイルス亜科のベータコロナウイルス属に属している。
エンベロープウイルス
ウィルスは、エンベロープウイルスとノンエンベロープウイルスの2種類に分類される。
新型コロナウィルスは、このうちエンベロープウイルスに分類される。
エンベロープはその大部分が脂質から成るため、エタノールや有機溶媒、石けんなどで処理すると容易に破壊(失活)することができる。これによりウイルスは感染能力を失う。
このため一般にエンベロープを持つウイルスは、消毒用アルコールでの不活化が、エンベロープを持たないウイルスに比べると容易である。
このため、いわゆる新型コロナウィルスの感染予防対策としては、アルコール殺菌や石鹸などでの手洗いが推奨される。
衣服などに付着した場合でも、一般的な(界面活性剤を含む)洗剤による洗濯によっても感染能力は奪われる。
対策
私たちはどう行動する|特設サイト 新型ウイルス肺炎|NHK NEWS WEB
治療薬
新型コロナウイルスに対して、直接効果がある治療薬は、現時点ではない。
現時点では、酸素吸入や脱水の際の点滴など「対症療法」で対応しており、こうした治療を続けている間に患者自身が免疫を獲得してウイルスが排出されるのを待つということで、実際に多くの人が回復している。
若い人に死者が少ないのは、基本的な免疫力が強いため万一感染しても発症することなく排出されているためである。
ワクチン
新型コロナウイルスに対するワクチンは今のところない。
通常、ワクチンの開発では、ウイルスそのものを処理して毒性を無くしたり弱めたりしたうえで、免疫を十分に活性化する効果があるかどうかを動物実験などを行って調べるため、ワクチンが開発されるまでには「年単位の時間がかかる」とされている。
実際に、同じコロナウイルスの一種による感染症で、2003年に中国やアジア各地を中心に感染が拡大したSARSや、中東を中心に感染が続く、重い肺炎を引き起こすMERSではワクチンは完成していない。
手洗いの方法
厚生労働省が、リーフレットを発表している。
「カゼ」について
いわゆるカゼ(風邪)もまた、その原因の7~8割がウイルス感染によるとされている。
- ライノウイルス
「感冒」と呼ばれる - コロナウイルス
冬に感染しやすい。SARSやMERS、今回の2019新型コロナウィルスはコロナウイルスの新種 - インフルエンザウイルス
- アデノウイルス
夏に流行。プールで感染するプール熱として知られる。 - パラインフルエンザウイルス
インフルエンザウイルスとは別のウイルス。喉頭と下気道に感染しやすい。子供がかかる場合が多い。 - RSウイルス
小児発症の原因病原体として最多であり、気管支炎や肺炎を起こしやすい。 - エコーウイルス
- エンテロウイルス
下痢を起こしやすい。夏に流行する。