次の元号発表を急かす人々

2018年も押し迫って、また次の元号発表を急かす人々が一定程度出てきているようです。

なぜまた騒ぐのか

もっとも退位自体は最近決まったわけではありません。

2017年12月1日に皇室会議を開催し、その後同月8日に閣議決定を以て決定したわけですが、日本の毎年好例の年末のドンチャン騒ぎで、「今年の~」「2018年総まとめ」などというタイトルを冠した番組が増えてきているため、そういえば新元号は?ということでまた話題になっているようです。最後に「そして時代は、平成から○○へ」と締めれれば美しいのでそうしたいのでしょうか。

昨年の2017年末時点では、まだ2年も先出しということでそれほど話題にならなかったのですが、今回はいよいよ半年を切ったためか、かなりあちこちで騒いでいるようです。

それを政権与党批判に使っているからまたタチが悪いというか…お里が知れるというか。

しかし元号を今知ったところで、結局ニュースやSNSでひとしきり騒いで満足したら終わりなんですから、先に知ったところでちょっとした好奇心を満たす以外なんの意味もないのです。実際のところ新元号を使い出すのは新天皇の即位後であって、それまでの丸々4ヶ月間は平成なのです。

システム対応ガー

「元号改定対応をするシステム屋が困る云々」などの意見も散見しますが、日本全国津々浦々にある企業内で動いている膨大なシステム群を、半年やそこらですべて新元号に対応させることが不可能なことくらい、少し考えればわかりそうなものですが。

しかも今どきのシステムというのは単独で動いていることなどほぼなく、社内、社外、同業種、他業種のシステムと連動していたりするため、もしその中で和暦元号を連動していたりするとやっかいで、「俺んとこはとっくに対応してるけど、君のとこまだなの?(笑」という自分勝手な姿勢では成り立ちません。お互いに新元号への対応方法や対応時期についてきっちり取り決めをした上で、検証などを行った上で一斉に切り替えを行っていく必要があります。

システム屋とすれば、むしろ新元号に切り替わった後に実装したほうが、テストも動作検証も一度きりで済むためむしろ楽です。※ただし上で書いたように、連携している部分は一度きりとは行かない場合もあるでしょう。

これがもし新元号が事前に発表されていたとすれば、新元号への切り替えの瞬間に待機させられる「ITドカタ」が全国で数万人などの笑えない話になりかねません。ましてや即位日前後は祝日になっていますから、世間の人々が10連休で浮かれてる中、緊張して5月1日を迎える必要が出てきてしまいます。企業内システムならまだマシですが、全銀システム系など決済システムを担当されている方などからすれば、笑い事ではないかも知れません。

書類も忘れないで

ましてやいくら「電子化」が進んだとはいえ、未だに大半の手続きごとには「書類」が関わってきます。

まさかそれらの新元号に対応していない書類を一斉に廃棄して新元号対応書類を作り直すわけではなく、大半はシールや判子、手書きで修正するなどして対応するわけです。

未だに田舎の方に行ったり古くからあるような会社に行くと、平成元号のない書類や張り紙を目にしたりすることもあります。いわゆる昭和で時代が止まった状態です。しかし誰もそれで困っている様子はありません。

和暦が廃れる?

だからといって、和暦元号が日本社会で使われていないかといえば、決してそんな事はありません。実際、これだけ新元号で騒げるくらい国民の皆さんは元号に関心があるのです。

また事務の面から見ても、まずはいわゆるお役所である中央官庁や地方自治体において、事務書類の一切から元号が削除・廃止されない限り、それに付随する事務を持つ企業内では元号を保持せざるを得ません。

内部データ的に西暦で保持して、画面表示時・印刷時に和暦変換すればいいだけじゃないの?というのはシステム屋こそ真っ先に考えます。しかし大抵はシステム仕様書決定時点でユーザー企業に押し切られます。そういうものです。

それらの企業と取引している企業もまた…と連鎖していき、全国津々浦々で和暦が使われ続けているのです。和暦が廃れるなんてことは、まだまだ数十年、いや百年以上先であることは確実だと言って良いと思います。

和暦が廃れる心配などをする前に、まずは地元自治体に働きかけてお役所内から書類を一掃(完全電子化)してみましょう。それすら達成できないようでは、和暦が廃れるなんて脅しはまず通用しません。

実際日本でもグレゴリオ暦が導入されて以来150年近く経ったのですが、日本人は和暦というもので時代区分を意識し、それにより「~世代」などという呼び方を好んだりします。平成に生まれた方は「平成世代」と呼ばれることに違和感を感じてきたでしょうが、新元号が出て新元号生まれの児童が学校に通うになると、あなた方も平成世代や新元号世代というものを強く意識せざるをえなくなるでしょう。

元システム屋とすれば、和暦など廃止してしまったほうが良い、少なくとも書類からは一掃すべきだと思ったこともありますが、こういう日本ならではの二重感覚は日本人の奥底に浸透しており、それがまた欧米の人々とは違ったユニークな考えを生む貴重な源にもなっているとも考えています。

大半の国が元号を使わなくなったとはいえ、日本国民の多くがこれに愛着を感じなくなり、不要と考えるまでは、やはり残したほうが良いのではないかと思うひとりです。

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