続いて今から始める「Cities Skylines」:アセット編です。
「Cities Skylines」は大変面白いゲームなのですが、いかんせん洋ゲー臭さがあり、そこが少し残念なところです。ここでは日本風なアセットを追加して日本人好みなゲームに変えていくところを説明します。
またアセット追加では必須となる「RICO」や、「Advanced Vehicle Options (AVO)」、「Improved Public Transport 2」についても説明を行います。
準備
「アセット」とは3Dゲームの世界で一般的な用語で、家などの建物、交通機関などの列車や駅や線路などを指します。それ以外に人や自然地形なども含まれます。
これらを追加していくことで、「Cities Skylines」の世界は一変します。自分好みなアセットを追加していくことで「Cities Skylines」の世界はさらに魅力的になるでしょう。
アセット管理にも「コレクション」は必須です。Mod追加以上にエラーの嵐に見舞われますので、必ずコレクション管理を行い、少しずつアセット追加をしていきましょう。コレクションの作成・管理方法やエラーの解決方法については、下記を参照してください。

RICO(建物アセットの活用)
RICOとは
正式な名称は「Ploppable RICO」となっているModの一つです。Steamワークショップを見ているとよく「RICO」という言葉が出てきます。これはこの「Ploppable RICO」に対応している(初期設定済み)という意味です。
Steam ワークショップ::Ploppable RICO Revisited 2.3 ※2020年のSunset Harbor以降はこちら
Steam ワークショップ :: Ploppable RICO
これを導入することにより、アセットの使い方が一変します。
このModで使われている”RICO”という言葉は次の4つの言葉の頭文字で、要するに「Cities Skylines」の世界における建物の分類です。
- 【Residential】:居住エリア
- 【Industrial】:産業エリア
- 【Commerical】:商業エリア
- 【Office】:オフィスエリア
アセットは通常、様々なオブジェクトの形状のみで提供されており、そのままだと飾り物(もしくは公園設定)にしかならないケースがままあります。しかし建物の場合、住居ならば人が住んだり、産業ならば人が雇用されて働かないとリアルさに欠けてきます。
かなり強引にいえば「Ploppable RICO」は、素の状態で提供されているアセットをこれら4分類に設定してやることで、ゲーム内でも実際に利用できる建物へと変化させるModです。ジオラマ系の街づくりには必須Modといえます。
RICOの導入と使い方
上記ワークショップから「Ploppable RICO(以下ではRICOと略します)」をサブスクライブしてゲームを起動すると、ゲーム内のツールバーの右端、条例アイコンの隣あたりに青緑黄色で構成された「RICO」アイコンが表示されるようになります。これをクリックするとRICOが起動できます。
上部にはRICO分類に従ったタブアイコンがResidential(Low/High)、Industrial(Low/High)と順番に並んでおり、右端にSettingsが表示されています。このタブをクリックするとそれぞれの分類で利用できる建物が表示され、選択して地面に設置すると、実際にゲーム内でそのアセットが利用できるようになります。
ワークショップで「RICO対応」のように書かれているアセットについては、サブスクライブすればこのタブに直接分類されそのまま利用できるようになっています。※要するに提供されている時点でRICO設定が済んでいる状態。
しかし中にはRICO設定されていないものがあり、そうしたアセットについては自分で設定をすることでゲーム内で利用できるようになります。
RICOの設定方法
RICO設定が済んでいないアセットについては、SettingsからそれぞれのRICO設定を行う必要があります。
Settingsをクリックし、設定したいアセットを探します。分類で絞り込めない場合には、上部右端にある検索ボックスから名前で絞り込みましょう。各アイコンが点灯していると表示され、消灯させると除外され表示されなくなります。
一覧で表示される項目は、左から下記を意味しています。
- アセットの名前
- Modでの設定の有無(チェックボックス)
- アセット作成者による設定の有無(チェックボックス)
- ローカル設定の有無(チェックボックス)
ここでは例としてチート級のアセットである「The CUBE」を見てみましょう。これは1個設置するだけで地下世界に何万人もの人が居住するスペースができるというイカサマアセットです。ただしジオラマ的な街づくりを進める上ではとても便利なものです。
THE CUBE (RICO-compatible high density residential challenge cube)
これをサブスクライブして導入すると、RICO上では左端の「Monuments」に追加されてきます。たくさんあるので右上の検索ボックスに「cube」と打ち込んで絞り込みましょう。
The CUBEを選択してみると、Mod設定は”無”、アセット設定は”有”、ローカル設定も”有”と表示されています。中央に表示されているのがアセットのイメージで、マススでドラッグすれば回転させることも出来ます。
右側に表示されているのが重要なパラメーターで、およそ次のような意味を持ちます。
- Service:ゲームシステム内での”RICO”の分類です。居住スペースなのか産業スペースなのか。
- Sub-Service:”RICO”の小分類です。居住区であればLowとHighの2つですが、産業ではForest/Oilなどの小分類が登場します。
- UI Category:RICOを起動した時に「RICO分類に従ったタブアイコン」のどのカテゴリーに表示するかの設定です。つまり自分のわかりやすいカテゴリーに分類することができます。例えばThe CUBEはデフォルトでは「Res Low」に入っていますが、ここには一軒家などがいっぱい入ってくるのと、分類上は大規模住宅だろうということで、これを「Res High」にしてみます。
- Level:建物のレベル設定です。恐らくレベルいくつで登場するかの設定だと思いますが今はとりあえずいじらないようにします。
- Construction Cost:建てる際の建設費用です。大抵の場合「資金無限」で進めるでしょうからあまり意味はありません。
- Worker/Home Count:建物一軒でどれくらいの人数を収容するか。何人働けるのか、何人住めるのかの設定です。CUBEの場合、10000になっており一万世帯が入居できます。
- Use WG Realistic Pop:Whitefang Greytail氏が作成しているModの「Realistic Population and Consumption Mod」や「Citizen Lifecycle Rebalance」など人口調整に関わるModを導入している場合にチェックを入れる必要があります。
これをチェックし忘れると、ゲーム画面でエラーが発生します。もし導入している場合は忘れずにチェックを入れましょう。 - Enable Pollution:環境汚染させるか否か。産業系アセットでリアルさを出すならばチェックを入れるべきですが、街中に産業アセットを配置したいならチェックを外すと良いかも知れません。
中央に「Save」、「Add Local」、「Remove Local」とあるのがメニューです。
- Save:何かRICO設定を変更した場合には「Save」する必要があります。なおセーブした後ゲームに反映させるためには一度ゲームを再起動する必要があります。メインメユーに戻ってのロードだけではRICOには反映されません。
- Add Local:RICO対応していないアセットの場合、右側のLocal Settingsが表示されていません。まずAdd Localして設定保存できるようにしてから右側のLocal Settingsで設定値を編集し、Saveします。
- Remove Local:ローカル設定を消す場合にクリックします。
さて変更を加えて後にSaveして一度ゲームを再起動してみると、The CUBEが無事「Residential」の「High」、要するに濃い緑色のタブに分類されています。クリックして道路脇に設置できれば、RICOでの設定が反映されていることになります。しばらく時間を経過させてエラーが発生しないことを確認しましょう。
アセットの導入と設置
ここまでの説明で、ワークショップで新しいアセットをサブスクライブしたときの作業を一通り記述しました。
後は、Steamワークショップで自分好みのアセットを探して一つずつ導入していきましょう。「JP」や「日本」などで検索すれば、偉大な先人達が日本人好みのアセットデータを多数公開してくれています。感謝しつつ、高評価を入れたりコメントを残したりしましょう。
なおアセット追加は面倒なので、ついつい復数個をガーッとサブスクライブしてしまうのですが、手抜きをすると必ずエラーが待っています。同じ作者のおなじシリーズであれば復数追加でも構わないでしょうが、別の作者等の場合、いきなりエラーが出て焦ることになるため、面倒でもアセット追加は少しずつ行うようにしましょう。
また面倒でも、サブスクライブと同時にコレクションに追加するのを忘れず、またアセットも建物や車、列車、地下鉄などで細かく分類しておけば、後からエラー原因を切り分けたり環境を再構築する時に必ず役に立ってきます。エラーが出た場合の対処方法は別記事にまとめてありますので参照してください。
今から始める「Cities Skylines」:Mod編 | 日々のつぶやき
アセットのFAQ
デフォルトの車や建物を消したい〔Advanced Vehicle Options (AVO)〕
バニラ状態ではホットドックやドーナツを上に載せた車が登場しますが、これは少し見栄えが良くないため消したくなります。
指定のアセットをゲーム内で利用するか否かについては「Advanced Vehicle Options (AVO)」で設定が可能です。
この「AVO」を導入すると、ゲーム内のツールバー右に「グレーの車アイコン」が表示されます。※このページの一番最初の図の右端に表示されているアイコン
AVOを起動すると乗り物の一覧が表示されるので、Categoryから”Industry”を選択するか、検索ボックスに「ドーナツ」や「ホットドッグ」と入れると絞り込むことが出来ます。
「ドーナツ販売車」をクリックして選ぶと、画面右側にイメージなどが表示されるので、その中の「Allow this vehicle to spawn」のチェックを外して、画面左下にある「Export」ボタンをクリックして保存します。※以前は「Save」ボタンだったようです。
上の画面では、すでにドーナツ・ホットドッグのほかスプレー缶を載せた害虫駆除車、赤一色のバンもついでに変更した後です。それぞれに禁止マークがついていることがわかります。
パトカーや消防車を自分好みに変更したい
警察や消防が使用する車のイメージを変更したい場合も、同様に「Advanced Vehicle Options (AVO)」で設定が可能です。
AMOのメニューでCategoryを”Police”や”Fire Safety”などに変更すると一覧が出ますので、デフォルトの車の「Allow this vehicle to spawn」のチェックを外せばOkです。
ただしそのカテゴリー内に代替できる車がなければ、デフォルトの車の設定が利用されるので注意が必要です。この場合にはゲーム内でその旨のメッセージが表示されます。
公共交通機関を自分好みに変更したい〔Improved Public Transport 2〕
デフォルトで用意されている列車やトラム、メトロなどを変更したい場合には、「Improved Public Transport 2」を使用します。
オプション項目
サブスクライブすると、オプションに項目が増えているのでまずこちらを確認しましょう。
- Budget control:新規で路線を引くと、デフォルトだとすぐに自動的な便数設定が行われジャンジャンバスが出たり列車が数珠つなぎに登場してしまいます。これをオフにしておくことで、新規路線設定時の自動的な便数設定が停止します。
- Veihicles Unbounching
- Unbounching aggression:列車やバスの運行間隔の設定です。バニラ状態でもヴァージョン1.7から自動制御するようになったということですが、まだまだムチャクチャ偏った運行をするので、Maxの52にしておきます。
- Veihicles on new lines:Budget controlがオフの場合に、新規路線設定直後にここで指定しただけの車両をセットします。車両デザインを変更したくてこのModを導入しているのですから、これはオフにしておいた方が良いでしょう。
- Spawn time interval:車庫から出庫する間隔の設定
- UI Settings
- Vehicle Editor position:後で説明するエディタ(交通機関の設定値変更ツール)の表示位置です
- Hide Vehicle Editor:エディタの非表示設定です。ゲーム内のオプションからいつでも表示/非表示を切り替えできますので、だいたい設定し終わったら一度消してスッキリさせましょう。
- Lines Direction Tool:路線図表示をするかどうかの設定。この設定は本来、別Modであった「Transport Lines Manager」での表示時に邪魔になるため消せる設定です。しかし、Improved Public Transport 2は、現在の「Transport Lines Manager 13.1」とは互換性がありませんので、現時点では関係ない設定となっています。
ゲーム内での設定
次にゲーム内での設定画面を見ていきます。
サブスクライブすると、ツールバーの「交通機関」あるいは情報ビューの「交通機関」を開くと、今までの画面に加えて「Vehicle Editor」というウィンドウが表示されます。
これは各公共交通機関の設定値を編集できるツールです。バニラ状態では、ここには「バス」や「地下鉄」などといったデフォルトで入っている交通機関の値の表示と変更ができます。なお変更するとそのセーブデータ以外にも反映されますので、既存のセーブデータに影響すると困る場合には注意が必要です。※もし問題が起きた場合にはDefaultボタンでデフォルト値に戻しましょう。
追加でSteamのワークショップからアセットを追加している場合には、ドロップダウンをクリックすると、そのアセットが選択できるようになり、同様に設定値を変更できます。
- Passenger capacity:1両(1編成)あたりの乗客数で、変更するとすれば主にこの値になるかと思います。
- Max Speed:最高速度です。ただしこの数値よりも軌道速度の方が優先されるようですので、ここだけを変更しても一定以上はあがりません。
続いて虫眼鏡ボタンを押して「路線概要」を表示させます。トラムや地下鉄、鉄道を表示させても変更する欄がありませんが、個別の路線を表示させると、何やら項目が追加されています。
- Budget control:その路線に出庫する車両数(編成数)を予算により自動的に決定するかどうか。バニラ状態のようにウィンドウ下にある「車両等の配分」ゲージを左右にスライドさせると自動的に決定されますが、そうではなく自分で完全にコントロールしたい場合にはこのBudget controlをオフにしておきます。
- Vehicle unbunching:車両の分散をおこなうかどうか。
- Depot:その路線に出庫するデポの選択ができます。当然経路が繋がっている必要があります。
- Select Types:出庫させたい車両の種類を選択します。クリックすると新しく小さい「Select Types」という窓が開きますので選択して戻りましょう。なおここでShift+クリックすることで、その車両種類を直接出庫待機(Enqueue)させることもできます。
- Add Vehicles:その路線に対して選択した車両を追加します。
- Remove Vehicles:その路線から車両を撤去します。
- Vehicles queued:出庫待機状態の車両がリスト表示されます。
「Select Types」で車両の種類を選び、「Add Vehicle」で車両を待機させていくというのが基本的な流れになります。
すでに車両が走っている場合は、直接その車両をクリックして「Remove Vehicle」することで、車庫に行くかまたはその場で撤去状態となります。
以上の操作で、交通機関のデフォルトの車両の変更が行えているはずです。
アセットをピタッと並べたい
ある程度慣れてくると呼び出したアセットを「Move it!」でちょこちょこいじってという動作が増えてきます。
ここで初心者がつまづくのが「ピタッと並べたい」ということではないかと思います。マウスなどで微妙に動かしても一定以上細かく動かせず、アセットがガタガタに並んでしまいます。
必要なModはちゃんとMove it!の必要アイテムに書かれています。※私も初期によくわからないままMove it!を導入していたため警告を無視してつまづきました。
これを入れると思いのまま細かくアセットを動かすことができるようになります。
なお、建物など高さのあるところにアンテナのようなアセットを配置したいときには、同じ様に必要なアイテムにかかれている「Prop Snapping」を入れましょう。ちゃんと高さを考慮した位置に配置してくれるようになります。
公共施設ばかりになる問題を解決したい
ある程度の街を作ると、やたらと公共施設を要求されて気づけば小学校や消防署だらけになってきます。これを解決するのが「Customize It!」です。
公共施設の種類ごとに、その影響範囲や能力、水や電気の使用具合などを細かく設定できます。設定は、1つの施設ごとではなく、その種類の建物すべて一括での設定です。小学校なら、マップ内に既設の小学校及びこれから設置する小学校すべてが対象となります。
このModを導入して例えば小学校を選ぶと、右上の閉じるアイコンがギアアイコンに変化しています。このギアアイコンが表示できる建物については、すべてカスタマイズ可能ということです。
小学校の場合、Education Radiusが影響範囲、Student Countが1校あたりの受け入れ人数です。その他、上下水道や電気などのコストや労働者数、火災発生度合いなども弄くることができます。
一言で言えば「チートツール」の類ですので好き嫌いはあるでしょうが、上記のような悩みが出てくれば入れてみると良いでしょう。なおデフォルト値に戻したい場合には、各公共施設のカスタマイズ画面の「Reset」ボタンをクリックすれば即戻ります。
ゲーム起動後にエラーが出る
「Ploppable RICO」で設定した後にゲームを再起動すると、マップが表示された後にエラーウィンドウが表示されることがあります。例えば次のようなメッセーがずらずらといくつか表示されます。
Broken assets:
Extra Buildings: H3 4x3 Shop12: Private building cannot have manual placement style
Extra Buildings: H1 3x4 Shop12_c: Private building cannot have manual placement style
Commercial High: H1 4x3 Shop01: Private building cannot have manual placement style
Europe Commercial High: H3_4x3_CommercialBlockhouse: Private building cannot have manual placement style
Details:
No details" error:
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Broken RICO building :: Cities: Skylines General DiscussionsI have been using RICO for a long time, but it has never caused a problem before now. I kept getting this error along with the "System.NullReferenceException" e...
これは「Ploppable RICO」の設定ミスで、たいてい「Ploppable RICO」の該当するアセットのローカルデータをいったん削除してやるとエラーは出なくなります。
しかしたまに、「Ploppable RICO」で呼び出せないアセットに対してエラーが出ている場合があります。
こういうときには、「Ploppable RICO」を一度サブスクライブ解除する以外にゲームクライアントでは解決のしようがないと思われます。しかしそれも面倒なので、サブスクライブ解除する前に試すと良いと思われるものがあります。
インストールされているフォルダ(Steamライブラリで指定したフォルダ)にある「LocalRICOSettings.xml」の内容を修正してやると直る場合があるようです。
- ゲーム内でエラーをコピーしてメモ帳などにコピペし、ゲーム本体を完全に終了する
- Steamライブラリ配下の\steamapps\common\Cities_Skylinesを開く
- LocalRICOSettings.xmlをバックアップしてから、元ファイルをエディタソフトで開く
- エラーの出ていたアセット名称を検索機能で探す
- その行を削除し、保存する
- Citiesを再起動してエラーが消えたか確認する