未だにホットワードに上がってくる退職

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未だに「退職」がホットワードに上がってくるのは、毎年毎年新卒が入社して壁にぶつかるのだから当然といえば当然かも知れない。

これまで、下記の記事を1年毎くらいに書いてきているようだ。

辞表と退職願
よくドラマで、どう見てもヒラの社員が「辞表」をブルブル震える手で握りしめて上役のところに顔を出して叩きつけるという演出がなされますが、毎回呆れながら見ています。 退職願 現代のドラマの主人公となるような平社員が出すのは「退職願」であって...
退職代行サービス
「退職代行サービス」なるものが注目されているようです。 会社からの非常口 用意します|NHK NEWS WEB 「退職代行サービス」とは 要するに、何らかの理由により自分では退職手続きが行えない人に退職手続きの代行を行う会社と...

 

会社側の意見と従業員側の意見

会社側はもちろん辞められたら困るし、コスト的にも大きな損失となる。

採用にかかったコスト、それまでに投下した教育コスト、新たに補充採用するコスト、新たに採用した従業員を教育するコスト、引き継ぎのコスト、引き継げない部分のサポートコストなどなど恐ろしいほどのコスト負担があるばかりでなく、周囲の従業員の不満まで高まってしまう。

言うまでもなく直接顧客と相対する職業の場合には、直接的に顧客への迷惑が発生する場合もあるだろう。たった一人のワガママのせいでどうして俺がこんなに苦労させられるんだと、上司・マネージャー・社長さんは悩み怒りに打ち震える。

いっぽう従業員側としては、薄々そうした迷惑がかかることは承知しながらも長年感じ続けてきた不満が爆発寸前にまで膨れ上がっており、これ以上ガマンを続ければ人格崩壊するかも知れないという身の危険まで感じている。

どちらの立場に立っても不幸でしかないし、継続すればそれは従業員側の負担でしかない。

引き止めに掛かる人は、さもあなたの未来を心配するかのような言葉で引き止めを図るが、結局彼らの考えていることは、自分の被る迷惑と会社への説明くらいである。真摯にあなたのことを考えているならば、最低でも3日~1週間程度、心とカラダをゆっくり休めることを勧めるべきだろう。

なので従業員の立場にたてば、会社側の都合など考えずにやめるべきなのは、当然である。辞め方などはすでに上に挙げた記事に書いておいた。

仕組みの問題

いっぽう会社側の理屈である「引き継ぎ」問題については、日本の企業は延々とこれを引きずっているわけで一向に改善の見込みすらないようだ。

日本企業では円満退社のマナー的なもので、数ヶ月前から退社相談を行い、徐々に責任ある仕事からポジションを変更しつつ従来の仕事をまとめておいて然るべき人に引き継ぎ、有給休暇を消化せずに双方笑顔で辞めていくことが望ましいなどとされている。

もちろんこれはあくまで終身雇用を前提としていた「企業へ就社」する時代の考え方であるため、現在の社会風潮にはとうていそぐわない。辞めたければ最低限の法律を守りながらすぐにやめてしまえばいい。

では企業側はどういう防衛手段を取るべきか。

如何に辞めさせないか?などを考えるのではなく、いつ辞めても良いような仕組みを作って(標準化して)おくべきなのだ。むしろそれを推し進めることで、従業員の教育コストとやらも減らすことができるし、パートタイマーを利活用することで固定費を減らすこともできる。

そのためには、仕事を丸投げにすることなく社内の仕事の進め方に沿って各自に管理させることが重要だと思われる。仕事に着手するときの情報整理、必要なリソース、リソースの管理方法、フェーズごとに発生する作業とコスト見積もり、作業の並列化と分配方法、進捗の管理方法、確認(検収)などの管理方法、納品管理、その後の資金回収方法、仕事への評価など…。

これらを整備していくことで、一連の仕事の進め方は可視化され、属人化されている部分はより希薄になっていく。こうした努力すらせずに「A君、一体どうなってるんだ!」的な怒鳴り声で進めているようでは未来はない。

仕組み化で起きる問題

こうして仕事の仕組み化をすすめることで属人的な作業は減り、いざというときでもすぐに誰かが引き継げる体制に近づけることはできる。

しかしこうした仕組みで社内が廻りだしたとして大きな問題が浮かび上がると思われる。それが社員のモチベーションであり、「仕組み化(標準化)」と「創意工夫によるモチベーション低下」は負の相関関係にあることからむしろモチベーション維持に対する取り組みが必要となってくる。

いわば短期労働者(すぐに辞める人やパートタイマー)は働きやすくなるが、長期労働者にはそうした仕組みが苦痛となる可能性があるということである。重い責任ある仕事を任されることによるモチベーション、難しい仕事を創意工夫でやりきることによるモチベーションを感じる機会は仕組み化する範囲が広がるほどどんどん減少する。

そうした長期スパンの労働に耐えうる人かどうかの見極め、そうした人への重責ある立場への割当て、途中で折れないためのサポートなどを引き続き整備していかなければ、それこそ将来会社を背負って立つべき人材がいなくなってしまう。

もっともこの2つは矛盾しているため、1つの会社で両立させるのはとても大変だろうと思われる。人員配置や人事評価的にも非常な苦労が発生するだろう。

しかし日本人の人口が右肩下がりで減少しつつあり、今後今の規模の内需を維持しようとすればいわゆる外国人労働者の受け入れも現実味的に考えていく必要も出てくる。それをどうにかしていかないと行けないのは、明白ではないかと思われる。

 

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