Cities Skylines IIにアセットインポートが実装されないのと、前から気になっていた「TransportFever2(トランスポートフィーバー2)」が安売りしてて、なおかつこの9月23日には最後というメジャーアップデートが来るというので、さっそく買ってプレイしてみました。
※9月23日午前10時(PT)までセールということなので、恐らく日本時間だと24日の午前2時(真夜中)になるかと思います。→なんかスペシャルプロモーション!らしく9月28日に終了するらしいです。 →日本時間28日終了していました。
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変更履歴:
- 2024年9月26日:「小技など」を追加中→28日大きくなってきたため別記事に切り出しました
- 2024年5月25日:「気になったMod」については別ページに分離
- 2024年9月24日:Mod関連など全般的に修正・追記
- 2024年9月22日:初稿
目次
Steam で 66% オフ:Transport Fever 2 ※非セール期間の定価は4500円
感想
まだたかだか数十時間しかプレイしていないためまだ良くわかっていない事が多く、Modも入れ始めたところなので、ほんの触りレベルの感想を書いておきます。
「今さら」というのは最後のメジャーアップデートするくらい熟成された今だからみたいな意味です。以前話題になった時に実況動画などを見ていたのですが、いまいち面白さがわかっていませんでした。
決してアップデート内容が期待できるとかそういう意味ではありません。なんせアップデート内容は、Mod.io対応、鉄道線路の三路スイッチ、運転シミュレーションAI改善、建物建設時の自動スナップ、線路/道路建設時のガイドラインらしいですから、それらもリリース5年後の今さらって感じがしますが現状でもバグが少ないと言うか細かいところの仕様が置き去りなままというか…まあゲーム内容は十分に楽しいです。
概要
本作は、名前の通り輸送ゲームです。穀物を食品加工場に運び、そこでできた食品を需要がある街に運ぶことで利益を得、さらに街も発展していきます。街が発展すれば旅客輸送も儲かるようになります。
輸送システム会社(陸運・鉄道・開運・空運)の社長となって(社長が個々路線の路線管理やるのか?という疑問はあるが)、リソースの管理とそれを輸送する路線管理がメインとなっており、自分の思うように構築できた後に、車窓モードなどでぼーっと車両の出入りなどを眺める至福な時間は他で代えがたいものがあります。
また年代要素がある点も面白く、最初は馬車などが走るのんびりした時代で始まり、年代が進むにつれてまずは蒸気機関車が、さらにディーゼル車や電気動力車なども登場します。トラックや航空機なども同様に後の時代になると使える機体が増えていく楽しみもあります。
※ゲームのオプション設定で最初から全機体が使えるようにもできますし、本当は使えなくなる一部過去車両をずっと使い続けることができるModもあるようです。
一応キャンペーンモード(いわゆる達成条件などが指定されているシナリオモード)もあるのですが、やはり好き放題できるフリーゲームが一番楽しいのではないかと思いますし、キャンペーンクリア後も延々とプレイできる楽しみがあります。
他ゲームとの比較
Cities Skylinesとの比較
恐らく似通ったジャンルの代表格でもあるCities Skylinesシリーズと比べてどうなのか?というところがもっとも関心のあるところだと思いますが、鉄道やトラック輸送の交通網を作り上げる楽しさは本作の方が上でしょう。また本作は輸送会社社長、Cities Skylinesは市長(つまり鉄道やバスなどは公共交通)という決定的な立場の違いがあり、例えばCitiesだと路線を作ると車両が車庫から勝手に湧いてきて後は編成数の管理だけですが、本作ではまさに一両ずつどこの車庫/基地で購入してどの路線に割り当てるか、またそれぞれの車両の走行年数やメンテナンスまで管理する必要があります。
例えばCities Skylinesでモジュール式の鉄道駅を楽しみたい/楽しんできたような人はまちがいなく合うかと思います。むしろベースゲームでもかなりある列車種類などで満喫できるでしょう。逆に町並みを創るという点においては、本作はやはりCities Skylinesに及ぶべくもありません。本作では街の用途地域(住宅・商業・産業)は勝手に決められ、関与できるのは各地域への需要品輸送と道路敷設のみです。道路を含めて勝手に成長し、関与できるのは道路をロックすることだけです。むしろ大事な道路は、ロックしておかないとこっちが敷いた道路を片っ端から一般道に変更されたりします。ただし町並み構築要素が無いからと言って問題かと言えば、結局Cities Skylinesでも碁盤都市になってしまいがちなことを考えると、自動で勝手に発展するのもまあ楽チンでいいかなと思えるバランスになっていると感じました。それなりに街並みも自然に作られますし。
ただしカスタムアセットの豊富さではCities Skylines(CS1)には及ぶべくもなく、さらに日本風の都市風景となると、そもそも道路での左側通行に難があるなどなかなか難しいところがあります(一応切り替えるMod[Steamワークショップ::Left Hand Traffic]はあるがすべてのアセットに対応してるわけではない)。単体の(JR/私鉄)車両や信号機アセットなどはちょいちょい出ているのですが、そもそもCities SkylinesでいうMoveItやFindItに相当するModがないため、そこまで細かな風景づくりには向きません。いかに両Modが偉大かを知ることにもなります(一応同名のModがあるのですが、グローバル座標系でのXYZ座標での移動単位指定などCities SkylinesシリーズのModを考えれば驚くほどの使いづらさで構築し直すほうが早いくらいです)。
あとちょっと驚きですが「地下鉄」という概念がありません。Steamワークショップ::Underground StationというModがあり、それとSteamワークショップ::Underpass、Steamワークショップ::Shader Enhancementなどを入れて、実際には”鉄道(train)”を地下トンネルに走らせるというかなり強引な手法で地下鉄を実現しています。いわゆる第三軌条方式の線路(軌道)もないようです。開発元であるUrban Games社はスイスの独立系開発会社で、2013年の同社設立時にはすでにスイスにも地下鉄が走っていた(2008年開業)ようなので何故ないのかは不明です。かなりスリムな開発チームらしいのでコストカットで割愛したのでしょうか?もっともCities Skylinesでも地下鉄の高架駅が欲しいだの逆に鉄道の地下駅が欲しいだの勝手な要望が出るのが定例で、「じゃあ鉄道一本でいいか」となったのかも知れません。
Railway Empireとの比較
同じ鉄道会社経営ゲームのジャンルでは「Railway Empire」というゲームがありますが、あれからライバル要素を抜いて(つまりRailway Empireのフリーモード)道路要素を加えたものと思えばよいでしょう。年代要素がある点も同じです。
それにRailway Empireではほぼ皆無な街育成の要素(と言っても道路を敷いてバス停/荷下ろし場に運送/輸送するだけ)がちょっぴり入っているような感じです。ただしちゃんと個別の建物があり個別の住民がおり、車も目的地へと走り回っている。競争要素がないため運送網を好きなだけ構築できますし、慌てる必要もまったくありません。年代ごとに登場してくる列車の選択や、個々の車両の整備が必要な点も同じです。
Simutransとの比較
またフリーの輸送会社経営シムで「Simutrans」というゲーム(2Dの45度見下ろし固定ビュー)がありますが、ゲーム内容としては非常に似通っていて、あれをきれいな3Dゲームにしたものと思えばほぼ間違いないかと思います。
ただしSimutransだと(記憶の限りだと確か)「駅から一定範囲内」なら勝手に物資をストック/回収してくれたはずですが、本作は運送がメインのため路線作成や車両割当までやる必要がありSimutransよりはややめんどくさくなってます。
Annoシリーズとの比較
Annoシリーズをやってきたような人なら、あれの生産チェーン的な要素のみを抽出し(ライバルや戦闘要素を無くし)て、鉄道やトラック輸送版にしたものたものだと思えばよいでしょう。船や飛行機もあります。
ただしAnnoだと配送範囲みたいな概念がありわざわざ物流網を構築する手間はない(倉庫配置さえすれば後はよきに計らってくれる)のですが、本作ではむしろそっちが大事で「(原材料地→加工工場→街の工場や消費者)」という物流網をきっちり作り上げる必要があります。駅や停留所を設置し、それを繋いで路線作成を行い、その路線にトラックなり車両を割り当てることではじめて生産チェーンが動き出します。それを原材料生産拠点から加工拠点、最終消費者への配送拠点まですべてきっちり構築する必要があります。例えばAnnoだと接続していなくともあふれるまで勝手に生産してストップしますが、本作は生産チェーンを構築しないとそもそも生産開始されません。
輸送ゲームとして最高
トラック・列車・船舶・航空機というあらゆる要素を使いこなして生産チェーンを構築して悦に入るという輸送ゲームとしてはなかなかの出来だと思います。
ただし最終消費先(街)まで繋がないと、つまりは生産チェーン(製品は原材料地→加工工場→街の工場や消費者)を完成させないと生産開始されないというのが最初に詰まるところではあります。街に接続した駅に届けるだけではダメで(それでは駅から届く範囲にしか配送されない)、駅から荷下ろし場へトラックで接続してあげる必要があります。そういう意味で最終消費者に届けることで初めて生産チェーンが完成します。※同様に乗客は駅から駅だけでなくバス停まで送り届けてあげないと需要を満たせず自家用車を使うことになります。
また生産した物資の在庫を各路線ごとに保持しているため、同じトラック駅(倉庫)に在庫があったとしても各路線ごとの保有であって他の路線に流用することができないという融通の効かなさがあります。このあたりはSimutransとかなり違います(かなり記憶があいまいだけども影響範囲内なら自動割り当てで町ごとの需要の差という概念自体がなかった気がする)。
例えば生産工場から複数の路線に搬送している場合、路線ごとの分配は自動で決定され、こちらで関与することはできないため溢れた路線分(同じトラック駅を2周してA→B→A→Cと2か所に配る場合は2経路分)の在庫が分けて貯まり溢れれば勝手に捨てられるという点も、少しもやもやするところでもあります。※工場で分配設定できればいいのだが…。
もちろん馬車や機関車ごとに機関(馬・蒸気機関・電気・ディーゼル)の種類や馬力や搭載速度、重量、最高速度などの諸元データがあり、また牽引されるトレーラーにも車両ごとに輸送できる貨物種類が制限されているものがあり(Modで解除可能らしい)ます。このため、無蓋車を何両、有蓋車を何両といった混成した編成を作ることも可能です。当然駅の長さや鉄道信号などの要素もあります。※信号を利用すれば鉄道だけは複線時に左側通行にできる。
なお路線ごとに「どの駅で何を何%ぐらい積み込み、どの駅で何を積み下ろすのか」の指定も当然あり、さらに「満載まで待つか」、「どのくらいの時間待つか」なども10分まで10秒単位、あるいは期限なしの指定が可能になっており、これらを組み合わせることで自分の希望に近い輸送システムを作り上げることも可能です。このあたりもRailway Empireっぽい要素です。ただし積み下ろしだけは全部下ろすしか選択肢が無いのもすこしもやもやするところです。つまり1路線で2か所に配送したい場合はA→B→A→Cという経路設定が必要になります。これもどうにかならないものかと思うところです。
鉄道ゲームとして
船舶と航空機についてまだほとんど試せてないのですが、鉄道ゲームとしてはなかなか楽しいんじゃないでしょうか。
Cities Skylinesで歯がゆいのは駅の管理が甘く、モジュール式の駅の構築についてもほぼアセット配置でフルスクラッチで作り上げて行って、路線設定で無理やり番線指定して停車させる感じになるのですが、本作では最初から駅にレゴ的な拡張要素が組み込まれていて、プラットフォームの増築や線路(番線)の増築を非常に容易に行うことができるのは感動モノです(その”駅”の設定画面から。最初から拡張ポイントが配置されていて、選択した要素をカチカチとハメて増築する)。
例えばこれが線路1本の旅客駅を建ててから、貨物用のプラットフォームを増設し、さらにその貨物用の線路を増設しているところです(つまり貨客併用駅なども普通に作り込める)。このように青色などの■で増設できるポイントが明示されており、そこに線路やプラットフォーム、その他構築物などの部品を選択するときちんとそれが設置可能なポイントが都度表示されるという親切設計です。部品には通用口や旅客地下道、プラットフォーム屋根なども用意されています。増設した要素を含めて最初に設置した要素の削除も(その”駅”の設定画面から)自由にできます。
拡張した駅部分もちゃんと一体の「駅」として認識され、輸送などにも反映されます。ここが最大のウリなのかも知れない。また路線管理画面からの停車番線選択や、代替番線が指定できたりするのもなかなか楽しい要素です。※Cities Skylines IIベースゲームでは路線に投入する車両編成数くらいしか介入できない
※同様の仕組みは例えばトラック駅(搬出入倉庫)などでも同様に一度設置した後から、倉庫を増設して容量を増やしたり、別の出口を作ったり、トラック駅に旅客プラットフォーム(バスのりば)を増設したり、逆にバス/トラム駅にトラック積み込み場所を増設したりも自由です。カスタムアセットを含めた拡張性の高さはCitiesプレイヤーからすると非常に羨ましい部分でもあります。
例えばバス/トラム駅にトラック積み込み場所を増設、一方通行の連絡口を2個追加したもの。
また線路の敷設についても、鉄道ゲームらしく最初からスロープ強制状態(地形高低差に従うのではなく、始点と終点の高低差をきっちりなだらかに結ぶ)になっており、始点と終点だけを雑に指定すると一気にトンネルや橋梁がボコボコできてしまうため、細かく指定していくことになったりします。このあたりは、ベースゲームでは地形に沿ってデコボコに敷かれてしまいリアルさに欠けるCities Skylinesとは決定的に違うところですね。
線路の敷設状態によって走行する車両の速度に影響を与える要素も当然あります(最小曲線半径や勾配を考慮しないと露骨に速度低下する)。また信号を設置して閉塞状態にしないと対抗車両とかち合って停車してしまう点もまさに鉄道ゲームで、それらの概念がないために気づくと数珠つなぎになって詰まってしまうCities Skylinesシリーズとはまったく異なります。Cities Skylines IIでは道路のメンテナンス状況という概念が導入され一応速度にも影響するが、メインは交通事故発生率の上昇要素であくまで渋滞管理での発生要因のひとつとなっている。
なお時刻表はベースゲームには無いのですが、TimeTableというModが公開されていてそれを使うことで時刻表運用も可能です。
注目ポイントとしては、列車の主観カメラにして列車の中が見れるのは当然だとして、旅客列車の場合に乗客がくつろいでたりするのが楽しいポイントですね。※固まってじっと座ってるのではなく前後左右に揺れたり身振り手振りをしたりしている。動作がリアルかどうかはさておき雰囲気は十分にでている
Mod拡張要素
本作もPC版ではModに対応しており、アセットを中心にかなり多くのアセットや一部スクリプトMod(コードMod)が公開されています。
Steam コミュニティ :: Transport Fever 2
※なおこのModについて2024年9月23日のアップデートでは、EPICやGOG、コンソール機でもMod対応(いわゆるアセットModのみ)をしました。現在はSteamワークショップしか対応していないため(ファイルをぶっこめばどうにかなるPC版と違い)コンソール機ではアセットに対応していないのですが、Mod.ioと連携することでコンソール機でもユーザーアセットをサブスクライブすることでゲーム内で利用できるようになるということです。このあたりはCities Skylines IIでSteamワークショップからParadox Modsに切り替えることでコンソール機にもアセット共有の仕組みを開こうとしている状況に似ていますね。もっともCities Skylines IIではコンソール版をまだリリースできていませんが。
このTransportFever2 で一番すごいと感じるところが、各施設というか自分が建築する輸送用の建物にそれぞれ「設定」画面がついており、そこで様々なカスタマイズ設定を行うことが可能な点です。
ベースゲームでも、上で述べたように鉄道駅やトラックステーションで設定することで様々なカスタマイズが可能なのですが、詳しくはわからないのですがこのインターフェースをModでも利用することができるようです。例えばワークショップ公開の高架駅Modでは駅のタイプや駅の高さ、階段の数、フェンスの有無種類、付属する道路種類まで実に様々なカスタマイズ項目を持っており、1つの同じアセットとは思えないほどバリエーションに富んだカスタマイズができます(別記事参照)。
反対の例としてCities Skylines IIを挙げると、あのゲームではこのような建物の拡張性は持っておらずベースゲームアセットのポン置きでしかなく(CS2でようやく各施設のアップデート項目が付き、パッチで隣接していなくても一定範囲内での設置が可能になった)、例えば鉄道駅であればバニラでは線数固定の駅しかありません(付属設備も含め完全同一の1形態しかない)。仮にアセットを制作して公開する場合でも必要に応じて2線、3線、4線のようなバリエーションをすべて別個のアセット(および細々したProp)として展開する必要があります。一応同一アセットのシリーズ間で同一のテクスチャを共通化するような工夫はされていますが、プレイヤーはバリエーションを出そうとするとそれだけ個別にアセットをサブスクライブする必要があり、なおかつそれを選ぶ画面でも大量の同種アセットから選び出す必要や、設置済のアセットを拡張したい際には既存の建物を潰して置き換える必要まであったりします。
拡張性という面では圧倒的に本作が優れていると言わざるを得ません。Cities Skylines IIで例えて言うなら、すべての建物アセット(道路・鉄道の各施設)で「RoadBuilder」Modに近い簡易的なカスタマイズ機能を持つことができると言えばイメージできるでしょうか。言い換えればアセット数が1つだとしても、実際にはバリエーションの数だけアセット展開されているようなものです。ただ惜しむらくはCities SkylinesレベルのMoveIt Modはありません。ここだけは公式になんとしても実装して欲しかったところですが、既にメジャーアップデートは完了してしまったようです。TransportFever2では、街の建物については完全自動でプレイヤーは道路以外手を出すことができませんが、もし次作TransportFever3?でMoveIt Mod相当機能がつき、町並みまでプレイヤーの範疇になったりしてなおかつ個別にカスタマイズ可能となれば、これはCities Skylinesシリーズも(都市経営シムと輸送システムシムという違いはあれど)ウカウカしてられなくなるでしょう。
現在のワークショップを見てみると、例えばLocomotive(機関車など他を牽引する車両)では1800、Wagon(貨車/客車など動力を持たず牽引される車両)で30、Multiple unit(現代風な動力車と付随車が1セットになったもの)で780も公開されています。自動車もバスで500、トラックも160、トラムも140などが公開されています。
ベースゲームの「フリーゲーム」モードではランダムにマップを生成する機能があるのですが、みなさんそれでは納得がいかないようで、マップも3600も公開されています。
しかしスクリプトModは500弱しか無く(Cities SkylinesだとコードModと呼ばれるもので現役で動くかどうかは不明だが2000存在し、個々Modの機能としても明らかにCities SkylinesのModが上)、意外とここが薄いようです。またいわゆる建物アセットも少なく(産業で90、タウンビルで90)、その上かなり欧米感のあるものしか公開されていないようで、車両はともかく、建物に関しては日本風の景観を作るというのはほぼムリです。
Cities Skylines(CS1)のワークショップの充実ぶりからすると少し寂しい気がしますが、しかしベースゲーム発売から5年ということを考えれば十分なボリュームがあると思います。私はまだほんのさわりしかModを試しておらず、全体概要はまだまだわかっていません。試して気になったものについては「気になったMod」については別ページに記載しています。
なおサブスクライブしたModの反映は「メインメニューに戻る」操作が必要なだけで、そこで「オプションを選択」として組み入れるModをオンオフ指定できます(各Modの設定もここで行う)。しかもその時に、下記に該当するModはちゃんとベースゲーム本体機能として切り分けて警告表示が出るところが優れています。
- 赤色警告:削除するとクラッシュするMod
- 黄色警告:削除すると予期せぬ結果になる場合があるMod。たいていは車両や建物アセット
このゲーム起動後に(ゲーム起動中でもメインメニューに戻りさえすれば)Modを動的に組み込むというMod対応の柔軟さに加えて、ベースゲーム起動の素早さも圧倒的にCities Skylinesシリーズより優れていると思います。私の貧弱と言えるくらいの環境ですらメインメニューまで10秒もかからず起動し、マップ読み込みも1~数分程度で完了する身軽さは、どちらも数分待たされるCities Skylinesシリーズに慣れてしまった身からすると驚きのレベルです。※Steamワークショップで新たにサブスクライブした場合でも、たとえゲーム起動中でも(必要ならセーブをして)メインメニューに戻るだけでサブスクライブ状況が反映されます。当然といえば当然なのですがCities Skylinesでは必ず時間のかかる再起動が必要になります。
※そもそもCities Skylinesは起動時にMod全読込みするのをやめて欲しいところです。未プレイだと想像しづらいでしょうが、スクリプトModもアセットも全部読み込んでからゲーム起動(メインメニュー表示)するため、サブスクライブ数が増えると起動ごとに毎回その読み込み作業がまずゲーム起動時に発生することになります。ゲームプレイするにはどっちみち読み込むことになるとはいえ、両ゲームともにアセット選択も楽しい要素であり、その楽しみに対してひと段階しかもかなり大きい苦痛な要素が存在するというのは、プレイフィールを大きく阻害するものだと思います。
起動後にMod管理およびプレイセット管理を行い、そこからModを含めてセーブデータを読み込むTpF形式にはできなかったのでしょうか。Citiesでは先に(デフォルトプレイセット指定で)Mod読込しながら起動処理を行うため、そもそも「ゲームが起動できなくなりました」という報告が山のように上がっています。これではベースゲームに問題があるのか、読み込もうとしたModに(組み合わせ含めて)問題があるのかの切り分けすら手間で、その切り分けは(ログの位置すら認識していない素人には難しい)ログをチェックするしかなく、当然ですが公式サポートもそこに手間取っているように感じます。まずベースゲームを起動してしまえば、そこから先はModに原因があることが素人でも判明するためサポートも楽になるかと思いますし、そもそも(Skyveという専門の外部Modを使っていなければ、あるいはWebブラウザ経由でParadox Modsにログインしない限りは)プレイセット切り替えすらゲームの再起動が必要になるというのは構造的に問題があると言わざるを得ません。
もっともTpF2も問題が起こったときは生のログが表示されるだけであり、解決には慣れと工夫が必要なのは変わりません。せめて問題の起こったModの名前(これはログを見れば「steamapps/workshop/content/1066780/~~」と書かれているためすぐわかる)をMod番号ではなく「Mod名で」大きく一覧表示するなどできなかったのでしょうか?それを表示するだけで素人でも解決の糸口とすることができるでしょう。これはCities Skylines IIでもまったく同じ状態ですが。
あえて雑にまとめてしまうと、Cities Skylinesはベースゲームの機能はやや劣るがコミュニティModの機能性が非常に高く(しかしMod原因でもゲーム起動すらできなくなる可能性を孕む)、逆に本作TransportFever2はベースゲームの機能はバラツキがありながらも特に設備拡張など一部機能で高いがコミュニティModの機能性がやや劣ると言っても良いかも知れません(あくまでいちプレイヤーの、印象を元にした雑な個人的主観に過ぎない)。ただ簡単な比較はできないでしょうが、どうも人口規模が大きくなった場合の最適化についてはCitiesプレイヤーにとっては意外ですがCities Skylines IIの方が勝っているようです(これはTpF2コミュニティでの評価)。TpF2界隈では「人口が増えて重くなった」という意見に対しては人口削減のModが勧められるような状況ですが、片やCS2界隈では(人口だけでなく細かなバグに到るまでほぼ一切について)開発元を徹底糾弾するような主張が非常に多くなっている状態だと感じます。※あくまで公式でのアセットインポーターが実装されていない2024年9月時点での話
感想のまとめ
2024年9月23日に来るのが本作最後のメジャーアップデートらしいのですが、鉄道箱庭ゲームとしてはとてもおもしろいと思います。※陸上の自動車(馬車も)と鉄道、航空機、海上輸送まで含んでおり、いわば「Cities Skylines(CS1)+Mass Transit」のようなもので、ゲームの根幹から輸送寄りな感じです。
「多数の無料アップデートを伴う5年間のアクティブ開発の後、秋のアップデートは輸送フィーバー2の最後の主要な更新となります。その後、パイプラインには新しいものと素晴らしいものがあります。」とのことで、恐らく次作TransportFever3?が発表されるのではないかと思いますが楽しみですね。
なお本作TransportFever2は重いゲームとして有名なようですが、私の環境だとグラフィックを「低」にした上で、NVIDIA Control PanelでFPS制限してあげると非常に軽い状態で動作するようになりました(人数の増加により負荷が高くなるのは致し方ない)。デフォルトだと無駄に60FPSとか出ているのですが、箱庭ゲームにそんな高FPS要らないだろうと思います。完成した街を楽しむなど景観を楽しみたい場合などにグラフィックレベルを上げればよいかと思います。
小技など
大きくなってきたため別記事に切り出しました。
最終メジャーアップデート(バージョン 35905 :2024年9月23日)について
リリースノート [Transport Fever 2 Wiki]
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